What We Value in Our Lab
--Our lab philosophy--
What We Value in Our Lab
--Our lab philosophy--
(1) 研究室の目標
「細胞がどのように生き、どのように死ぬか」を明らかにすることが、最終的な目標です。言い換えると、細胞生物学における新しい現象や新しいメカニズムを見出し、それを論文として世界に発信することを目指しています。研究は次のような流れで進みます。
論文を読む
未解決問題をあぶり出す
仮説を立てる
実験によって検証する
結果を解釈する
文章と口頭で人に伝える
研究とは、単に手を動かして実験することだけではありません。「何が分かっていて、何が分かっていないのか」を理解し、自分の実験は何を明らかにしようとしているのか、絶えず考えることが重要です。
(2) 研究室は成長するための場である
研究室は、単に卒業論文、修士論文、博士論文を書くためだけの場所ではありません。自分自身に付加価値をつけ、研究者としても社会人としても成長するための場です。ここで身につけるべき力は、たとえば次のようなものです。
よく観察する力
実験を粘り強く継続する力
結果を正しく理解する力
論理的に考える力
原著論文を読み理解する力
日本語と英語で人に伝える力
建設的に議論する力
失敗から学び、次の実験を考える力
卒論、修論、博論、日々の発表、論文紹介、実験の失敗や成功を通じて、階段を一段ずつ上がるように成長していけるよう、サポートしたいと考えています。
(3) 基本姿勢
<謙虚であること>
実験結果、論文、先輩・後輩・同級生からの意見に対して、謙虚に向き合う姿勢が大切です。謙虚であることは自信がないことではありません。自分の考えを持ちながらも、他者の意見やデータに学ぶ姿勢を持つことです。
<メンバーをリスペクトすること>
研究室は一人で成り立つ場所ではありません。教員、共同研究者、学生、事務の方々など、多くの人の協力によって研究が進みます。相手の時間、努力、立場を尊重してください。議論では意見が違っても構いませんが、相手への敬意を失ってはいけません。
<感謝とあいさつを大切にすること>
「おはようございます」
「失礼します」
「ありがとうございます」
「よろしくお願いします」
このような基本的な言葉を大切にしてください。また、研究室の当番、共用機器の管理、試薬の補充、掃除、ゴミ捨てなどは、誰かがやってくれて当たり前ではありません。自分が気づかないところで研究室を支えている人がいます。そのことに感謝の心を持ってください。
(4) 能動的に行動する
受け身の姿勢では、研究は進みません。「次に何をすればよいですか」と指示を待つだけでなく、「この結果から次に何をすべきか」「この実験の問題点は何か」「この論文から何が学べるか」を自分で考えることが大切です。
もちろん、最初からすべてできる必要はありません。しかし、少しずつでも自分で考え、自分から質問し、自分から行動する姿勢を身につけてください。研究室は、与えられた課題をこなす場所ではなく、自分で問いを立て、自分で答えに近づいていく場所です。
(5) 実験に対する姿勢
実験では、丁寧さ、正確さ、再現性が重要です。一回の実験結果だけで結論を急がないこと。うまくいかなかった実験も、しっかりと記録を取り、原因を考えれば重要な情報になります。ネガティブデータは半年後、1年後に必ず生きてきます。失敗を隠す必要はありません。特に大切にしてほしいことは以下です。
実験ノートを正確に残す
条件、日付、サンプル名(使用した細胞やDNAの大元のストック)を明確にする
データを整理して保存する
結果を都合よく解釈しない
再現性を確認する
分からないことを放置しない
安全管理を徹底する
研究は、誠実さの上に成り立っています。データに対して正直であることは、最も基本的で、最も重要な姿勢です。
(6) 時間を大切にする
研究室では、自分の時間だけでなく、メンバー、共同研究者の時間も大切にしてください。発表、ミーティング、実験、共同作業などでは、予定の10分前には準備を完了することを基本とします。「10分前行動」は、相手へのリスペクトであり、自分自身の余裕にもつながります。時間を守ることは、信頼につながります。信頼は、研究室での共同作業の土台です。
(7) 報告・連絡・相談を大切にする
研究では、問題が起こること自体は悪いことではありません。しかし、問題を一人で抱え込んだり、報告が遅れたりすると、解決が難しくなります。特に以下のことは、早めに共有してください。
実験がうまくいかない
データの解釈に迷っている
試薬や機器に問題がある
サンプルを失敗・紛失した
体調やスケジュールに問題がある
締切に間に合わない可能性がある
早めの相談は、責任ある行動です。分からないことを分からないと言えることも、大切な能力です。
(8) 議論を恐れない
研究室では、積極的に議論することが大切です。質問することは、理解が浅いことの証拠ではありません。むしろ、理解しようとしている証拠です。発表や論文紹介では、完璧に話すことだけが目的ではありません。自分の考えを言葉にし、他の人の意見を聞き、考えを深めることが目的です。後輩は遠慮せずに質問してください。先輩は後輩の質問を大切にしてください。質問しやすい雰囲気、建設的な議論ができる雰囲気を、研究室全体で作るのが重要です。
(9) 研究室の一員として行動する
研究室は、個人の集合ではなく、チームです。自分のテーマに責任を持つことはもちろん大切ですが、研究室全体が前に進めるよう行動してください。それが延いては個人の研究の進展につながります。
共用スペースをきれいに使う
共用試薬や機器を大切に扱う
使い切ったものは補充・連絡する
困っている人がいれば助ける
当番や係の仕事を軽く見ない
教えてもらったことを次の人に伝える
当番や雑務は、研究の本筋ではないように見えるかもしれません。しかし、誰かがそれを担っているからこそ、研究室全体が機能しています。自分も研究室を支える一員であるという意識を持ってください。
(10) 安全・健康を大切にする
よい研究は、心身の健康と安全の上に成り立ちます。無理をし続けることが努力ではありません。実験では、試薬の適切な管理、廃液の適切な処理、機器の適切な使用が重要です。体調が悪いとき、精神的に追い込まれているとき、研究がつらくなっているときは、早めに相談してください。研究室は、成果を出す場所であると同時に、人が成長する場所です。