間違いの指摘

自己啓発・スピリチュアルの情報によくある間違い

「量子力学」の拡大解釈 / 曲解について

「量子力学をかじった自己啓発」や「スピリチュアル」では、

【 意識(思い込み)が現実を作り出している。 だから意識(思い込み)を変えれば現実を思いのままに変えられる。 】
という主張をしている人を見かけます。


「心頭を滅却すれば火もまた涼しと」言わんばかりに、
【「ある」と思っている人にとっては存在していて、「ない」と思っている人にとっては存在していない 】という人もいます。


じゃあ、

・意識を変えることで、何も使わず意識のチカラだけで「空を飛べるのか? 地球を真っ二つに割れるのか?」

・人間の思い込み次第で、「存在のあるなし」が変わるのであれば、
 人間がその存在に気づく前には、「ウイルス」や「菌」は存在していなかったのか?

・人間が存在していると思い込み始めたから、「ウイルス」や「菌」はこの世に生まれたのか?


・「疫病」や「落雷」の原因が、「魔女の呪いだ、神の祟りだ」と思い込まれていた時代には、
 菌やウイルスではなく、実際に「魔女の呪い、神の祟り」だったのか?

・人類が「地球は平面だ!」と思い込んでいた時代には、実際に地球は平面だったのか?


こういった疑問には、どう答えてくれるのでしょうか?


たとえ、意識(思い込み)が現実に影響を与えているとしても、
その影響には「限りがある」という事です。


そこらへんをキチッと線引きもしないで、
【 意識のチカラで何でも叶う 】というのは飛躍しすぎです。

例えば、神社に売ってる「交通安全のお守り」くらいの効果かもしれません。


例えば、「大金持ち」になろうと思ったら、
大金を扱うための、「税務や金融などの知識」も必要になってきます。

何も「行動」せず、何も「勉強」せず、
「意識(思い込み)のチカラ」だけで、何でも叶う訳がありません。

たとえ、一時的に叶ったとしても、それを維持することが出来ません。


大金を持ち続けるには、「大金を扱う知識と技術」が必要になり、
素敵な異性と良い関係を続けるにも、「人間関係に関する知識と技術」が必要になりますからね。

「ミラーニューロン」の拡大解釈 / 曲解について

ミラーニューロンとは、を用いた実験で、

「猿自身がエサを拾ったとき」と「他者がエサを拾うのを見たとき」で、
同じ神経細胞が反応した事から発見・命名された神経細胞です。

ただし、人間にもミラーニューロンが存在しているという明確な証拠は未だ得られておらず、
ミラーニューロンっぽい反応をするシステムが存在している事はわかっているという状態らしいです。


ということは、人間にはミラーニューロンがあって、
ミラーニューロンが「他人の感情を感知する役割を持つ」という証拠は何もないんです。


「猿が他人のエサを拾うの見る」ときは、「目」という感覚器官を使っています。

でも、人間が他人の感情がわかるとしたら、
「他人の感情をキャッチする為の感覚器官」が必要になります。


その感覚器官はどこにあって、どのような働きをしているのか?というプロセスを抜きにして、
さも当然のように、【ミラーニューロンは「他人と感情をやり取りしてる」】ってのは、飛躍しすぎです。


あらゆる感覚情報は脳が処理していますが、
脳が情報を処理をするためにも、情報をキャッチする感覚
器官が必要になります。

視覚情報 → 目
聴覚情報 → 耳
味覚情報 → 舌
嗅覚情報 → 鼻
触覚情報 → 皮膚

という風に。


感情情報 → 「ミラーニューロンが直接感情を受信している」 …なのか?

そんな研究結果、見たことも聴いたこともありません。


・そもそも、感情とはなんなのか? 
・他人の感情がわかるのは、どういった感覚器官が働いているのか?

この解明を抜きにして、【「ミラーニューロン」が共感を司っている・他人の感情を受信する 】という話をするのであれば、
「猿が目隠しされても、他人がエサを拾う行動を受信できている」と仮定するくらい、おかしな事です。