蛋白質折り紙

タンパク質には一次構造、二次構造、三次構造、四次構造がある。

一次構造はアミノ酸配列、二次構造はヘリックスやシートのようにタンパク質の主鎖の水素結合を介して形成する構造を意味する。さらに、二次構造が折りたたまれて形成するタンパク質の全体構造が三次構造である。三次構造を形成したタンパク質が複数集まって形成される複合体構造が四次構造と称される。

二次構造が三次構造に折り畳まれるときに重要なことは側鎖の性質である。タンパク質が機能する環境は水溶液中であるため、疎水性側鎖が内側に、親水性側鎖が外側になるように折り畳まれる。この性質がタンパク質の立体構造の決定に大きく影響している。

前置きが長くなったが、このような側鎖の性質と折りたたみ(フォールディング)を直感的に理解するために、私が作った超簡単な折り紙が「ムラキ式蛋白質折り紙」である。

ムラキ式蛋白質折り紙(展開)

「疎水」あるいは「親水」という文字を並べた短冊である。「疎水」「親水」は短冊の両面に印刷されている。疎水性領域は内側に、親水性領域は外側に向くというルールを厳密に守って、この短冊を折りたたむ。

ムラキ式蛋白質折り紙(Folded)

こちらが折りたたんだ後の短冊である。

興味深いことに、折りたたみ方は一通りしかない。

末端の向きは自由である場合が多い(この点も実際の蛋白質に近い)。

この折り紙を大学の講義に使用したいという要望をいただいています。

使っていただいて結構ですが、村木が考案したことを一言ご紹介いただけるとありがたいです。