モニタリングデータ解析・インセンティブ設計
どんな研究?
人や端末の行動・ふるまいのデータを活用し、ネットワーク通信の品質をより柔軟かつ賢く制御するための手法を研究しています。たとえば、混雑している場所で人が「少し待ってから接続しよう」と判断したり、端末が「通信品質がよい方向に移動してから接続しよう」と判断する行動は、ネットワーク全体の混雑を防ぎ、より快適な通信環境を実現する鍵になります。こうしたユーザや端末のふるまいをネットワーク制御に組み込むことで、従来よりも効率よく、安定した通信を提供する新しい仕組みが構築できると考えています。
本研究では、実際の都市環境において、人や車の位置・行動データをリアルタイムに収集・分析し、それに応じて通信方式やアクセスポイント選択を自動的に最適化するアルゴリズムの設計・評価を行っています。また、ユーザの協力行動(たとえば接続を一時的に控える、移動する等)を促すようなインセンティブ設計も検討しています。このようにして、都市全体で快適で持続可能な通信環境を実現するための人中心のネットワーク制御の確立を目指しています。
ストリーミング誤操作や災害時の行動など、人や端末の「本質的な通信要求」を推定し、ネットワーク制御に反映させる方式を提案しています.ゲーム理論や待ち行列理論を組み合わせて、誤操作率や心理的安心感がトラヒックに与える影響を定量化し,UAVや災害通信にも応用可能な制御アルゴリズムを構築しています.
都市のインフラ管理やモニタリングのために重要となる長期的なデータ収集を持続させるため、ユーザの参加意欲を高めるインセンティブメカニズムを提案しています.本研究では、ユーザの行動や端末の貢献度を反映しながら、参加の度合いやデータの空間的特性(例:点群密度)に応じた報酬設計を行い,ゲーム理論や協力行動モデルに基づいて,持続可能な都市モニタリングのための制御方式を構築しています.