みつば(クローバー)には「小さな幸せ」「日常の幸せ」というような花言葉があるそうです。
いろんな人に「なぜ四つ葉じゃないんですか?」と質問されます。
人は四つ葉のクローバーのような、珍しくて特別な夢や幸せを探し求めるような生き方を望みがちです。
私も例外ではなくて、特に20代の頃には大きな目標を掲げてみたり、派手で華やかな人生を望んで来ました。
当社の屋号は小さな日常の幸せを大切にする「みつば」ですが、
決して、四つ葉を否定するための「みつば」ではありません。
私が否定するのは「四つ葉を探して、知らないうちに三つ葉を踏みつける無理をした生き方」です。
大きな目標で自分や周囲を傷つけるような生き方をしたくないなと思い、この屋号にしました。
みつばは、色んな場所にあります。
そこの茂みにも、あの道端にも、側溝の中にあることだってあります。
注意してみれば、本当にどこにでもあるのです。
どんな場所でも、どんな環境でも、日向でも、日陰でも、小さな幸せは探せばちゃんとあるのです。
それを見逃さずに、大事にしていれば、たまに四つ葉にもめぐりあいます。
この仕事にみつばを置き換えるとどうなるか、
例えば利用者さんとご家族の間の摩擦が強いケースがあるとします。
よくあるのが、
ご家族など周りの人が「もっと考えて、○○のようにすればいいのになぜできないのか」
ともどかしく思ってしまい、できないことを責めてしまうケースです。
本人が望んでいればいいのですが、多くの人はマイペースに生きることを望んでいるようです。
何かあるたびに「またできてない」「また言うことをきかない」と怒ってしまいます。
この時、利用者さんが理想的な行動や言動ができるという周りの人から見た理想を四つ葉に例えるなら、
ご家族さんはその四つ葉のために三つ葉を踏んづけてしまっていると言えます。
決して悪気はなく、それは父のため、母のため、という善意です。
私たちがすべきことは、それを否定することではありません。
同じ善意ですが、四つ葉だけを目指さず、目標を「四つ葉を含む三つ葉の茂み」に変えられるような支援をすることです。
気遣うあまりに、時に強い言葉を放ってしまわなければならない、ご家族にとって辛い現状を、いい方向に変えるための支援をすることです。
そのやり方はケースバイケースですが、必ず目指す必要があります。
私たちがその支援を全うできなければ、ご利用さんの支援が終わった後でも、長い時間ご家族の心にしこりが残ってしまいます。
ご本人が大きな目標を持っている場合には、その内容や心の内側の気持ちに応じて、
大きな目標に向かうことへのお手伝いをすることもあれば、
大きな目標が本当にご本人にとって良いことなのか、一緒に目標を立て直す支援をすることもあります。
① 日常の幸福を見つける。
② 日常の幸福を踏みつけない。
③ 共感より読解・理解する。
④ 自己責任はない。
「できないこと」に注目しているうちは、みつばはひとつも見つかりません
どんなことも「それはなぜか」と理由を求めないと、みつばだと気付かず踏んでしまいます。
相手の気持ちを誠実な気持ちや態度で考えないと、隠れたみつばは見つかりません。
法令などを守らずにみつばを守ることはできません。
言いにくいからと言わないのは、みつばが踏まれているのを黙って見ているということです。