活動報告

【研究】2024.3.5-8 XRISM Team meeting #6 @東京理科大

XRISM衛星のチームメンバーが一堂に会する会議が東京理科大で行われました。水本は装置性能評価の説明を行うために登壇しました。全世界から130名以上の参加者が集まり、採れたてほやほやの観測データに関する熱い議論や、これからの観測をどのように計画していくかの相談など、非常に濃密な会話が行われていました。

【研究】2024.2.28-3.2 ブラックホール大研究会@御殿場

筑波大学が主催する研究会「ブラックホール大研究会 」にて招待講演を行いました。2023年9月に打ち上げられたXRISM衛星はさまざまな天体の観測データをどんどんと取得しています。XRISM衛星の持つ高い性能によって、ブラックホールの周りを吹き回る「風」の正体や、アインシュタインの理論に基づく一般相対論的効果の検証が行われると期待されています。今回は水本がXRISM衛星チームを代表して、これまでのXRISMの成果と今後の展望を話してきました。

【教育・広報】2023.1.5 XRISM衛星のファーストライト(初観測)の写真が公開されました

XRISM衛星の絶大な威力を見せつけるファーストライトの結果が公開されました(写真はこちらのページから引用)

公開されたResolve検出器のスペクトルは超新星残骸のものです。水素とヘリウム以外の元素(たとえば、人間の体を作っている炭素や、空気中に含まれる窒素や酸素など)は、宇宙が誕生した時には存在していません。星の内部で核融合反応によって作られたものが、星が死ぬ際に爆発を起こして宇宙空間に撒き散らかされることで、宇宙空間に存在することになります。そのような元素が出す輝線(画像の中で上方向にぴょこぴょこ見えているもの)を詳細に検出できています。

私自身は検出器チームとして打ち上げ後も装置の性能評価や運用に取り組んでおり、このデータも一足早く目にしていました。感動します。このデータだけで研究者仲間とは何時間でも議論できるほどです。

(credit: JAXA)

【研究】学術論文が受理されました

水本が主著者かつ責任著者である学術論文が The Astrophysical Journal 誌に受理されました。チリ・ラシア天文台にゲスト装置として搭載したWINERED分光器を用いて、銀河中心にある超巨大ブラックホール付近からのガス放出が衝撃波を作り、周辺の環境に影響を与えていることを明らかにしました。論文のプレプリントはこちら

【教育・広報】2023.11.18 秋の星空ピクニック@みずがめの郷

福津市のみずがめの郷にて行われた秋の星空観察のお手伝いに行きました。小学生の親子10組を対象として、月や木星、土星を観察しました。開始前は雲がそこまでかかってはなく、月などが割と見えていたのですが、日が暮れたら一面曇りに。。。なんとか粘って、雲の切れ間から顔を出したタイミングを見計らって、天体観測をしてもらうことになりました。

準備の時に、望遠鏡を通して見える月をスマホのカメラで撮ってみました。結構綺麗に見えますね。

【教育・広報】2023.11.2 大野城市立大城小学校 観望会

小学校にて観望会を行いました。今回は月の出がおそかったので 月を見ることはできませんでしたが、その分空が暗いため、肉眼でも夏の大三角がはっきり見え、非常に良い観測日和でした。望遠鏡では土星や木星を見ましたが、小学校で観望会をするたびに思うのが、児童はもちろん楽しんでくれているように思うのですが、保護者さんや先生方など、大人の方が感動量が多いことです。なかなか夜空を見ることもなく、望遠鏡で星を見る機会もないですので、その意味でもやって良かったと思える活動です。

【教育・広報】2023.10.30 新宮高校理数科1年生 天体観測実習

新宮高校の皆さんを大学にお招きし、天体観測実習を行いました。見事なほどの雲ひとつない晴天!2班に分かれて、屋上にある40cm反射望遠鏡などを使った月や土星、木星の観測と、シミュレーションソフトMitakaを使った宇宙探検を行いました。このために新宮高校に進学したという生徒さんもいるようで、大変楽しんでもらえたかと思います。

新宮高校のHPにて本実習の様子が掲載されています。リンクはこちら https://singu.fku.ed.jp/one_html3/pub/default.aspx?c_id=266

【研究】2023.10.28-29 XRISM衛星運用@JAXA宇宙科学研究所

現在XRISM衛星はコミッショニング運用といって、衛星の基本機能や性能を確認する期間になっています。今回私はJAXA宇宙科学研究所の運用室に滞在し、衛星から降りてくるデータを見て衛星の状態をチェックする業務を行ってきました。運用室の写真が載せられないのが残念!

【研究】2023.10.25-27 "Cosmic Plasma Revisited: New Landscape of High-Energy Astrophysical Bursts"

京都大学基礎物理学研究所で行われた国際ワークショップに招待され、口頭講演を行いました。私が専門としている超巨大ブラックホールからのアウトフロー(質量放出現象)は、星間物質と相互作用を起こして衝撃波を生み出し、活動銀河核での宇宙線加速やニュートリノ生成に決定的な役割をしていることが昨今の研究から示唆されています。このような背景のもとで、アウトフローやアウトフローが作る衝撃波の観測的・理論的研究についてレビューしてほしいという依頼を受け、講演を行なってきました。スライドはこちら

【研究】2023.9.20-22 日本天文学会秋季年会 & 9.25-27 "East Asia AGN Workshop 2023"

名古屋大学で行われた日本天文学会にて、「X線分光撮像衛星 XRISM 搭載 Resolve の地上較正と性能評価」というタイトルで口頭発表を行いました。検出器を使って天体からの信号を得てそれを物理的に解釈するためには、さまざまな性能評価や較正が必要です。そのためにResolveチームが地上試験で行ってきた性能評価および性能向上の試みについて講演しました。

また、鹿児島大学で行われた国際会議 "East Asia AGN Workshop 2023" にて、"Outer clumpy ultrafast outflows in the super-Eddington AGN" というタイトルでポスター発表を行いました。超巨大ブラックホールをもつ活動銀河核 (AGN) から吹き出すアウトフローについて、X線観測からもたらされた最新の知見について講演しました。

【研究】2023.9.7 XRISM衛星打ち上げ成功

2023年9月7日午前8時42分11秒、XRISM衛星が搭載されたH-IIA 47号機がJAXA種子島宇宙センターから打ち上げられました。これから検出器の立ち上げなどを経て、およそ2ヶ月後にファーストライトを迎えます。(画像は X @tnsc_JAXA より引用)

大学からプレスリリースを出してもらいました。

【研究】2023.8.14 種子島に着きました

X線天文衛星XRISMの打ち上げのために、JAXA種子島宇宙センターに滞在して、検出器の最終調整を行なっています。この衛星に載るResolveという検出器は極低温で動作させる必要があるため、液体ヘリウムで満たされた容器の中に置く必要があります。液体ヘリウムの蒸発をできるだけ防ぐために、打ち上げ直前まで作業が必要なのです。検出器チームは24時間体制でモニタリングを行い、何かおかしなことがあったらすぐに対応しなくてはいけません。

絶対零度に近いところまで冷やされた"極低温"検出器が、"ホット"で"エネルギーに満ちた"宇宙の姿を解き明かすというのは、XRISM衛星の面白いところの一つかもしれません。

(8/28 追記)

2度の延期を経て、28日に打ち上げられるはずが、上空の風が強いということで再延期・・・

あともう少しかかりますね。

(9/6 追記)

9/7打ち上げ予定です!

打ち上げのライブ中継はこちら 

【教育・広報】2023.7.29 観望会@上西郷小

福津市まちづくり講座、郷育カレッジってなあに!?「夏の星座と惑星を見つけよう」にて、観望会を行いました。小学生のみならず、大人の方も望遠鏡を覗き、大きく映った月に感動していたようです。一時雲がかかったタイミングもありましたが、概ね観測条件は良かったです。

【教育・広報】2023.7.23 宇宙を学べる大学in九州

宇宙を学べる大学in九州にリモートで参加し、福岡教育大学で行っている天文学の教育研究について高校生に紹介しました。

http://milkyway.sci.kagoshima-u.ac.jp/astro_kyushu/

【教育・広報】2023.7.14 夕涼み会@附属幼稚園

附属幼稚園の夕涼み会にお邪魔して、七夕と絡めて「ほしのはなし」をしてきました。Mitakaを使って当日の夜に見えるはずの星空をスクリーンに映し出し、天の川や織姫、彦星を見ました。その後、宇宙旅行と称して、地球から飛び出して、月、太陽、惑星と移動し、銀河系まで移動し、地球に帰ってきて終了となりました。

子供たちの「火星が見たい!」「木星が見たい!」という声に応えたり、「ブラックホールが見たい!」と言われたので急遽銀河系の中心にある超巨大ブラックホールSgr A*まで飛んだりした結果、当初の予定を少し超えて、合計30分の宇宙旅行になりました。

【教育・広報】2023.7.11 XRISM衛星の打ち上げ日時が公表されました

XRISM衛星が搭載されるH-II Aロケット47号機の打ち上げ日時が、2023年8月26日と公表されました。

https://www.jaxa.jp/press/2023/07/20230711-1_j.html

私は打ち上げ2週間前から種子島に入り、搭載される観測装置Resolveの最終試験を行った上で、打ち上げを見届けてきます。いよいよです。

こちらはNHKのニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20230721/5050023816.html

【研究】2023.6.3-5 国内研究会 第11回 山田研究会「宇宙における降着現象 ~活動性・多様性の源~」 @京都大学

上記研究会で口頭講演を行いました。超巨大ブラックホールの周辺から吹き出ている放出流について、最近の観測結果とその理論的解釈について話しました。また本研究会は前年度に定年退職された嶺重教授の退職記念研究会でもありました。嶺重教授とは私が大学院生時代に一緒に論文を書かせていただき、また私が京都大学に在職していたときにもゼミなどでお世話になりました。

https://kyotoconf.wixsite.com/accretion2023