MIRU2018

第21回 画像の認識・理解シンポジウム

The 21st Meeting on Image Recognition and Understanding

2018年8月5日(日)~8日(水)

チュートリアル

これで分かる!深層学習と強化学習の周辺研究

8月5日 14:00~18:30 大ホールAB

14:00~15:00 画像認識分野における深層学習 ~ CNN, RNNからマルチタスク学習まで ~

15:00~16:00 強化学習の基礎と応用 ~ 部分観測・逆強化学習と関数近似 ~

16:30~17:30 MIRU MIRU わかる GAN ~ GAN の基礎と最近の動向~

17:30~18:30 モデルのハイパパラメータ調整 ~ 微分フリー最適化手法の適用 ~

座長:大西 正輝 (産総研)

画像認識分野における深層学習 ~ CNN, RNNからマルチタスク学習まで ~

山下 隆義

(中部大学 工学部 情報工学科 准教授)

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概要: 画像認識分野において,深層学習は瞬く間に広がり,物体認識や物体検出,セマンティックセグメンテーションなど様々なタスクに用いられている.また,これらのタスクにおいて,従来手法を大きく上回る高い精度を達成している.基本的なアイデアは1990年代に提案されたCNNやRNNおよびその学習手法である誤差逆伝播法に由来するが,ResNetのように超深層なネットワーク構造やその学習効率化手法に関連する新たなアイデアが高精度化の一躍を担っている.本チュートリアルでは,CNNやRNNの基礎から高精度化につながる手法および,その応用事例,また,深層学習の1つの特徴であるマルチタスクへの対応について紹介する.

略歴: 2002年奈良先端科学技術大学院大学博士前期課程修了,2002年オムロン株式会社入社, 2014年 中部大学講師,2017年 中部大学准教授.人の理解に向けた動画像処理,パターン認識・機械学習の研究に従事.2009年画像センシングシンポジウム高木賞,2013年電子情報通信学会情報・システムソサイエティ論文賞,2013年電子情報通信学会PRMU研究会研究奨励賞,2016年画像センシングシンポジウム最優秀学術論文賞,各受賞.

強化学習の基礎と応用 ~ 部分観測・逆強化学習と関数近似 ~

小林 祐一

(静岡大学 工学部 機械工学科 准教授)

概要: 強化学習は,対象に関する知識を用いずに報酬の情報から適切な行動を生成することを可能にし,深層学習との組み合わせの成功例と共に応用領域が大きく広がっている.本チュートリアルでは,強化学習の基礎となるBellman方程式,部分観測問題(POMDP)等について説明し,強化学習を適用できる問題のクラスについて考える.また,人間の行動データから逆に報酬を推定することにより適切な制御方策をデータ駆動で生成する逆強化学習のアプローチを紹介する.大規模な問題への適用を可能にするために必要となる関数近似法(ニューラルネットワーク,Gaussian Process等)との関わりについても応用例を交えながら紹介する.

略歴: 2002年東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻博士課程修了.博士(工学).2002年理化学研究所バイオミメティックコントロール研究センター研究員,2007年東京農工大学共生科学技術研究院 特任准教授,2012年より静岡大学工学部機械工学科准教授.移動ロボット・アームロボットの環境認識学習・運動学習の研究に従事.日本ロボット学会研究奨励賞,計測自動制御学会SI部門講演会優秀講演賞等受賞.

MIRU MIRU わかる GAN ~ GAN の基礎と最近の動向~

高橋 智洋

(オムロン株式会社)

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概要: Generative Adversarial Nets(GAN) は,提案されて以降,画像の生成など幅広い分野への適用がなされ,また同時に理論的な側面の研究がなされるなど,注目を集めている手法である.本チュートリアルにおいては,まず GAN の基本的な事項について述べる.GAN の基本センスは「二つの確率分布を一致させる」ことであるが,original のGAN でそれが達成できることを示し,簡単なモデルにおける数値計算結果を用いてそのことを例示する.その後,original の GANの問題点などを指摘した後に,時間の限り,最近の GAN の適用例や GAN に関する理論的な研究を紹介する.

略歴: 2013年京都大学大学院博士後期課程修了.博士(理学).2011~2013年,日本学術振興会特別研究員(DC2).大学院では理論宇宙物理学を専攻する.修了後,NTTデータ数理システムにて数理最適化に関する業務に従事.主に大規模離散最適化問題に関して,ソフトウェアの開発や個別コンサルティングを行う.数理最適化と並行し機械学習を独学.前職のABEJAでは画像解析をターゲットとした深層学習の調査や実装に従事.現職のオムロンではロボティクスに関する研究を行っている.

モデルのハイパパラメータ調整 ~ 微分フリー最適化手法の適用 ~

尾崎 嘉彦

(グリー株式会社)

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概要: 機械学習モデルのハイパパラメータはモデル性能に大きな影響を及ぼすため,使用者がモデル性能を十分に引き出すためには適切なハイパパラメータ調整が必要不可欠である.しかし,ハイパパラメータを変数,モデル性能指標を目的関数とした最適化問題は,基本的に目的関数の勾配情報を用いて効率的に解くことができない.本チュートリアルでは,目的関数の勾配情報を用いずに最適化問題を解くための微分フリー最適化手法及び,畳込みニューラルネットワークのハイパパラメータ調整について解説する.また,近年の研究動向についても紹介する.

略歴: 2017年筑波大学大学院システム情報工学研究科博士前期課程修了.修士(工学).2017年よりグリー株式会社エンジニア.入社後,ゲーム・メディア事業におけるサービスへの機械学習・大規模データ活用業務に従事.2016年筑波大学大学院専攻長特別表彰,2016年IPA未踏スーパークリエータ,2017年電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会PRMU研究奨励賞,各受賞.