メサイアについて

メサイアについて

「メサイア」というのはヘブライ語の「メシア」の英語読みです。「油を注がれた者、神から選ばれた支配者、悩める者の解放者」を意味し、「救世主」とも訳されています。ヘンデルの代表曲ともいえるこの「メサイヤ」は深い宗教的感動のゆえに、クリスマスの時期になると世界中で演奏される機会の多い曲です。

曲は3部に分けられ、第1部では「予言とキリストの誕生」、第2部では「受難と贖罪」、第3部では「復活と永遠の生命」を描き出します。内容はキリストの一生を描くよりも、むしろ全人類の救い主としてのキリストの存在を訴えかけています。歌詞はヘンデルの友人のジェネンズが聖書の有名な詩句を抜き出したもので、後年ヘンデルは英国に帰化しているため歌詞は英語になっています。

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ヘンデルについて

ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルは作曲家として、魅力的なオルガンの名手として、そしてまた即興演奏家としても名声を博しました。18歳でハンブルクのオペラでヴァイオリニスト兼チェンバリスト兼作曲家として働き、22歳のときにバロック時代の音楽生活の中心であったイタリアに旅し、コレルリ、スカルラッティといったイタリアの最重要作曲家とともに仕事をし、彼らの書法を学びました。 

1706年から1710年までイタリアに滞在して成功を収めたのちは、ドイツの複数の宮廷が新しいスターをつなぎとめようと文字どおり彼に殺到するようになりましたが、ヘンデルは自分の価値を意識的に利用したようで、古典派時代以前に社会的にも経済的にも成功を収めた数少ない作曲家の一人です。

大バッハと並ぶバロック音楽最大の作曲家とされ、大バッハを「音楽の父」と呼ぶことがあるのに対し、ヘンデルには「音楽の母」というキャッチフレーズが添えられることもあります。

主な作品としては、「メサイア」の他、管弦楽組曲《水上の音楽》《王宮の花火の音楽》は有名です。又、オペラ《クセルクセス(セルセ)》中の「オンブラ・マイ・フ(懐かしい木陰よ)」は、「ヘンデルのラルゴ」とも呼ばれて親しまれています。

ヘンデルの生涯.pdf