メインの月例読書会では、事前設問アンケートを中心に読書会の議論は進められています。月例読書会の時間は、約2時間半という限られた時間です、また事前設問アンケートを提出した後で考え方が変化したり、皆さんの発表を聞く中で新しい考えが浮かんだりするものです。それがその場ではなかなか反映されないことがあります。時間の制限があるからです。読書会での醍醐味は人の話を聞いて新しいアイデアが浮かんでくることです。それは対話の楽しみでもあります。
読書会がより生き生きとしたものになるためにと、提出した事前設問アンケートにこだわらない自由な発言の場を設けました。2023年5月から「読書カフェ・チャットよこはま」開始しました。
ちなみに、2025年8月11日(月)の様子をお知らせしたいとおもいます。
メインの月例読書会の課題図書は、藤原てい著「流れる星は生きている」でした。それに引き続いてのオンラインによる読書会になりました。メインの月例読書会では、リアルでの参加19名オンライン12名でした。計31名の方々の参加でした。それに続いての「読書カフェ・チャットよこはま」です。こちらの方の参加者は7名の参加となりました。設問に対応するのではなく、フリートーキングで話が進められました。月例読書会の設問にこだわることなく発言することができるのは、事前の月例読書会でやり取りがあったからこそで、さらに、深くこの「流れる星は生きている」を議論することができました。8月のこの時期に、戦争の悲惨さについて、参加者であらためて共有することになりました。
読書カフェ・チャットよこはま」は、月例読書会の続きとなります。1時間30分ではありますが、自由な雰囲気で語り合うことができ、より議論を深める場となっているようです。
少し時間をおいて再度同じ本をテーマとして対話することで、より深く読書をできるものと思います。開催は月例読書会(土曜日開催)の翌週の月曜日20時からです。 2025.8.12 やぎした記
「本と対話を楽しむサロン」の出発点は何か
「名著セミナー方式」とは、当会が一般市民と横浜市大医学部の学生向けに考案した新しい読書法です。米国で開発されたグレートブックス・セミナーに範をとりそれを国内向けに改良した読書法です。
米国生まれのグレートブックス・セミナーは司会進行役(ファシリテーター)を専任の教授陣が務めていましたが、当名著セミナーでは参加者が(一般市民)が司会進行役を務められるように改良いたしました。いわば「市民の、市民のための、市民による読書会」を可能にしたのです。
「目的は何か」
古今東西の名著を読むことは、人類の叡智を読み取り、東西の融合も図ることにつながります。
グレートブックス・セミナーの創始者のM・アドラー博士はセミナーの目的を「人間力を付ける」こと、「幸福になる」ことと言っています(「平和を呼ぶ」ことともいえましょう)。
「その方法論は」
グレートブックス・セミナーでは「シントピカル読書法」という深い読み方を提案しています。その読書法にヒントを得て当研究会では「方陣読書法」を考案しました。
方陣読書法の方法論は、М・アドラーの「グレート・アイディアス」を基に、東西叡智の融合を試みた空海の「三位一体図」に習い、西条剛央氏「構造構成主義」にも習い、「表構造構成主義」を提案するものでもあります。
「方陣読書法の最終目的は何か」
古今東西の名著を読むことは、人類の叡智を読み取り、知の融合も図ることです。
それはある著書の信条に一辺倒に傾斜することではなく、「多数読書」で「シントピカル読書法」すなわち「普遍」の知に近づくことに他ならないと考えます。
研究会では、この方法論と共に、それを使った過去の名著の読書例で、じっくりと議論します。
2023年10月にスタートしたサブ読書会です。参加者は現在3名程度と小規模であります。
西田哲学は、日本の哲学として世界的にも今なお、注目されており日本人なら一度は読んでおきたい哲学との思いで読み始めています。輪読会でとにかく読んでみよう。難解でよく理解できなくても知恵を出し合ってとにかく読んでみよう。読んでいるうちにそのうちわかるだろう。そんなスタートです。講師のような指導者はいません。そうは言っても少しは西田哲学を読んだというメンバーがおります。もちろん西田哲学の研究者なんかではありません。みんな同等な立場で西田哲学を読み始めています。
2025.7.1この日で43回目となります。読んでいるテキストは、「西田幾多郎の哲学=絶対無の場所とは何か」中村昇著(講談社選書メチエ)です。こちらは中村氏の解説ですので比較的読みやすいと思われます。この日は、第二章「超越、大拙、趙州」意識について解説しているところで76Pから91Pまで読んでみました。この日のテーマは、西田哲学関連したテーマとなります。
なお、この中村氏のテキストを読んだことで、難解な西田哲学を理解する上で、参考になるところ大にになると思います。
みなで輪読しながらですので、それこそみなさんの呼吸を感じながら読み進んでおります。
次回は、7月15日及び7月30日の20時から21時30分となります。
申込はメールでお願いします。
2025.7.7 やぎした記
読書会「たたかう女たちが書いたこと」
〇読書会のねらい
多様で複雑な社会問題や世界の問題をテーマにさまざまな書き手によるさまざまなスタイルの著作があります。とりわけ時代とともに女性の書き手の自由度やチャンスがふえ、心をうつ作品もたいへん多くなりました。
この読書会では世界や社会の問題と四つに組んできた女性の書き手たちが書いたこと、その書きぶりを男女さまざまなメンバーの視点でタテヨコに読み解いてみることでさらにひろく深く世界と社会をみつめることができたらと願っています。ルポ、小説、評論などジャンルを問わず読みます。
〇2025年夏から2026年春の課題図書
8月『ディディーの傘』ファン・ジョンウン、9月『ジャーニー・オブ・ホープ』坂上香、10月『石垣りん詩集』伊藤比呂美編、11月『うそつきアーニャの真っ赤な真実』米原万里、12月『折りたたみ北京』ケン・リュウ、1月『人間を見つめて』神谷美恵子、2月『バター』柚月麻子、3月『人生の親戚』大江健三郎
〇開催方法
・開催形式 原則オンライン(zoom)開催
・開催日 毎月第4木曜日 19:30~21:00
・定員 8名程度を上限に運用。非会員参加可。枠空あればスポット参加可。
〇参加方法など問い合わせ
・名著セミナー会員のかたは世話人まで
・非会員のかたは名著セミナーHP「見学、お問い合わせ、入会」に問い合わせを
世話人 岩渕毅
【名著セミナースピンオフ企画】:「ミステリーサロン」(8月開催)
【第8回ミステリーサロンへのお誘い】
「ミステリーサロン」:ミステリーが好きだ・興味ある、という方全員集合
(ハードルは緩いので、あえて読書会とは名乗りません)
分科会の趣旨及び活動内容:ミステリー小説が大好きというメンバーが集まってミステリーを語る会第8回目のご案内です。
(9月の開催はありません)
10月のミステリーサロンの課題本は「綾辻行人」特集です。
“新本格派”として華々しく文壇にデビュー。経歴詳細は下記参照
課題本は:綾辻行人の「館」シリーズ等を軸に茶話会(ティーサロン)形式で進めます。「十角館の殺人」「時計館の殺人」「迷路館の殺人」のうち2冊を読了しておいて下さい。トリックの仕掛けや、登場人物等の比較等を話していただけたらと思います。
茶話会(ティーサロン)形式で進めます。
日時:2025年10月4日(土) 10:00~11:45
参加費:無料
場所:横浜市役所本庁舎1階「市民協働推進センター」内の「協働ラボ」(大岡川側・桜木町徒歩3分)
申し込みは下記メール(浜野宛)にお願いします。
bookski.hamano@gmail.com
(なお、終了後希望者は向かいの人気イタリアンでランチ会も! いかが! )
☆進め方:読んでの感想をお話しください(未読の方にはネタバレ必至ですが)
・肩の凝らないかたちですすめます。事前課題はありません(必要に応じて資料配布)。
・進め方:このミステリーの読みどころ、仕掛けは? 時代背景と世相は?
なぜヒットしたのか?等を軸に展開します。フリートーク形式 です。
★古典的なミステリーから始めました。
洋物では、ご存じ「アガサ・クリスティー」、「エラリー・クイーン」、「F・W・クロフツ」、「エド ガー・アラン・ポー」、「Wアイリッシュ(ウールリッチ)」、「E・Sガードナー(ペリーメイスンシ リーズ)」
「レイモンド・チャンドラー(フィリップ・マーロウ)シリーズ」等
和物:「松本清張」、「高木彬光」、「黒岩重吾」、「横溝正史」、「江戸川乱歩」、「宮部みゆき」、「綾辻行人」等
・その後リクエストにより現代物も取り込む予定
・進行役は特に定めません(必要に応じ司会者を立てることもあり)
☆初回はクリスティーの “オリエント急行殺人事件” 5名参加でスタートしました。2回目は、宮部みゆきの「火車」でした。3回目は、エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」、意外な犯人?、「禁じ手」ではという批評あり。第4回はご存じ昭和の名作・名作家「松本清張」登場、参加6名:あまりの偶然に頼りすぎ? 札幌に行くのに飛行機が思いつかない? 昭和ならではの迷作!
第5回目は、アンソニーホロヴッツ著「カササギ殺人事件」「メインテーマは殺人」、参加者5名 カササギはカラスの仲間と知らなかった。中国では幸せを呼び込む鳥、欧米では不吉な鳥とのことですが。実物を見たことがある人はいませんでした。今の米中関係を考え合わせると興味深いです。
第6回は、横溝正史作品:本陣殺人事件、悪魔がきたりて笛を吹く、八墓村、犬神家の一族、獄門島でした。
参加者7名中女性の参加者が4名でした。今回殺人にときめきを覚える方が多いということが分かりました。
皆さん「人殺し」が趣味のようです。
第7回は、レイモンド・チャンドラーの作品 代表作「長いお別れ」「さらば愛しき人よ」「プレイバック」、「湖中の女」を取り上げました。ご存じフィリプ・マーロウの名セリフ「男は強くなくては生きていけない。優しくなくては生きている資格がない。(If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.)」 、「To say goodbye is to die a little.(さよならを言うのは、少し死ぬことだ。)」 を巡って話が弾みました。
(2025/8/24 浜野記)