円形アスレチックの歴史
円形アスレチックは、2016年頃に存在したマイクラPEのマルチプレイサポートツール「おしゃべりマルチ」を遊んでいる中で誕生した過去作のひとつです。
この作品はあまり語らなかった為、知らないという方のほうが多いでしょう。
「過去」との関わり方は人それぞれですが、私は過去の作品の存在が今の作品を形作ること、そしてどの時代になっても自分の生み出した作品とその思想を大切にしていきたいという考えがあり、すべての準備が整ったこん日、この作品を皆さまへお披露目することにしました。
「円形アスレチック」とはどんな作品か。ぜひ、その歴史を一緒に辿って頂ければと思います。
ようこそ、円形アスレチックの世界へ!
円形アスレチックは、2016年6月に天上人βの名前で制作を始めた、スタートとゴールがほぼ同位置にある円形状のコースを進んで一周を目指す、マインクラフトアスレチックシリーズです。
初代「円形アスレチック」を始め、「円形アスレチック the World」や「円形アスレチック・オールスターズ」など、15を超えるタイトルを出し、2024年には誕生から8年を迎えます。
作者は略して「円アス」と呼んでいるこの作品は、マルチプレイで公開して色々な人に楽しんでもらい、居場所のひとつになってくれたらと思い制作しました。円アスはただ丸いだけのアスレチックではなく、当時のマルチプレイの問題を反映して生まれた特別な形です。
「マイクラPE」と呼ばれていた2016年当時は、Xboxを介したマルチプレイが無く、遠くの人と遊ぶには外部ツールを使う必要がありました。そのひとつが現在のUUUMから配信されていた「おしゃべりマルチ」で、手軽にマイクラマルチができると一部話題となります。
しかし、その民度は良いとは言えず、ワールドを公開すると基本的に荒らされてしまいます。知らない人と簡単に遊べる体験は面白いものでしたが、ワールドがすぐに荒らされて持続しないとなると、体験の感動を失って返ってつまらなさを感じる事に繋がりました。
そこで、できるだけ荒らされず参加者と持続的に同じ時間を過ごせる方法がないかと考えたのが「アスレチック」です。サバイバルやクリエイティブほど自由はありませんが、アスレチックゲームとして公開しかつ、素材を岩盤にすれば荒らし被害を減らせると考えました。
当初は円形ではなく、思うがままのコースを制作していました。
公開を続けると様々な問題が出てきます。特にラグ問題には何度も悩まされ、ワールドの規模が大きくなると影響は顕著でした。また、ワールドの破壊行為はないものの、チート行為によるズルが多く監視は常に必要でした。
まず、ラグを軽減する為に考えたのはアスレチックの範囲を小さくする事です。当初は数百ブロック先まで続くアスレを制作しており、監視の為の移動範囲も広いものでした。チート行為を監視する為には、常にコースを見渡せる状態であるべきとも考えました。
これらの条件に加え、目を惹く革新的なデザインとして考えたのが「円形」のアスレチックです。中央を鯖主の監視場所にし、そこから見渡せるよう周囲にアスレチックコースを作ろうというものです。
そうして熟考して完成したのが初代「円形アスレチック」。コンパクトでボリュームがあり、当時は真新しかった円形の作品で監視もし易い。究極のアスレチックです。
円アスは2016年に第一作目の初代を制作しましたが、おしゃべりマルチのサービス終了からマルチプレイの機会は無いだろうと考え、新作を作る予定はありませんでした。
しかし、2017年に後継ツールとなる「ピクセランド」の存在を知り、もう一度マイクラマルチを楽しもうと初代円アスのイメージを参考にした「円形アスレチック(無印)」を制作。ピクセランドで円アスシリーズの公開を始めます。
新作をいくつか出し、公開を繰り返していると固定のファンが付くようになり、ファンと一緒に円アスを作る「オールスターズ」シリーズなどを企画。
ゲームや通信の安定性が高まり、半径がより大きくなった傑作「the World」を公開。
規模は更に大きくなり、複数の円アスをひとつのワールドに収めた集大成「アスレチック大陸」を公開。その経験から最集大成として「集え、アスティリカへ」という大型マップの制作を発表、着手しましたが、2018年半ばにピクセランドがサービス終了を発表。アスレチック大陸を集大成にして円アスシリーズの制作は幕を閉じました。
閉幕後も円アス達の活用を模索していましたが、具体的なものは浮かびませんでした。
年月が経った2021年、マイクラ統合版マルチコミュニティ「J鯖」で円アスの新作「the Sky」をサプライズ制作。
2023年初夏、過去作を振り返る中で「円形アスレチック」というコンテンツの特別性や規模に気づき、天乃涼介ブランドでの復活を計画します。当時のスマートフォン端末などから初代を除いた全ての円アスを救出する事に成功し、復活への気運はより高まりました。
2024年初夏、「マイクラ宮地嶽 観光鯖」や「鉄アドGO!」の経験から「円形アスレチック・リマスター(仮称)」を計画。そして同年9月には「円形アスレチック・リマスター 1章」が完成し、全ての準備が整ったこん日、円形アスレチックの新たなステージへの第一歩を踏み出します。
これまでに制作した円形アスレチックは15基を超え、一基一基に思い出や思想が込められています。紹介を行いますが、ここではマップの配布は行っておりませんので予めご了承下さい。
2016年6月18日
Code Name * AOR:Zero
円アスの原型である初代「円形アスレチック」は、マルチプレイサポートツール「おしゃべりマルチ」で公開する為に制作しました。初代の構造は岩盤をメインに、黒曜石や当時実装されていた紅い黒曜石など、硬い素材で制作する事で荒らし被害を抑えています。現物は消失してしまい手元に存在しないものの、作成日や写真がSNSで確認できた為、この日を円アス誕生の日としています。
作品状態:現物は消失しています。当時の投稿と写真が残っています。
2017年頃
Code Name * AOR
円アスの新作は初代制作の翌年、マルチプレイサポートツール「ピクセランド」で公開する為に制作しました。このピクセランド第一作目は「無印」と表記しています。この時代にはコマンドブロックやゲームルール、権限が追加されたことでより強力な荒らし対策が可能になり、岩盤をあまり使わない円アスを制作することが出来ました。後に円形のさらなる利点になった事として、中央にコマンドブロックを置くとコマンドが常に読み込まれた状態にできる事がわかりました。コースはセーブの無い一周一発勝負。非常に高難度な部類と考えています。
作品状態:現存し、保管されています。
2017年頃
Code Name * AOR:2
二作目は無印の基本構造を踏襲し、コースを一新したものになります。コースはマルチプレイ公開中にプレイヤーの様子を見ながら修正しており、常に遊びやすさが追求されてきました。基本的に半分まではすんなり行けるようになっています。半分までは。
作品状態:現存し、保管されています。
2017年9月3日?
Code Name * AOR:E
どの順番で制作したか覚えていませんが、円アスの一周一発勝負は非常に難しい事に加えてラグが顕著な時期だった為、簡単かつ軽量な円アスを制作しました。一本道でスイスイ進める爽快感が特徴です。
作品状態:現存し、保管されています。
2017年~2018年頃
Code Name * AOR:3
無印や2の経験から、コースが一新されたナンバリングタイトルです。この作品でプレイヤー待望の「セーブ」機能を追加しました。セーブを使わずにゴールするチャレンジもあり、初心者から上級者まで楽しめる作品となっています。
作品状態:現存し、保管されています。
2017年12月1日?
Code Name * AOR:Xmas
クリスマス付近での公開を目指して制作した、円アスのクリスマスバージョンです。季節と合わせた作品で、プレイヤーは「サンタになってプレゼントを家に届ける」というストーリー設定でアスレチックを攻略します。恐らく、初めてストーリー性を設けた作品です。
作品状態:現存し、保管されています。
2017年~2018年頃
Code Name * AOR:All
円形アスレチック最初のコミュニティとして、作者を含めた8人のプレイヤーと一緒に制作した作品です。当初はAさん→Bさん→Cさん……と、一周の間に8名方の作品を巡るというコンセプトでしたが、作品の難易度によって終盤までたどり着きにくい(つまり、終盤の作品が遊んでもらえない)問題があった為、全ての作品を好きなタイミングで遊べるものへ変更しています。ピクセランドは荒らし行為が絶えなかった為、このように複数名のプレイヤーとひとつの作品を作れたのは非常に嬉しい結果でした。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年頃
Code Name * AOR:F
マイクラPEやピクセランドのアプデが繰り返されるうちにマルチの安定性が高くなったと感じ、より大きな円アスの制作にチャレンジしました。ボリュームやシステムが強化された「the Final」は、ストーリー性にもこだわり、序盤は公園のようなエリアから水辺へ。半周を越えると溶岩のエリアと変化していきます。円形ではありますが、コースそのものは回りくどく見た目以上に距離があります。Finalと名付けたのは、気持ち的にこの作品で円アス制作を終えようと思っていました。しかし、遊んでくれる人や固定のファンも居ることから、ファンの為に制作を続けようと考えました。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年2月8日?
Code Name * AOR:All2
前作「円形アスレチック・オールスターズ」に続く、二作目のコミュニティ作品です。前作のコンセプトは廃止し、円形状のエリアで8名方の作品を好きに遊ぶことができるものになっています。オールスターシリーズは作者とプレイヤーがより深く繋がる特別な作品です。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年2月12日以前?
Code Name * AOR:W
「the Final」の大きなサイズの円アス公開に成功した為、同規模で新たに制作した作品です。円形アスレチックシリーズの傑作であり、半径50ブロックの大きさがあります。序盤は初心者に遊びやすいようチュートリアルが書かれており、半周以降は数々のバイオームをイメージしたエリアを攻略します。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年2月16日?
Code Name * AOR:T
円形アスレチックは私のブランドではありますが、それを独占する気持ちはなく、色々な人に円アスを作ってもらいたいと考えるようになりました。このテンプレートは手軽に円アスを制作できるように用意したものです。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年3月3日?
Code Name * AOR:4
「円形アスレチック3」の完成から時間が経っていると考えられるナンバリングタイトルの新作です。コースは「the Final」のイメージが踏襲されています。この作品あたりでピクセランドそのものの衰退化が始まった思い出があります。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年7月~8月頃?
Code Name * AOR:C
円アスの荒らし対策の要がコマンドブロックであり、これを円の中央に置くことで常にコマンドブロックが読み込まれる状態を作っていました。しかし、/tickingarea というチャンクローダーのようなコマンドの実装によって、円の範囲を大きく越えた作品を作ることができるようになります。この「アスレチック大陸」は、新作の「円形アスレチック・Returning the World」を始め、「オールスターズ3」や練習用の「無限円形アスレチック」そして、原点である「円形アスレチック(無印)」を一つのワールドに収めた、円形アスレチックの集大成です。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年夏頃
Code Name * AOR:RtW
「the World」のコンセプトを踏襲した「アスレチック大陸」の看板作品です。円の範囲を越えられるようになった為、上空のエリアへ飛ぶなど高低差のある作品となっています。色を使ったクイズを設けていましたが、色覚が不安なプレイヤーさんが居た事で、色に不安がある方でも解けるよう改善されています。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年夏頃
Code Name * AOR:I
「アスレチック大陸」に同梱されており、アスレチックの練習用として制作した無限に周回できる円アスです。4個所の場所から好きに開始して好きな時にやめることができます。ゴールの概念が無い、円形ならではの作品です。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年夏頃
Code Name * AOR:All3
前作「円形アスレチック・オールスターズ2」に続いて三作目のコミュニティ作品となります。「アスレチック大陸」に同梱され、16名のプレイヤーと一緒にコースを制作しました。2つの円形は「エルピス・リング」と「エイレーネ・リング」と名付けられ、希望と平和の意味を持ちます。実は、エイレーネ(平和)リングにはよく円アスに遊びに来てくれる常連。エルピス(希望)リングにはそれ以外のプレイヤーとこっそり分けていました。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年5月頃~
Code Name * AOR:UtA
「アスレチック大陸」の経験から、円アスの最集大成として制作していました。ここでは「集え、アスティリカへ」の略称で呼んでいます。ナンバリングタイトルやビッグタイトル、ピクセランドのプレイヤーが制作したアスレチックなどを詰め込んだ、「オープンワールド」形式のアスレチックとなる予定でした。しかし、製作のモチベーション低下や作者自身の環境の変化、ピクセランドのサービス終了により開発は凍結。完成する事なく幕を閉じました。なお、マップのエントランスとなる空港部分が遊べる「体験版」が公開されたことがあります。
作品状態:現存し、保管されています。また、体験版も存在し、保管されています。
2018年頃
「円形アスレチックレース」は、公開予定だった「集え、アスティリカへ」に含まれるレース形式のアスレチックです。マップが完成しなかった為、今日まで未公開でした。4つのエリアからなり、マルチプレイではギミックを動かして対戦相手を妨害する事ができるなど、レースに特化したアスレチックとなっています。
作品状態:現存し、保管されています。
2018年7月22日?
「集え、アスティリカへ」は私の制作してきた円アスの他に、ファンの方々が制作したアスレチックも含めて作り上げる構想でした。この円アスは「集え、アスティリカへ」に取り込むアスレチックを集める為、コンテストのような形で企画し用意した専用のテンプレートです。嬉しい事に3名の方から作品を頂き、現在もその全てを保管しています。
作品状態:現存し、保管されています。また、頂いた作品も現存し、大切に保管しています。
2018年頃
円形アスレチックはただのアスレチックゲームにしたくなく、より革新的なものにしていきたいと考えていました。この作品は円アスシリーズ初の映像作品で、アスレチックによって繁栄した異世界「アスティリカ」を舞台にしたストーリーものです。しかし、基盤となる「集え、アスティリカへ」の制作凍結や、動画制作にかかる技術的課題が多かった為、制作中である発表も無く幕を下ろしました。この映像作品の経験は「宮地嶽神社 ~御祖と私を繋ぐ光~」のプロローグに活かされています。
作品状態:動画は存在しません。未完成のプロット、脚本ファイル、イラストが存在します。
2021年8月1日
Code Name * AOR:Sky
マイクラ統合版マルチコミュニティ「J鯖」で、サプライズに制作しました。「集え、アスティリカへ」の制作凍結から3年ほど経った久しぶりの円アス作品となります。当時流行していたゲーム「Sky:星を紡ぐ子どもたち」をイメージたコースは孤島からスタートし、原罪のゴールまで一周できますが、孤島コースの上に天空をイメージしたエクストラコースが続けて設けられ、最大1.25周できるものとなっています。
作品状態:現存し、保管されています。
2024年5月13日
Code Name * AOR:Forest
J鯖クリエイティブ2024鯖にてサプライズ制作した円アスです。森をイメージしたバイオームアスレです。
作品状態:第三者のRealmsで公開されています。(2024/6/29) 現時点で作者の手元には存在しません。
2024年9月15日
Code Name * AOR:Re
天乃涼介ブランドで新たに制作を始めた、アスレチックにストーリー体験を合わせた作品です。舞台はアスレチックの世界!転校生である主人公ナリユキは、新しいクラスメイトと一緒にアスティリカ島の野外運動施設「アスレチック」を遊び、島や世界について知識を深めていきます。
作品状態:2024年9月15日から配布中。
2024年12月29日~
Code Name * AORO=I
天乃涼介ブランドとして制作する、円形アスレチックシリーズの完全新作です。Minecraft公式のレンタルサーバーサービス「Realms」を用いて、シリーズとしておよそ5年ぶりにマルチプレイで公開する作品です。物語は円アスリマスターの舞台となっているアスティリカ島の別視点で描かれ、研究員である主人公マナブは創薬の研究に進む為、ミノルの研究室で基礎を教わります。
「円形アスレチックプロジェクト」当時のスローガン「アスレチックの常識を変える」をテーマに、アスレチックにRPGや採取、ポーションの醸造要素を取り入れ、何でもアリの表現で皆さまをお待ちしています。
作品状態:2024年12月29日から開放中。