あままだ 思い出話?
雨:ご兄弟の写真ないの?見てみたいな〜
夙:はぁ!?なんでだよ!やだし!
雨:えー!(あるにはあるんだ)
夙:つーかもう何年も会ってねーし生きてるかどうかも知らねーー
雨:お姉さんとも久しぶりだったの?
夙:おー。俺んとこ両親が捕まって、それぞれ親戚んちに預けられたんだよ。んで、夜はすげーガチ真面目な家に行って、その家族んとこで過ごしてるうちに俺のこと虫ケラ見るみたいな目で見るようになりやがってさァ。
雨:……夙くんはどんな人のところに行ったの?
夙:俺はおっさんとこ
雨:おっさん…
夙:結婚もしてねー変な人。自由でフラフラしてて何してるかわかんね
雨:へぇ…?
夙:…
雨:…いつか会ってみたいな
夙:んでだよ
雨:だってその人は今の夙くんにたくさん影響してるでしょ?お礼言わなきゃ
夙:んだそれ
雨:やっぱり夙くんの兄弟のことも聞きたいな。どうやって私の大好きな夙くんになったのか知りたい
夙:まじで変なやつーお前
雨:えへへぇ
夙:じゃー雨音の話も聞かせて
雨:えぇ?面白くないよー?
夙:俺のも別に面白くねーよ。じゃーなんか質問してって。何から話せばいーかわかんねー
雨:それじゃあ…兄弟のお名前は?あと年齢!
夙:一番下がユメ。15歳?たしか。次が俺でその次がヨナ。ヨナは22か…?その上がマサル。2………7…?
雨:あやふやだねぇ?
夙:俺が5歳の時にこの兄弟解散してるからな
雨:そんな芸人みたいな…
雨:夙くん引き取った方はおいくつ?
夙:しらねー…30くらいじゃね?
雨:おっさんじゃないじゃん!……ん?10代の時に夙くん引き取ったの?
夙:んぁ?…あー………、や、最初はそのおっさんじゃなくて…
雨:……何か後ろめたいことがあるの?
夙:…勘いいよなーー雨音って
雨:勘がいいっていうか…夙くんが分かりやすいというか…(みんなが分かりやすいというか…)
夙:はじめは変な夫婦んとこに居たんだよ。よくわかんねーやつらだったぜ
雨:…?わからない?
夙:おー。なんか、目の色がどうだとか、能力がどうのとかいって、すげー怒ったり…あんま覚えてねーけど
雨:……
夙:12歳くらい?のときに帰ったら男の方が死んでてさー、女の方が泣きながら俺の首絞めてきたから「うるせぇなぁ」と思って抵抗したら思ったより軽くて簡単に殺せたんだよな。んで、たまたま家に来たそのおっさんがそのまま俺のこと引き取って~って感じ。
雨:ふぅん…。お名前は?
夙:知らん
雨:嘘でしょ!?
夙:教えてくれねーんだもん。聞いても偽名だぜどうせ
雨:んー…写真もない?
夙:あるわけねーじゃん。そもそも男二人で写真なんか撮らねーよ
雨:それもそっかぁ。今は一緒に暮らしてないんだね?
夙:あー「3年くらい帰ってこねーから、うまいことやれよー」つってこのアパートとスマホ渡して出てったな。定期的に金はくれる。
雨(いい人…なのか…わからないな…。や、でも間違いなくそっち側の人間だよね…。…夙くんの過去調べてもなかなか出てこないわけだ…。元々引き取ってた夫婦の旦那さんを殺したの、その人なんじゃないの?夙くんをひきとったのはどうしてだろ…)えーなんか思い出とかないの?
夙:思い出ぇ?んなもんねーよ!
雨:えーそんなことないでしょー。その人といった場所って聞かれて思いつくところはどこ?
夙:あー……おっさんが連れてく飯屋はどこも美味ぇんだよなー。フラフラーって帰ってくるとぜってー「飯行くぞ」つって連れまわされんだけどさー
雨:へぇ~夙くんたしかによくおいしいところ知ってるよね!
夙:あーそうそう前に雨音と行った飯屋もそのおっさんと行って…
雨:ちなみに帰ってこなくなってどれくらい経つの?
夙:そういやそろそろ3年経つな
雨(3年前…夙くんが殺人し始めたであろう時期と丁度重なるなぁ…そっか、やっぱりそうだよねぇ…寂しかったんだよね、きっと)
夙:ん?
雨:今猛烈に夙くんを抱きしめたいっ…!
夙:んでだよ
ガチャッバンッ
?:よーー夙!元気だったかー?飯行くぞ!…お?
雨(あーうん、丁度3年前って聞いた瞬間からそんな気がしたんだよねぇ…)
夙:おーーーおっさん!!元気そーじゃん!つーか急に帰ってくんなよ!
?:なんだ夙女連れこんでよぉ~~やらし~~
夙:うっせーーー
雨(夙くんうっれしそーーーかわいいーーー)
?:し、めちゃくちゃ美人じゃねーかよ
雨:あっ…ご挨拶遅れました、紫雲雨音です。
?:雨音ちゃんね、よろしくー!よかったら一緒に飯行かね?
雨:え、あ、いえ、悪いので…!
夙:つーかお前が出直せよ
?:いやいやしばらくここ住むぞ
夙:はぁ~~~~????
?:金出してんの俺なんだからいーだろ
雨:夙くん、今日はとりあえず帰るね。
?:えーーいーじゃん、雨音ちゃん、話そうぜ
雨(口調めっちゃ夙くん…)
夙:雨音、会いたいって言ってたしいーじゃん、飯行こうぜ
雨:急すぎるよ!!心の準備っ………けど、折角だしご一緒しようかな。
?:よっしゃ、じゃー早速行くぞー
雨:あ、えっと…なんてお呼びすればいいですか?
?:んぁ~?適当でいーぜ…つっても困るか。じゃー暁で!
雨:暁さん、よろしくお願いします。
暁:おー
・・・
暁:雨音ちゃんがっつり行ける?
雨:もちろんです!
暁:いーねぇ、じゃああそこに決まりだなー
夙:いつまでいんの?
暁:しばらく!わりーな!雨音ちゃん連れ込みにくくなるけど我慢するかホテル行け!
夙:な、おっさんだろ?
雨:あはは…、あ、でも…できれば定期的にお邪魔させていただきたくて…今夙くん、勉強中で…
暁:勉強!?まじで!?なんで!?
夙:A大入んの!雨音と付き合うために!
暁:あっはは!理由クッソ馬鹿そうでウケんな!!!いいじゃねーか頑張れよ!
雨(…無理って言わないんだ)
暁:で、どーなの?いけそ?
雨:A大の合格基準が公表されていないので何とも…。とりあえず一般常識は少なくとも必要なので、そこを重点的に、あとは夙くんの得意分野に特化していこうかなと。
暁:へぇー、まぁ素質はあるんじゃねーの。おねーさんはA大の卒業生だし
夙:あ?そーなの?
雨:!…そうなんですか!?
暁:んだよ、知ってて目指してんじゃねーのかよ。ま、応援してるぜ。金の工面はしてやるからよ
夙:そういやそーだったな
雨(いい人そう…夙くんが出来上がっていく過程を感じる…。けどなんか気が抜けないなー暁さん…)
暁:ついたぜー
店:いらっしゃい!お好きな席どうぞー!
暁:日替わり定食3人分!
店:かしこまりました~!
雨:……あ、ごめんね、ちょっと家に電話してくる。
夙:おー
暁:俺もタバコ吸ってこよー
・・・
暁:趣味は釣りかな?雨音ちゃん
雨:釣ってほしそうにしていたじゃないですか
暁:かわいくて明るくて嘘つきたぁ、いい女だね。なんで夙なの?君、こっち側じゃないだろ
雨:そっち側じゃないからです。
暁:いまさら夙をそっち側に戻したって、幸せになれるかどうかわかんねーぜ
雨:私以上に夙くんを幸せにできる人はいません…というか、私が世界で一番夙くんを幸せにできる人であり続けられるように努力します。
暁:……の割にはなげーことストーキングしてたな?
雨:ああああ…バレてる………
暁:携帯ハッキングなんてよくやるな~。まだ夙に言ってねーの?
雨:言ってないですぅ…いつか言います~~…
暁:なんで言わねーの?言っても嫌われねーだろ。
雨:今はまだか弱い女の子扱いしてほしいんです~~~~!!
暁:あっははははは!なるほどな!そーかそーか!ほんといい女だな~~夙のことよろしく頼むぜ
雨:…いいんですか?正直もっと警戒されると思ってました…。
暁:そもそも俺は夙に何も教えてやってねーからな、この状況からA大入るなんて達成すりゃ本気もいいとこだ。お互いな。
雨:…あの、どうして夙くんを引き取ったんですか?
暁:…詳しくは言えねーんだけど…監視目的だったのが、愛着湧いちまったってとこだな。
雨:…(監視目的…夙くんをもともと引き取ってたご夫婦が問題…?もしくは夙くん自身に何か…)
暁:…お嬢ちゃん、あんまり危ないことに首突っ込むなよ。アンタが危険な目に遭うってことは夙を危険に晒すってことと同じだからな
雨:!…はい…、気を付けます…(…上手な言い方。人をコントロールする方法を知ってる人だ…)
・・・・・・
暁:付き合ってもらって悪かったな
雨:いえ、たくさんお話聞けて楽しかったです。またご一緒させてください!
夙:送ってくるわー
雨:え、今日はいいよ!大丈夫、久しぶりに話したいことたくさんあるでしょ?
夙:んなこと気にすんなよ。帰ったあといくらでも話せるわ
雨:……夙くん、勉強サボっちゃだめだからね?次会うまでに今日やった単語だけは覚えておくんだよ?
夙:わぁったって
暁:あっははは!お前尻に敷かれるタイプだわ、絶対!
雨:敷きませんよ!!
暁:んじゃ、気をつけてなー
・・・
雨:暁さん、いい人だね
夙:あー?そーかぁ?
雨:うん
夙:…まー…雨音がそういうんならそうなんだろーな
雨:…どうしてそう思うの?
夙:石榴も彼岸もどう見てもいい人じゃねーけど、いい奴じゃん。雨音はそーゆーの見分けるの上手いんじゃねーの?知らんけど
雨:えへへぇ。私って本当に運がいいんだ~
夙:…かわいい
雨:へぇっ!?
夙:雨音、かわいい
雨:わ、や、やめてやめて~~
夙:あっははぁ!すぐ赤くなる!
雨:も~~いじわる~~
あままだ お勉強
夙:あ゛ーーーーー…意味わかんねーやる気でねークソーーー
雨:そういう日もあるよね、少し休憩しよっか
夙:…なー雨音はなんで勉強すんの?
雨:え?んー…もともとそこまで勉強嫌いじゃないから…あんまり参考にならないかも
夙:じゃー逆にどこでも入れる状態でなんでA大の文学部選んだんだよ
雨:どこでも入れるわけじゃないよ~。前も話した気がするけど、A大って試験内容変わってるから…A大受かって他の大学は全部落ちたって人、珍しくないんだよ。あとA大って、受かった後に大学側が学部を選んでくるんだよね。理系の学部選択されてたら流石にA大には入らなかったかなー。まぁでもA大の途中退学率ってすごく低いから、大学側が指定した学部入る方が多分正しいんだけどね。
夙:雨音は文系?なのか?
雨:うん。マダキくんはどちらかというと理系っぽいよね。
夙:文系みんな暗記ばっかじゃん、つまんねー
雨:ん~。そうだなぁ、暗記系は好きなことに繋げちゃえば結構覚えやすいよ。例えば語学だと…前に紹介した「デンドリック」って漫画、あれ元々はアスタリスク語で書かれたものが翻訳されてストラディアに来たんだよね
夙:あーアレ、すげー面白かった!
雨:あれ、実は翻訳挟んでない方が絶対面白いんだよ!キャラクターの言い回しとか全然違うんだよね
夙:へー
雨:あと、あれ続編あるの!
夙:マジで!?
雨:けど、まだ翻訳されてないんだ~。ストラディアでは結構マイナーな漫画だから、翻訳されるかどうかも怪しくて
夙:……けどさぁ、アレはアレであそこで終わるのがいいんじゃねーの?
雨:わかるよ~~。続編失敗してるストーリーってごまんとあるもんねぇ。でもデンドリックは面白かったよ。私続編の方が好き。
夙:…それはずりーじゃん。
雨:ふふ、その方がモチベージョンは上がるかな?って思って。ただ、アスタリスクは大国だし、言語としても簡易的だから、一般的に扱われてることが多いんだよね。アスタリスク語だけでも覚えておけば幅が広がるし、アスタリスク語をベースに作られた言語も多いから、応用が利くの。
夙:ふーん……
雨:あとね、デンドリックって実話だって言われてるんだよ
夙:……嘘つけ!!!!あんなファンタジーあるわけねーじゃん!敵キャラ何個も能力使ってたぞ!
雨:その気持ちめちゃくちゃわかる!けど、歴史について知れば、結構その噂も納得なんだよね。このあたりは石榴の方が詳しいかもしれないけど…昔は月球人っていう人種がいたんだって。月球人は今より極妙に能力を使ってたんだって。それが現存してる宗教のもとになってるって言ってたかな…。随分昔の話で、試験にはあんまり関係ないと思うけど…。
夙:宗教の話か?
雨:近いかも?歴史と宗教はすっごく近いところにあるから。…当たり前に生きてるこの土地でも「テトラ(デンドリックの主人公)」が戦ったかもしれない思うとワクワクしない?
夙:……やべぇなそれ!
雨:でしょでしょ!星の動きを利用して迷宮を脱するシーンとかも天体とか物理をきちんと勉強してると違う視点で見れたり、数学詳しい人は敵キャラの名前の共通点に気が付けたりして、裏切者の予想を立てたりもできるんだって。そんな感じで…知ってることが多いと気が付けることが多いくなるでしょ?気が付けることが多いと騙されることも少なくなるし、いろんな場面で有利になるよ。
夙:んなこと考えて生きてんの?
雨:えーーうーん、はっきりとそんなこと考えてるわけじゃないけど…、その、私、マダキくんや石榴たちに会うまで何もかもつまらないなーって思ってたから…勉強が一番マシだったんだよね。物語読んだり…お父さんとお母さんの仕事の影響もあったかもしれないけど、本読むの好きだったの。ね、参考にならないでしょ?
夙:……まぁ、うん。
雨:色々言ったけど、結局は私が今まで勉強してきたのはきっと、今日この日の為だもん。マダキくんの正面に座って勉強教えるため。
夙:……おー…
雨:…照れてる?
夙:聞くな
雨音:えへへ。…マダキくん大好き。
夙:再開!!!するぞ!!!!!
雨音:んふふ、そうだね。じゃあ今日は残りの時間、デンドリックの原書読も!多分案外読めると思うよ!
夙:んぇーーー
ひがざくクリスマスデート
8:00 石榴宅に彼岸が迎えに来る。
石榴:……約束10:00だったよね
彼岸:俺もう準備終わった。早くして
石榴:…困る。部屋で待ってて。終わったら行くから
彼岸:はぁ?なんで?別にココでいいじゃん。
石榴:準備するとこ見られたくない…
彼岸:なんで
石榴:…もういいよ、わかった。じゃあリビングで待ってて
彼岸:何怒ってんの?
石榴:約束の時間より早く来たから
彼岸:前遅れたときは怒ったくせに
石榴:10:00っていったら10:00に来てよ
彼岸:細かけーなぁ…
石榴:…(ムカつく…)
みた:ンャーーーオ
石榴(まぁいっか…みたらし嬉しそうだし…)
8:45 石榴が髪を巻くのに手こずる
彼岸:遅い
石榴:部屋来ないでって言った!
彼岸:…何そのかっこ
石榴:……こないだ雨音と買いに行ったの!クリスマスに出かけるって…話したら…雨音が…その………おしゃれしたら彼岸が…喜ぶって言うから……
彼岸:…
石榴:あと髪の毛だけだからちょっと待って
彼岸:…下手くそ。ちょっと貸して
石榴:あ…ありがとう…
9:00 出発
石榴:みた、ちょっと行ってくるね
みた:ンヮ
彼岸:石榴
石榴:ん?わっ
彼岸:かわいい
石榴:う…ぁ…ありがと……
彼岸:…
石榴:り…リップ落ちる…
彼岸:また塗れば
石榴:…
彼岸:続きは帰ってからね。
石榴:…そればっか…。お出かけは楽しみじゃないの?
彼岸:んなこと言ってねーじゃん
石榴:早く出たけど、映画11時からだよ
彼岸:べつにいーじゃん
石榴:いーけど……どこで時間潰そう…
彼岸:あの周りなら別に何でもあるでしょ
石榴:そうなの?
彼岸:前行ったじゃん。
石榴:行ったけど…あれっきりだし…大学の近くの映画館で良くない?って思っちゃう
彼岸:つまんねーやつ
石榴:うるさいな
10:00 目的地到着
石榴:この駅こっちの出口だとこんなにお店あるんだ…。あ、屋台の準備してる。チキンだって。
彼岸:昨日食ってただろ
石榴:え、うん…おいしかったな。先輩たちめちゃくちゃ酔っててすごい困ったけど…
彼岸:すげー酔ってたな
石榴:そういえば朝ごはん食べたい
彼岸:遅くね
石榴:彼岸のせいじゃん
彼岸:知らねー
石榴:知らなくない
彼岸:何食べんの
石榴:何があるかな…卵専門店だって、おいしそう。ここにする。
彼岸:ハイハイ
10:40 ごちそうさま
石榴:美味しかった
彼岸:映画見終わったころに昼食べるんじゃなかったの
石榴:うん。食べる
彼岸:よく食うな
石榴:おいしかったから。そろそろ行こっか。
11:00 映画館
石榴:“ユークレースの昊”…雨音のお母さん出てるんだって
彼岸:どれ?
石榴:知らない…探してみてって言われた。
彼岸:へぇいいじゃん
石榴:あ、はじまる
13:00 エンドロール
石榴:面白かった
彼岸:ラストよかったな
石榴:雨音のお母さんわかった?
彼岸:絶対ロゼッタ役の人だろ
石榴:やっぱり?目元そっくりだった。あとで調べてみよ
彼岸:とりあえず昼にするか
石榴:さっきのチキン食べたい
彼岸:昨日食ったじゃん
石榴:美味しかった。……ふふ、デジャヴ?
彼岸:ふっ…なんでもいー
石榴:じゃあチキン。
13:15 屋台のチキン
石榴:あ、ほら。ロゼッタ役の人…“千草 律(チグサ リツ)”本名が紫雲 律だって。
彼岸:へー。美人
石榴:ね。雨音お母さん似なんだね
彼岸:ふーん…。…お前は似てないよな
石榴:…?誰に…??
彼岸:アイツ
石榴:アイツ…???高嶺のこと?似てないかな。まぁ性別違うし…。彼岸は…似てるよね。双子なんだからそりゃそうなんだろうけど…
彼岸:双子って証拠見てねーし知らねー。
石榴:他人の空似の方が気持ち悪いレベルで似てるんだから認めなよ…
彼岸:ウザイ
石榴:…
13:30 カフェ感想戦
彼岸:映画、実話らしいよ
石榴:らしいね。能力者が出てくるとあんまり実感わかないよね
彼岸:お前は会ってんじゃん
石榴:めちゃくちゃたまにだし…。
彼岸:能力者とか、勝ち目ないし関わらない方が身のためだな
石榴:それはそう…だから私もできるだけあそこには頼らないようにしてるんだけど…
彼岸:……ふーん
石榴:…?なんかいいことあった?
彼岸:なにが
石榴:いや…なんかうれしそうに見えたから
彼岸:別に
石榴:わ、ねぇ見て撮影、実際の場所でやったらしいよ。
彼岸:へー。あー…ここアレでも撮影地になってたな。なんだっけな。“アンチノベルズ”?
石榴:そうだっけ。アレあんまり内容覚えてないや。雨音が配役ミス酷くない?って怒ってたなってことくらいしか…
彼岸:アイツって意外とこだわり強いよな
※雨音がこだわりの強さを見せるのはひがざくの前だけでだよ‼
石榴:まぁでも確かにあの映画はもう一回見ようとは思わないかな…
彼岸:前3人で見たやつまた見たい。
石榴:どれ?
彼岸:“エンドレス”
石榴:あー………
彼岸:なんだよ
石榴:あれ難しいじゃん…?頭整理してる時に急にえっちなシーン入ってきてビックリした記憶しかない…
彼岸:ははっ何それ
15:00 次の目的地へ
石榴:話しすぎちゃった…別に移動中に話せばよかったのにね
彼岸:まーいーじゃん、別に
15:15 クリスマスマーケット
石榴:わ、去年より規模大きいね。すごい、交通規制までしてるって
彼岸:人多…
石榴:でもこの雰囲気好きだな
彼岸:…
店員:ワインの試飲いかがですか?
石榴:あ、ありがとうございます
彼岸:どーも…青いな
石榴:変わった色…
店員:アスタリスクのゲニン地方で採れる果実を使って作られたワインなんですよ
石榴:ユークレースの昊で出てきた地名だね
店員:そうなんです。ユークレースの昊の公開に合わせて輸入したんですよ
石榴:へぇ…わ、おいしい。
店員:お兄さんたちお似合いですし、お安くしますよ。
石榴:あ、えっと…ありがとうございます…。でもとりあえず回ってからにしようかな…。重いし…。
店員:是非楽しんでいってくださいね。
石榴:ん…見て。
彼岸;ん?
石榴:雨音から写真来た。
彼岸:うわ、まじでマダキと勉強してんの?
石榴:らしいよ。結構頑張ってるみたいで…週3~4くらいのペースで会ってるって言ってた
彼岸:マジか。…雨音が大丈夫なの?それ
石榴:おかげでストーキングやめたみたいだよ。話すことなくなっちゃうし、そのうちボロ出そうって。
彼岸:へー
石榴:お母さんのこと言っておこうかな…
彼岸:こっちも写真送ろうよ
石榴:ええ…
18:45 タイムリミット
彼岸:…ざく、時間
石榴:!…あッ…ディナー19:00に予約してた、行かなきゃ。待ってこれだけ買ってくる
彼岸:ん
19:00 ディナー
店員:いらっしゃいませ。お待ちしておりました。ご予約の赤﨑様ですね。こちらのお席へどうぞ。
彼岸:なんでここにしたの
石榴:高嶺に魚料理が好きって話をしたらココのテリーヌがおいしいって。
彼岸:へー
20:20 ごちそうさま
石榴:おいしかった
彼岸:お前そればっかだな
石榴:おいしくなかった?
彼岸:普通
石榴:彼岸もそればっかじゃん。…お会計しよっか。
彼岸:もうした
石榴:え
彼岸:帰ろ
石榴:あ、えと…ありがとう…
21:00 帰宅
彼岸:風呂入ってくる
石榴:え、あ
彼岸:なに。
石榴:…また来る?
彼岸:帰ったら続きするって言ったじゃん
石榴:そうじゃなくて…まぁいいや、じゃああとでね
みた:んぁーーんなんな
石榴:みたらし、ただいま…。ご飯…
みた:ぷるるるんなっ
石榴:何その言語
21:30 リラックスタイム
彼岸:コイツ、太った?
石榴:うん…みたらしご飯あげたらあげた分だけ食べるんだよね…
彼岸:お前と一緒じゃん
石榴:………たしかに…。ほんとだ…。なんか飲む?
彼岸:ココア
石榴:ない
彼岸:ある。こないだ置いてった。
石榴:……ほんとだ…
彼岸:お前少しはキッチン立てよ
石榴:…。あ、そうだ。待ってて
彼岸:?
石榴:はい。
彼岸:なにこれ
石榴:去年、ペンくれたでしょ。…だから今年は私が何か用意しようと思って…でも私一人では決められなくて、雨音に手伝ってもらったの。彼岸、アクセサリーも香水も嫌いだし、使えるものの方がいいかなってなって…
彼岸:で、部屋着?
石榴:うん…あの…ほら、うちみたらしの毛すごい着くし…黒くない方がいいかなって…
彼岸:なにそれw
石榴:すっごい悩んだ…候補は色々あったんだよ。マフラーとかキーケースとか靴とか…彼岸が何好きかわからなくて…
彼岸:ふーん。…石榴、こっちきて
石榴:ココア、淹れないと…
彼岸:いらない。きてよ
石榴:…ん…
彼岸:…続き、していい?
石榴:ダメって言ったらどーするの
彼岸:聞かない
石榴:ふ、ふふ選択肢ないじゃん…
〈高嶺お兄ちゃんに質問〉
あんな過激なことまでして石榴のこと見つけ出したのに、どうして石榴と半年間も連絡とらなかったんですか?
高嶺:見つけるまでは、…どこか独りで怖がってるかもしれないし、苦しんでるかもしれないし、絶望したり、動けなくなったり、泣いたりしてるかもしれなかったから、何が何でも見つける必要があったんだ。
でも、…会ってみたら俺の助けとか…必要なさそうなくらいには強かに育ってたし、友達もいて、家族もいて、きちんと目的も持ってるし、安心したというか…だったらまぁ、いいか。と思って。俺が介入する必要もないか、と。
石榴が望むなら何でもしてあげるんですか?
高嶺:どうだろうな、頼ってくれるのは嬉しいけど、場合によるな。俺が協力したくないことに関しては協力しないと思うよ。…多分な?
彼岸についてはどう思います?
高嶺:あーー…………。……心底やめとけそんな奴と言いたいが……まぁ…好きになったのはそれなりに理由があるんだろ。関係を引き裂くつもりはないな。心底やめとけとは思うけど。
彼岸が石榴を泣かせたらどうしますか?
高嶺:まぁ親しくなればそういうこともあるだろうな…と、頭ではわかってる。が、実際現場を見たらどう思うかはわからないな。
雨音についてはどう思いますか?
高嶺:あぁ…あの子か。個人的には嫌いじゃないし、関係が続くといいなと思うよ。
石榴がかわいいですか?
高嶺:かわいい…というか……、…まぁかわいいのか?
守ってやりたいとは思ってるが…その気持ちの100%が庇護欲というわけではなくて、罪悪感とか、同情とか、その辺の気持ちもある。
俺だけが悪いとは、まぁ全く思ってないけど、俺がいればもっと別の選択も取れただろう、と。俺が学びたいこと学んでる間…やりたいことやってる間、あの子は独りだったと思うと、やっぱり申し訳なく思う。
石榴としたいことはありますか?
高嶺:……パッとは出てこないな…。普通の兄妹になれたら、と…思うんだけど…普通の兄妹はずっと同じ時間を過ごしてきたから普通の兄妹なんだよな…。
…石榴と何かしたいと思う前に、石榴のことをもっと知りたいと思うよ。何が好きとか、何が楽しいとか。叶うなら、俺のことも知ってほしいかもしれないな。
思ってるより100倍くらいまともでびっくりした。
こんなまともな人が石榴探すためにノヴァ教徒拷問してるの怖…。
この兄妹は目的に対してとても真面目なのかもしれないですね。
ひがざく 雑談
石榴:…彼岸ってターゲットどうやって決めてるの
彼岸:なに急に
石榴:気になっただけ。言いたくないならいい
彼岸:…特にターゲットとか決めてないけど
石榴:そうなの?…でも傾向はあるよね?
彼岸:例えば?
石榴:年齢は30未満で男性よりは女性が多いイメージ…
彼岸:年齢が30未満なのは臓器売る場合はその方が高く売れるから。男より女が多いのは女の方がひっかけやすいから。
石榴:なるほど
〈ざくあま ハロウィン〉
雨音:今年は石榴黒猫ちゃんの仮装してよ〜
石榴:え…普通に嫌かな
雨音:なんで?いーじゃん。ほら、みたちゃんとお揃いだよ?
石榴:…全然おそろいじゃない。猫の可愛さを人間が再現できるわけないでしょ
雨音:石榴がすっごい猫好き発言してる…
石榴:猫飼ったら皆こうなるって
雨音:断言した…
〈ひがあま おでかけ〉
彼岸:なんでそんなん履いてきたわけ?今日あちこち歩くのわかってただろ
雨音:だって今日の服にはこの靴が一番合うんだもん〜ほらー可愛くない?ここの網目がねー
彼岸:さぁ、いーんじゃね
雨音:ちょっとー、聞いてるー?
〈ひがざくあま B級映画〉
雨音:今日の映画の面白かったとこ、せーので言わない?
石榴:え……ないんだけど…
彼岸:アレ面白いっていう奴間違いなく薬やってるだろ
雨音:強いて言うならでいいから!ね?
ひがざく:……
雨音:決めた?せーの!
「「「ない」」」
雨音:あははっ!!めっちゃ綺麗にハモったじゃん!
石榴:ふっ…wwほら、雨音もないんじゃん
彼岸:あるって言う奴いたら絡むのやめてたわ
雨音:嘘でしょ!?wwもー!ほんと2人とも大好き〜!!
〈石榴の誕生日 1/23〉
雨音:ざくっ!誕生日おめでとうっ!ケーキ買ってきたよっ!3人で食べよー!
石榴:え…?あ…ありがと…
彼岸:……
雨音:えっ?何この空気?え?あってるよね?
石榴:うん…まぁ…入学当初に言ったやつよく覚えてたね…
雨音:そりゃ覚えてるよぉ!彼岸くんは来月だよね
彼岸:まぁ
雨音:…えっ?なに?
石榴:えっと……べつに今日誕生日じゃないよ…
雨音:え?
彼岸:当たり前じゃん。お前ぐらい賢けりゃからわかってると思ったけど
雨音:えーっ彼岸くんに褒められちゃった〜
彼岸:俺や石榴みたいなのが生年月日なんて知るわけねーし、知ってても本当のこと言わねーだろ
雨音:!!そ、そっか、たしかに!
雨音:そっか、ざくも彼岸くんも、本当の年齢わかんないのか。
石榴:でも、使ってる誕生日は今日だから…祝ってくれて嬉しい
雨音:えへー!大人になるとただケーキ食べる口実だもんねー!
石榴:……………
雨音:え?なに?
石榴:そういえば初めて食べるかも
雨音:嘘でしょ………??
石榴:ありがと雨音
〈飛鳥&雨音〉
飛鳥:俺の何が無理なの?正直言って優良物件だと思うけど?
雨音:そうかな?それなら飛鳥くんにとっても私って優良物件に感じる?その考え方がすっごく不愉快。私のことをアクセサリーか何かだと思ってるの?それに…顔が…顔が彼岸くんに似過ぎてて無理。恋愛対象には見れない
飛鳥:何それ理不尽だなぁ…髪型でも変えればいい?この顔好きだし整形はしたくないんだけど
雨音:タバコ吸う人も嫌い
飛鳥:じゃあやめるよ
雨音:素直で正直な人で感情豊かな人が好き
飛鳥:それ、あの石榴とかいう女には当てはまらないんじゃないの?
雨音:それから私の友達を大切にしてくれる人がいい 。飛鳥くんにはわからないかもしれないけど、石榴は素直で正直で感情豊かだよ
飛鳥:わがままだなぁ、わかったわかった
雨音:………私…絶対の愛が欲しいの。パ…お父さんとお母さんたちみたいに、お互い以外何もいらないってぐらいの。飛鳥くんとじゃ、無理でしょ
飛鳥:試してみないとわからないじゃん
雨音:わかるよ。一目見た瞬間から、私この人しかいないって思ったんだもん
飛鳥:あの殺人鬼と一緒になれるとでも思ってんの?アンタそんなに馬鹿だっけ?
雨音:なれるなれないで考えられないほど、私、マダキくんが好きなの
飛鳥:絶対の愛なんて存在するわけないじゃん
雨音:それなら私に言い寄るのはやめて。飛鳥くんがこれ以上、何か行動を起こすなら、私だって容赦しない
…という会話をいろんな面で勝てないことはわかってるから、きちんと彼岸と石榴に頼る雨音がカッコいいしかわいいしで大好き。