私:でもやっぱり真白の言葉に助けてもらったこともある。風架やシレネと同じように大事。ずっと一緒だったし……
風架:私はアイツ、これからはアンタの精神が傾くたびに壊しにくると思うよ
私:……うーーん…
シレ:……いいよ、メイ、やりたいようにやって。ほんとに真白くんにその気があるなら風架と俺で守ってあげるよ
私:…えぇぇ…すっごい…えぇ、…最近シレネ優しすぎない…?怖いんだけど……
風架:勝手なこと言わないでよ。なんでそんなリスクの高いことしないといけないの?私は真白とは関わりたくない
シレ:じゃあいいよ別に、俺だけで十分だし。けど風架はそれでいーの?
風架:よくないに決まってるでしょ。だから、そもそも真白と関わることが反対なの
シレ:お前は本当に排他的だね。どうかと思うけどね、そういうところ
風架:コレを排他的って括るのは論点ズレてるんだけど
シレ:ズレてねーだろ。真白くんの排除がコイツのためになるって本気で思ってんの?
風架:当たり前でしょ。アンタの「面白いから」に付き合ってられるほど余裕はないのよ
私:あの、そろそろ仕事始まるんだけど…
風架:いいよ戻ってて。もう少しコイツと話してるから
私:いや聞こえるって…怖いし全然集中できないから…
シレ:別にいいじゃん、聞いてろよ。暇でしょ?
私:…暇だけど……
シレ:お前はどうしたいの?
私:私はそりゃ…真白と仲良く…まで行かなくてもいいけど、あの…「紅葉ちゃんがメイちゃんのものである限りそれだけは揺るがないから、忘れるか死ぬかしてほしい」っていう…クッソわけわからん思考を…改善してほしい……
シレ:嘘つけ、ちゃんと言葉にしてみろよ
私:んん……んー…ここが真白にとって帰ってくる場所になってほしい…かなぁ…
シレ:さ、これがメイの意見だよ。どーすんの?捻じ曲げんの?
風架:基本的に私はメイがやりたいこと、全部味方してあげたいけど、今回だけは無理。この世で一番真白が嫌い。っていう自分の感情もあるし、アレがメイにとって有益だとも思えない。
シレ:人の本質まともに見れてもないくせに、随分大層なこというねぇ。他者の見えてる部分なんてほんの一部分な上に人は変わっていくものだよ?嫌いな相手と関わらないようにしたらそこまでじゃん。
風架:本質なんてわかったって仕方がないでしょ。結局は見えてる部分が他者から見た「その人」なんだから。本質なんて何の意味もない。人は簡単には変わらないし、見えてるほんの一部分がどうしようもなく嫌いなのであれば、そいつに費やす時間は全部無駄。アンタみたいな狂人と一緒にしないでくれる?
シレ:無駄?じゃあ、俺はいない方がよかった?嫌いだったでしょ?
風架:……シレネのことは……よく知らなかったから
シレ:そうだね。よく知らなかったから、一部分だけ見て嫌いだったんでしょ?人の一部分なんてそんなもんだよ。簡単に覆る。その一部分だけで排除してたら、今ここに俺はいない。風架にできないことを俺はメイにしてやれるし、その逆もある。多分、真白くんしかできないこともあるよ。風架のそれは暴力と一緒じゃん。手に入れられるかもしれない選択肢始めから手放すの?
風架:真白がいい影響を与えるとは思えない。シレネの時はとは違う。私はシレネよりメイより、ずっと長い時間真白と一緒に居たんだよ。
シレ:だから真白のことをわかってるって?そうは思わないけどな。風架視野狭すぎるもん。長い時間一緒に居たからって相手のことを知ろうとしない人が相手を分かるわけないじゃん
風架:……
シレ:俺は逆にあんな直球な言葉を真白くんがハッキリとメイに口にしたから、何とかしてやれるって思ってるんだけど
風架:どういうこと
シレ:だってあんなの、真白くんが心開いてるからこそでしょ
風架:はぁ?
シレ:真白くん、いっつもニコニコ~ってして本音を隠して一切相手に不満を吐露したりしないじゃん。メイも同じことをするけど、真白くんのとは理由が違う。真白くんは自分の気持ちをわかってないわけでも、人に嫌われたくないわけでもなくて、ただただ相手のことがどうでもいいんだよね。けど、メイに対して「死んでほしい」とまで言ったんだよ?これは一種の歩み寄りでしょ
風架:アンタは真白のことを何もわかってない。真白がああいったのは、メイに心を開いてるからじゃない。自分にとって都合をよくするには、メイにそう伝えることがアイツにとって最善だっただけ。
シレ:いやいや、言ったらこうやって風架が警戒するのなんて目に見えてるじゃん。わざわざ言葉にしたのは、真白くんの明らかな悪意でしょ。都合をよくするためじゃないよ
風架:メイが傷つけば気持ちが沈むことをわかってて言ったんでしょ。
シレ:それならもっと別の言葉を使うんだって。わざわざ真白くんの本音を告げる必要なんてないじゃん
風架:本音を言うことが一番傷つけるってわかってたんでしょ
シレ:本気で言ってんの?真白くんがほんとにメイの精神傾けることが目的なら、メイに直接死んでほしいって言うよりも、メイに風架も俺も死んでほしいって言うだろうよ。そしたら風架と話すたびに俺と話すたびに、その言葉が頭によぎるんだから。精神は傾くし、俺らとは距離取りはじめるし、一人でグルグルどうでもいいことまで考えて一石二鳥!真白くんの目的が何なのかは知らないけど、絶対そっちのが都合よくない?
風架:………最悪だ…
シレ:風架はいい子過ぎだね。ちょっと考えればわかるでしょ。だから視野が狭いって言ってんの
風架:チッ…
シレ:ここまでは俺としてはほぼ確定。ここから予想…というか、勘なんだけど…聞く?聞いたら賛成とみなすけど
風架:………1日考える
シレ:流石自称慎重派!いいねぇ、いいよ。じゃあまた夕方話そ
風架:なんでまともに話し合いして他の最後の最後で煽ってくんの?クソが
シレ:口悪w
・・・
シレ:アレは乗ってくるでしょ
私:…だろうね…。お言葉がお上手ですこと…
シレ:ちょろいもんだね。まー風架も意外と頑固だからすんなりいくかどうかはわかんないけどね
私:私としては助かったけど、別に私の為じゃないでしょ…
シレ:んーー2割くらいはお前の為だよ。真白くんが居たほうがいいって思う場面は何度かあったし
私:2割…あと8割は?
シレ:あと3割は風架のため
私:風架のため?
シレ:風架ってあんな感じだけど、別に独占欲が強いわけじゃなくて、本当はお前が大事にしてるもの全部、風架も大事にしたいんだよね
私:してくれてると思うけど
シレ:お前がそう受け取ってても、風架はお前の友達が苦手だったりすることに多少なりとも罪悪感があるんだよ。
私:?真白が居てもそれは改善されなくない?
シレ:んなことないよ。「この世で一番嫌いだった人間」を認められたら、考え方は変わるでしょ。それに真白くんだってお前にとっては大事な人みたいだし
私:なるほど?
シレ:あと5割は俺のため。俺も真白くん苦手だし、楽しそうじゃん。賑やかになるならその方がいいでしょ?
私:陽キャかよ…お前の精神力本当に羨ましい…
シレ:正直ディアちゃんとの相性が一番いいのも真白くんだろうし
私:そうかな…?
シレ:最近たまにディアちゃんと喋るけど、なかなか心開かないんだよねー
私:そう、その話もしたかったんだ…
シレ:また今度ね
・・・
私:眠い……
風架:ごはん、食べなきゃダメだよ。朝も食べてないんだから
私:風架~…今日は夕方まで居ないと思ってた
風架:んー…少しだけメイと話をしようかと…
私:うん?
風架:真白の話…。私、真白のこと…本気で嫌い…。
私:存じ上げておりますとも…
風架:いつもヘラヘラして同じ土俵にすら上がってこないで、当然のように利己的な選択ばっかりとって、他者を傷つけても微塵も罪悪感も持たない。言葉に何の気持ちもない。メイはよく「その言葉が本心じゃなくても、その言葉を口に出せるってことは頭の中で過った言葉だ」って言うじゃん。私にとってはアイツの言葉の全部がアイツの為だけのものにしか聞こえない。「逃げてもいい」なんて耳触りのいい言葉を吐いておいて何も責任は取ってくれない。優しい言葉を放っておいて、責任を持つ意思は全くない。
私:う、うん…
風架:……私が嫌いな人と一緒に居たくないのは、私はなかなかこういうところの我慢が出来ないから…真白をボロクソ言って、メイが気まずそうにしてたりするのは…すごく申し訳なくて…
私:そんなこと気にしなくていいのに…まぁ気まずいけど…
風架:シレネの言ってることは一理あるよ…。たとえアイツが面白がってて言ってるとしても、私が真白に対して暴力同然のことをしてるっていうのは否めない。そこはどう考えても私の非だし、短所だろうなと思う。
私:真面目だねぇ…
風架:あとすごく勝手だけど、真白がここに入り浸るようになったとして、私にとってこの場所が居心地の悪い場所になるのは嫌。
私:んん…
風架:真白を認められる未来が見えない。想像ができない…
私:上手いこと言えないけど…私も風架が真白を好きになる日はたしかに来ないだろうなぁって諦めてたけど…でも、なんかシレネがそれを諦めてないのが、嬉しいのと悔しいのとあって
風架:アイツはアイツで人の気持ちを変えられるって思ってる傲慢さがあるなって私は思いますけど
私:あぁ…ちゃんとまだキレてるんだ…
風架:あぁぁ…ムカつく…腹が立つ…やっぱり無理だ…
私:おーよしよし……
風架:シレネもムカつく~~~…
私:うんうん、わかるわかる
風架:メイ好き。大好き
私:私も大好き。
風架:…同じくらい、真白のことも好き…?
私:んー……んん……むずかしいな…
風架:だよねぇ…。……はぁ、くだらないこと聞いた。もう少し冷静になるわ。ごめんね、休憩終わっちゃうね。
私:んーん平気…
風架:眠たそう、話過ぎちゃったね
私:大丈夫。また後で話そう。
・・・結局その日は体調も精神状態も悪くて話ができず・・・
シレ:で、どーすんの?
風架:………
シレ:機嫌悪ww
風架:悪くない。ねぇ、ほんと、シレネは最悪の事態になったらどうしようとか思わないわけ?
シレ:最悪の事態になったらその時考えればよくねー?
風架:最悪の事態になってる時はもう引き返せないことが多いんだってば
シレ:へぇ、最悪の事態になったことあるみたいな言い方だね
風架:………
シレ:あぁ…………、ごめんごめん。そうだね
私:風架?
風架:なんでもない。
シレ:…俺が風架に協力するって言ってる現状でも真白くんが脅威だって思ってんの?俺のこと信用してないわけじゃないでしょ
風架:……そうだけど……
シレ:覚悟が決まらないだけ?
風架:そういうこと…
シレ:あっはは
私:風架の言う最悪の事態って何?
シレ:お、よく聞けるねぇそれ
私:え?なに?
風架:…………アンタが…私のこと忘れること……
私:………ご……めん
シレ:空気最悪でウケる
私:…一応確認しておきたいんだけど…あの…私が忘れたのって、風架だけだよね…?シレネと真白とも会ってたとか、言わないよね…?
シレ:さぁ?
風架:変な返しするな。ないよ、私だけ。多分、私が知ってる限りは…
私:よかった、風架の口ぶりだと真白が忘れさせたみたいな言い方だったから…
風架:……
私:え?ち、違うよね?
風架:えっあっうん、違う違う、ごめん、多分違う。
私:多分ン……???
風架:なんか、ごめん私もちょっと…ぼやけてて…
シレ:ま、あやふやな記憶の話してもしょうがないでしょ
私:そうかな…
風架:真白だけがメイに干渉できる状況にされるとか…その辺も最悪…。
私:真白がそれを出来る可能性があるの?
シレ:一応ね
私:ふぅん…
シレ:大丈夫だと思うけどなー。むしろ今が一番いい状況だよ。
私:んー…私も、もう今はあんまり真白の意見に流されることはない気がするけどな
風架:………アンタの意思は…たまにビックリするほど脆弱だからなぁ………
シレ:wwww
私:ごめんって
風架:別に忘れられてもいいんだよ。でも会えなくなるのは嫌。お別れするならきちんとお互いが納得してお別れしたい
私:私もそうだよ。お別れしたくないけど、もしするならそうしたい。風架のこと大好き。ずっと好き。
風架:私も好き…大好き…。…同じくらい……真白が嫌い……
私:あはは、わかった、わかったよ。でももう決めたから、協力してほしいな。お願い。真白にとって安心できる場所を作りたい。どうしても無理そうで、真白から強い害意を感じたら諦めるから。
風架:…………わ…かったよ………
私:不服そう過ぎて笑う
風架:どうしても世界で一番嫌いなんだもん!ほんとに、アイツの顔を思い浮かべるだけでイライラする…!喧嘩増えても知らないからね
私:ハイハイ、いいよわかったよ。別に嫌いなままでいいよ。風架と真白が仲良くしてる方が怖いもん
シレ:んじゃ話の続きね。メイにはもう話したけど、俺的には「真白くんはメイと紅葉ちゃんが混同する説」をおしてるんだけど
風架:何その説…
シレ:ほら、前に話したでしょ。俺はメイが幼く見えるって話。
風架:あぁ
私:風架知ってたんかい
風架:まぁ。なんとなくその感覚はわかるし
私:わかるんだ…
シレ:多分、お前が調子悪いときの俺らの声が聞こえない、何を言ってるかわからないの感覚と似てるんじゃない?知らんけど
私:無責任な発言…
シレ:真白くんにはメイの姿がかなり違って見えるんじゃないかなーって思ってるんだよね。
私:私が5歳児に見えてるのも相当違ってますけどね
シレ:そ?なんなら3歳児くらいじゃんお前
私:…まぁいいやそれで…
風架:んー…でも…紅葉とメイって別に似てないから…中身の話ね。いや、まったく同じだなって思う部分はあるにはあるんだけど…
シレ:ま、何の根拠もないんだけどね
私:やっぱりでもシンプルに私に紅葉のこと忘れてほしいんだと思うよ。前にね、「メイちゃんだってななちゃんのこと一番幸せにできるのは自分だって思うんでしょ?僕も紅葉ちゃんに対してそう思ってるだけだよ」みたいなことを言われたことがあるんだけど、私が創作にのめりこめばこむほど、それが揺らぐ可能性があるからとかじゃないの?
シレ:ありそうだね。でもなんかしっくりこないなぁ
私:…なんかシレネがまともに話に加わってるのすごい新鮮…
シレ:あは、なにそれ
風架:結局自分の存在に自信がないんじゃん。そのアイツが紅葉を思う気持ちが程度ってことでしょ
私:んーなんていうか…私が紅葉を幸せにできる可能性が出てくるのが嫌なんじゃないかなって
風架:思考が無理すぎる…ていうかそれ私のこと死ぬほど馬鹿にしてるよね?
私:まぁまぁ…
シレ:ま、わからなくはないけどね。幸せ云々はどうでもいいとして、メイが塗り替える感覚が嫌いなら、気分は悪いんじゃない
私:それ結構刺さるなぁ……
シレ:知ってる。…そうだなぁ、シャレム作った時ってどうだったの
私:シャレム?シャレムは…………ん、シャレム作った時のこと…なんか思い出せないな…そんな昔じゃないのに…待ってツイート遡るわ……あった、あったけど~~…シャレムってたしか仕事中に…真白と話してて出来た子なんだよ~…たしか…違ったかなー…「えぇそんなんぜったいかわいいじゃん」って…私が勝手に作ったわけじゃないよ。どちらかというと風架からクロクノスタとかフォンポットの話を聞いたときみたいに…教えてくれて………教えてくれたんだよなぁ………
風架:…真白の本心探るには結局、たくさん話をするしかないんじゃない。憶測だけで進めてもあんまりいい結果は見えないな。
私:そうだねぇ…。1日1回は真白を呼び掛けるようにしようかな。いい?
風架:ダメって言っていいの?
私:まぁ聞かないけど
風架:でしょ。
私:でも何話せばいいかわからないなぁ……
シレ:別になんでもいいんじゃない
私:んー…まぁ頑張ってみる…。長期戦になりそうだなぁ…。