研究室の運営方針

 当研究室の研究テーマ(特に実験内容)は、前提となる知識は広範ですが(機械系、電気系、光学系という3つの系を同時に扱います)、必要な専門知識は他の分野と比べて少なく、直観的に容易く理解できるでしょう。なぜなら、基本的に、「定常的な線形系」というシンプルな系が実験対象であり、さらに、使用する振動子は最も単純な「振り子(懸架された鏡)」だからです。一方で、極めて精密な測定を行うため、多くの装置は市販品では代用が効かない独自開発したものとなります。精密測定を実現するため、装置を制御し動作させること自体も困難を極めるでしょう。装置の利用方法を記したマニュアルのようなものは基本的にありません。自分自身で考え、周りの人と議論を深めることで課題を発見し、さらなる装置の性能向上に取り組み、他の実験室では実現できないことを成し遂げたいと考えています。そのため、当研究室の活動においては、観察眼と論理的思考力が重要となってきます。(意欲はあるけれど授業にはあまり参加してこなかった人にも活躍できるチャンスがあるはずです(^^))目の前の装置のおかれた環境を良く観察し、状況を整理し、問題の原因を追究することが大切となります。

 ふんわりとした説明ではありますが、以上のような研究を進めているため、研究室の運営方針として、日々の議論を大切にしています。建設的な議論をするためには、状況を正確かつ端的に人に説明する言語能力自分が何を理解していないのかを十分に理解する能力とそれを認める勇気(知ったかぶりはやめましょうね)、粘り強く理解を目指す情熱が必要だと考えています。知的好奇心と向上心に溢れる学生さんの参加をお待ちしております!地道な議論と考察の積み重ねにより、(多くの場合は失敗するので停滞しますが(;_;)日々研究が進展し、大きな目標に向かって少しずつ前進するという喜びと苦難に満ちた経験をともに味わっていきましょう。大学卒業後にどのような進路に進んだとしても、以上のような経験は皆さんを支える力になると信じています。さらに、当研究室のテーマは広範な系を扱うため、様々な分野の進路が拓けます(と言ってくれる学生さん、卒業生が何人かいます(〃▽〃))。