発表について

ここでは、口頭発表する際の注意事項を記します。気になったことがあればその都度追加していくつもりです。

下記に例示した通りのスライド構成にしたり、話し方をする必要は全くないですが、各自で発表方法を工夫して、想定される聴衆にとってあなたの発表が分かりやすくなるように努力をしましょう。

・スライドの構成ですが、例えば、「研究の目的と結果」、「研究の背景」、「先行研究」、「原理」、「実験セットアップ」、「結果」、「考察と将来展望」、「まとめ」の流れで説明すると良いでしょう。

「研究の目的と結果」:論文のアブストラクトに目的と結果が必ず書いてあります。それらを簡潔にまとめてください。

「研究の背景」、「先行研究」:論文のイントロダクション(最初の数段落)に必ず背景と先行研究について書いてます。それらを簡潔にまとめてください。

「原理」:論文以外の分かり易い資料を渡しますので、それらを勉強し、簡潔にまとめてください。

「実験セットアップ」、「結果」、「考察と将来展望」:論文の中心的な内容です。すべての結果をまとめられなくても良いので、少なくとも、最も大切な結果(測定結果の図が大抵あります)一つに関して、簡潔にまとめてください。

「まとめ」:「まとめ」以前のスライドで紹介した内容(特に目的、背景、結果、将来展望)を簡潔に説明して、発表を終えます。


自分の話している日本語が適切かどうか常に意識すること。特に、主語、述語、目的語、修飾語が過剰に省略されていないか必ず考えること。

通常は自分独自の用語は使用しないこと。完全一致検索「””」で検索し、他の人がその用語をどのように使用しているか確認すると良い。

まずは論文の内容をしっかり理解すること。教員が説明した内容をオウム返しするだけでは、まともな説明にはなりません。(それに、分かっていないことはすぐにバレます)

・「タイトル」のスライドについて:「今回は~~というタイトルの論文について話します。」と始める人が多いですが、違う話し方も選択してみませんか。例えば「本日紹介する論文では、~~というタイトルから分かるように、・・・や~~~について報告されています。ここでは、特に・・・に焦点を当てて、皆様に論文の内容を紹介します。」という感じで話し始めた方が、聴衆には内容が伝わりやすいです。

・「目次」のスライドについて:20分程度の短時間のプレゼンの場合、目次は必須ではないと思います。しかしながら、目次のページを追加した方がより分かりやすい発表になることもあるでしょう。目次のスライドでは、論理展開を意識してプレゼンの流れを簡潔に説明しましょう。例えば次のように話すと良いでしょう。「本日お話しする~~においては・・が肝となります。~~~という定理から、・・は・・・だからです。そのため、~~~~が重要となります…」。単に、「今日は~~について話し、・・を紹介します。次に~~~について話し…」という話し方は避けましょう。

・スライドを移動するとき:「次は~~(スライドタイトル)です。」を繰り返す人も多いです。前後のスライドの論理的なつながりを理解し、例えば(前のスライドの最後で)「~~なため、・・なことが分かります。そうすると、次の疑問点として、~~~が気になるでしょう。」などと話したうえで(次のスライドに移り)「それでは、~~~を理解するために、ここでは・・・について説明します。」と話す方が自然でしょう。

・数式の説明をするとき:「これを解くと~~となり・・・」を繰り返すのも避けましょう。代わりに、「~~という物理現象を考慮に入れると・・の式が得られ、さらに~~~という条件を課すことで・・・となります。これは物理的には、~~~~ということを意味します。」というように、式の意味についても言及しなければなりません。

・グラフについて:軸の説明を欠かさないこと。データの取得方法やその精度についても言及すると良いです。

・「参考資料」のスライドについて:説明しない内容をスライドに過剰に盛り込まないこと。盛り込みたい場合は、末尾の参考資料としてまとめれば良いです。