This work was supported by JKA and its promotion funds from KEIRIN RACE.
この事業は、競輪の補助(2025M-501)を受けて実施しました.実施内容についてまとめます.
3次元画像変位計測システムの開発
本研究では,ステレオカメラと積分ドット重心法(IDCT法)を組み合わせることで,非接触かつ高精度に三次元変位を計測可能な画像計測システムを開発した.カメラとストロボを同期制御し,サブピクセル精度での位置検出を実現するとともに,誤差伝搬に基づく設計により計測精度を確保した.その結果,微小変位の三次元フルフィールド計測が可能となるシステムを構築した.
積分ドット重心法とマルチパルス発光
積分ドット重心法(IDCT法)は,画像中のマーカーの輝度分布に基づきサブピクセル精度で変位を算出する手法である.一方,マルチパルス発光はストロボを複数回発光させることで画像の輝度およびS/N比を向上させる技術である.本研究では両者を組み合わせることで,輝度差を増大させつつノイズの影響を低減し,高精度な変位計測を実現した. 図は輝度差違いで静止マーカーの位置変動(ばらつき)を示した散布図である.発光回数によって輝度差が広がり,それによりばらつきが抑えられることがわかる.現状,ばらつきを0.01 ~ 0.02 pixelまで追い込むことができている.
誤差伝搬に基づくステレオカメラ設定・キャリブレーション方法の検討
ステレオカメラによる三次元計測では,画像中の特徴点位置のばらつきが三次元再構成誤差に直接影響するため,計測精度はカメラ配置およびキャリブレーション精度に大きく依存する.本研究では,画素位置のばらつきを入力とした誤差伝搬に基づき,三次元位置推定における誤差の関係を理論的に整理した.
具体的には,左右カメラにおける対応点の検出誤差が奥行方向の誤差に与える影響を評価し,ベースライン長および対象物とカメラ間距離が計測精度に及ぼす影響を明らかにした.その結果,所望の変位分解能を達成するためのカメラ配置条件を定量的に設計可能であることを示した.さらに,本研究では積分ドット重心法(IDCT法)によるサブピクセル精度の特徴点検出を前提とし,その位置ばらつきを考慮した誤差評価を行うことで,実際の計測環境に即した精度設計を実現した.
以上より,誤差伝搬に基づく解析を導入することで,経験的な調整に依存しないステレオカメラの設定およびキャリブレーション手法の設計指針を確立した.
3次元形状の図示
三次元計測により取得した変位データを用いて振動形状を可視化した結果,構造物の面外変位の空間分布を直感的に把握することが可能となった.従来の点計測では走査する必要があるため,実験時間が長くなってしまう問題があるが,画像で一括計測が可能である.一方で,画像処理を含む後処理に一定の時間を要することが課題として挙げられる. 全体的な振動挙動を三次元的に図示できることを確認した.