――中善寺マコト化現象。
それは、数年前から徐々に広がっている不思議な現象だった。老若男女問わず、人の名前がある日突然「中善寺マコト」に書き換わってしまう。本人や周囲の記憶はもちろん、公的書類から些細なメモ、画像データに至るまで、記載されている名前がすべて「中善寺マコト」に上書きされるのだ。
「中善寺マコトの謎を追いたいのなら、僕らの仲間にならないか?」
屋上から飛び降りようとしていた委員長に、僕は委員長に手を差し伸べる。僕は知りたいんだ。いったい何が原因で、こんなことになってしまったのか。
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#おとーふコロシアム 2月度 参加作品
――世界の半分をお前にやろう。
最凶と呼ばれた魔王ノブナガは、勇者ライトにそう言い放った。終わりの見えない不毛な戦争に決着をつけるため、世界を二つに分ける巨大な壁を構築し、長い年月をかけて人々の恨みを薄れさせよう――というのが、魔王の提案だったのだ。
二人が力を合わせて儀式魔法を発動すると、世界は分割され、一時の平穏が訪れる。
時は流れて、魔王暦九九〇年。
魔王大陸に暮らす魔族の小学四年生サルマン・ベイローレルは、身体能力測定でとんでもない魔力量を叩き出し、年老いた魔王から城に呼び出された。
「十年後、壁の崩壊までに。お主には儂の指導の下で、魔王大陸最強になってもらいたい」
サルマンは魔王の弟子になる。そして厳しい修行を重ねつつ、魔王大陸の各地を巡って仲間を集めることになった。やがて襲い来るであろう勇者の軍勢から、人々を守るために。
第23回 #書き出し祭り 参加作品
高校一年生の姫野菜月は、些細なきっかけから同級生の苛烈な虐めを受け、すっかり心が擦り切れてしまっていた。嬲られてもなお命を絶たなかった理由は、虐めの主犯を喜ばせたくないという一心のみ。
そんな中、彼女はクラスメイトとともに異世界に召喚される。
――魔女は、男と交わるたびに魔法を一つ手に入れる。
魔力の強い異世界人は貴重な戦力である。そのため男子は魔法を提供する種馬として、女子はそれを受け取る魔女として、隷属の首輪をはめられてしまうのだが。
召喚時点で既に数十の魔法を扱えるようになっていた彼女にとって、異世界の騎士たちを手玉に取るのは容易なことだった。
やがて「肉挽きの魔女」と呼ばれるようになった“ヒメ”は、魔女の集いワルプルギスを主催して、先輩魔女たちと共に世界に怨嗟を撒き散らしていく。
「さぁ、お茶会の準備をして、招待状を送りましょう」
※暗黒ファンタジー冒頭企画
僕が幻想世界アールヴヘイムに召喚されたのは、高校一年生の春のことだった。
生まれ育った地球世界ミズガルズ。魔法文明の発達した幻想世界アールヴヘイム。そして、悪魔たちの暮らしている殺伐とした魔界ニヴルヘイム。それらの世界は、普段は関わり合うことなく存在してるんだけど、千年ぶりに三つの世界が重なり合い、魔界の王は幻想世界に侵攻してきたのだという。
勇者となった僕は、魔王との死闘の末に一つの決断を下した。聖剣に全ての力を込め、世界を切り離す。すると重なり合っていた世界は元の通り、バラバラの三つの世界へと戻っていった。魔王も悪魔も皆、魔界ニヴルヘイムへと消える。そして。
――僕はもう、地球へ帰れなくなった。
#異世界転移葛藤企画 参加作品
祖国を長耳人(エルフ)の帝国に滅ぼされた魔術師ガイルは、移送される馬車の檻の中で竜人(リザードマン)の怪力女スィーラと出会う。果たして、二人は檻を脱出できるのか。
#匿名男女バディ短編企画 参加作品
『――お前の子どもを授かった』
突然かかって来た電話に、アマチュア小説家の賀喜文治はびっくり仰天。どうやら彼は、匿名のWeb小説企画で優勝しなければ、身に覚えのない子のパパにされてしまうというのだ。彼は企画を主催し、自分が企画で勝てる手段を模索していくのだが――
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#ミニ匿名コン・主催者の苦悩編 参加作品
「――私はずっと見られていました」
二〇二四年某日。私はSNSで知り合った女性から、十二年前に彼女の身に起きた事件について話を聞くことになった。
彼女は長いこと、周囲の人から妙な視線を向けられていたのだという。同じ会社に務める者、同じアパートに住んでいる者、道ですれ違う者、コンビニの店員、など。皆一様に、ぐいと首を曲げ、不自然なほどジロジロと彼女を凝視するのだとか。
「……あんなことになるとは思わなかったので」
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#ホラー冒頭博覧会 参加作品
残業を終えてアパートに帰ってくると、玄関には女子高生の死体が転がっていた。
「めーしーくーわーせーろー」
最近よく俺の部屋に上がり込んでくる妹は、進路について親と喧嘩中で――
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#三題噺ワンドロ 参加作品 / お題:「空欄」「花火」「死体」
人生には三回、モテ期があるのだと誰かが言った。本当にやめてほしいと思う。結婚するまで私にしかモテたことがないと言っていた夫が、この先あと二回もモテるチャンスを残しているだなんて、私は思いたくないのである。
#匿名短文プチ企画 ~無精髭のぶっきらぼうオッサン編~ 参加作品
「――君、ドラゴンの騎士みたいで超かっこいいね。友だちになってよ」
転校生のホムラくんが、私にとんでもないことを言ってきたのは、放課後の教室でのことだった。
私のお父さんは地球人。お母さんは惑星ルブリコからやってきた爬虫類系有機人類ってやつで、遺伝子調整をして私を生んだらしい。だから、私の肌は緑がかっているし、ところどころに鱗がある。体温も低いし、尻尾だって生えてるのだ。普通の人は、気味悪がって近づいてこない。そんな私をみんなは遠巻きにするけれど、ホムラくんはむしろ目をキラキラさせて私に話しかけてくるのだ。発言はだいぶファンタジックだけど。
そんな風にして、ホムラくんと手を繋いで、放課後の冒険をすることになって。一緒にいるうちに、私は気がついてしまった。
――どうしよう。恋しちゃった。
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匿名企画!環月紅人を倒せ杯【お題:応援したくなるヒロイン】 参加作品
――赤城ショウタを、欲情させなければならない。
アンドロメダ銀河帝国からの銀河侵略。それに対抗するため、地球にはアマノガワ銀河の各地より五体の護星獣が集まった。そして、選ばれた五名の護星戦士に、この銀河の命運は託されていたのだが。
『帝国の新兵器に打ち勝つためには、五つの護星獣が合体し、護星獣王となる必要がある。それを動かすために絶対に必要になるのが性欲――ショウタのリビドーなのだ』
しかし、赤城ショウタはまだ十一歳。リビドーを抱くか抱かないか、大変微妙なお年頃だ。四人の戦士が奮闘するも、一向に開花する様子を見せないショウタ。彼が性欲を抱かなければ、銀河が滅んでしまうのだが。
絶体絶命のピンチ。果たしてアマノガワ銀河の命運は――
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#匿名短文開花ショタ企画 参加作品
――人類なんて地球のゴミは、滅んだほうがいいな。
朝霧千里がそんな物騒な考えを持ち始めたのは、まだ中学生の頃だった。
きっかけは、実母に代わって彼を育ててくれた子守用ロボットが、ロボット排斥派の暴動に巻き込まれて破壊されてしまったこと。しかも奴らの罪状はあくまで器物損壊でしかなく、腹わたが煮えくり返るような思いで判決を聞かされたのだ。
彼の手元に残ったのは、壊されてしまった「母さん」のコアチップだけだ。それから時は流れて大学生になった千里は、ひょんなことから鬼道月音という女の子と仲良くなる。
彼女は学内でも有名人。身体の左半分が人工義体で、半分ロボットのような外見をしている。周囲からは「ピカソ」などと呼ばれ遠巻きにされているのだが――
第二十回 #書き出し祭り 参加作品