負けない神社 嚴島神社桜井水神宮が鎮座するのは、千葉県木更津市桜井地区(旧上総國桜井村)
この地域は、海岸が埋め立てられる昭和40年代まで漁業が盛んで、大漁と海の安全、水害除け等を祈願したといわれており、古く から「水神さま」の愛称で人々より信仰を集めてきた。
(絵画は、昭和30代の桜井からの出漁風景(泉水惣二氏画))
昭和11年頃の桜井地区の様子。最上部に神社の表記がある。(松井天山画)
慶応元年(1865年)桜井村大火により焼失
藩主林忠旭公の援助により再建
明治10年(1877年)桜井村火事
明治22年(1897年)桜井村火事
いずれの火事でも延焼せず火を止めた伝承
令和元年(2019年)東日本台風により損傷を受ける
令和3年(2021年)10月 守る会を結成
令和4年(2022年)4月 危険回避のため社殿を解体
令和7年(2025年)5月 新社殿完成
令和7年(2025年)9月 広島嚴島神社から御分霊を拝戴
令和7年(2025年)10月 竣工式を挙行
(資金不足により玉垣設置は未着手)
市杵島姫命(いちきしまひめ)は、アマテラスとスサノオが、誓約(うけい)の際に、アマテラスがスサノオの剣を3つに折り、天の眞名井という泉で噛んですすぎ、その剣を噛んで吹き出した霧から生まれた、三女神の一神といわれています。
タギツヒメ(多岐津姫命(たぎつひめのみこと))・タキリビメ(多紀理姫命(たぎりひめのみこと))と合わせて宗像三女神といいます。
後に仏教の「弁財天」と神仏習合し、弁天さまとも呼ばれるようになりました。
絶世の美女とされ、商売繁盛、芸能、金運、勝負、豊漁、交通安全、五穀豊穣、海の神として信仰されています。
1 小脇板(こわきいた)
右:昇竜(のぼりりゅう/しょうりゅう) (幅327㎜、高さ1360㎜、厚110㎜)
左:降竜(くだりりゅう/こうりゅう)
小脇板は扉の脇の壁面部分です。無地のままの例もありますし、当神社のよ うに彫刻をはめ込む例もあります。 この位置の彫刻の題材として、昇竜・降竜は好まれるモチーフです。西上総 では寺社の内部の厨子などに江戸時代中期頃からみられ、神社の本殿や山車屋 台などには江戸時代後期頃から昭和初期頃まで多く付けられます。 この部分の彫刻は、通常は柱の内側に収まる大きさです。当神社の彫刻は一 回り大きく、そのために竜の迫力や、社殿の華やかさも増して見えます。地元 では、屋台彫刻の転用との口伝があるそうですが、大きさからみても、別の社 殿や屋台からの転用と考えて良さそうです。 当神社の竜には作者が記されていませんでしたが、流派では江戸の後藤系の 特徴に近い様子で、バランスよく彫られた、存在感のある優品です。
引用:桜井厳島神社の社殿彫刻について 2022.5.25 布施慶子氏(君津市立久留里城址資料館) 2021.12.15・2022.4.11(解体時)に現地見学
2 向拝(ごはい/こうはい)の彫刻
中備(なかぞなえ):竜
木鼻(きばな):振り向きの獅子 一対
※右側獅子に銘あり(日本ばし■■三丁■ 後藤善 四■)
向拝は、社殿から前面に飛び出している部分(庇とその下)を指します。柱を つなぐ横木を虹梁(こうりょう)と呼び、虹梁から左右に飛び出した部分を木鼻 といいます。虹梁の上の空間を支えるのが中備で、当神社では横長の竜が配置さ れています。 木鼻の獅子の銘「後藤善 四■」から、この3点の作者が後藤系の彫工だったこ とが分かります。 中備の竜と振り向きの獅子は、江戸末期以降には基本的な組み合わせで、当神 社の彫刻はこうしたベーシックなモチーフの優品です。小脇板とは異なり、向拝 にあつらえて作られたと考えられます。
3 作者について 向拝彫刻については「後藤善 四■」の名が出てきましたが、「日本橋」「三丁■」に住む「後藤善 四■」に該当する彫工は見つかっていません。ただ、後藤の姓を名乗り※1、竜・獅子ともに、後藤三治郎恒俊のデザインに近い構図※2が見られ るので、「善 四■」も江戸の後藤の流れの中で、三治郎に近い彫工と思われます。 昇竜・降竜については、作者の名は分かりませんでした。向拝彫刻とは別の時 期に作られた可能性と、作者も異なる可能性がありますが、どちらも江戸の後藤 系統の彫刻に近い構図や特徴に思われます。 また、脇障子の鯉の滝登りは、全体が不明瞭ではありますが、一定の技術を持 った彫工の作品です。
※1 江戸の後藤派は、江戸時代中期以降の代表的な彫刻の流派で、歴代将軍の霊廟彫 刻の修理や新築なども務めてきました。
※2 後藤三治郎は日本橋通り四丁目に住み、万延元年(1860)に亡くなった人物です。 房総には滝の不動尊(富津市田原)や佐貫の屋台に作品があるほか、君津や館山にも作 例があります。また、銘はないものの吾妻神社(富津市岩瀬)の彫刻も、三治郎のもの と思われます。振り向きの獅子では、清光寺(品川区)のものが近い構図です。
引用:桜井厳島神社の社殿彫刻について 2022.5.25 布施慶子氏(君津市立久留里城址資料館) 2021.12.15・2022.4.11(解体時)に現地見学
当神社代表役員と宮司とのご縁で、
2025年(令和7年)9月26日(日)に、
世界遺産の広島県宮島嚴島神社からお御霊(みたま)を分けていただきました。(神鏡拝戴)
10月7日(火)18時に遷座祭(御霊入れ式)を開催いたしました。
10月15日(水)15時に竣工式を開催いたしました,
世界遺産のご分霊「上総國の嚴島神社」「負けない神社」として、末永くご利益を賜ります。