負けない神社

幕末

林忠崇──義を尽くし困難を生き抜く

わずか二十歳で家督を継いだ第三代藩主・林忠崇公。戊辰戦争で徳川家への忠義を貫き出陣。「領民に迷惑がかからぬように」と自ら脱藩します。最後には名誉も家禄もすべて捨てて、自ら田畑を耕す道を選びました。91歳の時に詠んだ句「琴となり 下駄となるのも 桐の運」には、逆らうことはできない運命の中でも、人生を懸命に生き抜いてきた、「最後の大名」忠崇公の強いメッセージが込められてます。 

明治時代

炎の伝承──村人と水神の奇跡

桜井の地を大火が二度襲いました。火事の夜、村人たちは「せめて神社だけは」と身を挺して水をかけ続けました。火の手が迫る中、風向きが変わり、神社だけが焼失を免れた──この「炎の伝承」は、今も語り継がれています。

多くの方々の温かいご支援により、新社殿が完成いたしました。美しい銅板葺き屋根が青空に映え、境内には静かな祈りの空気が戻ってきました。

これは終わりではありません。新たな始まりです。ここからまた、何世代にもわたる「負けない」物語が紡がれていきます。