2025年2月28日、日本大学理工学部駿河台キャンパス タワースコラにて、「自動音声応答サービス 1day アイディアソン」が開催された。本イベントは、日本大学理工学部精密機械工学科 松田・粟飯原研究室の粟飯原萌が主催し、電話自動応答サービスを開発する株式会社電話放送局の共催により実現した。AI技術が急速に進化し、社会の多様な領域に影響を及ぼす中、本イベントは、次世代を担う学生たちが自らの創造性を存分に活かし、新たな音声サービスの可能性を探ることを目的としていた。
イベントの概要と趣旨
本アイディアソンは、株式会社電話放送局の電話自動応答サービス(IVR)の可能性を探求し、チームごとに創造的なアイデアを発想することを目的としていた。参加者は、システム化の体験を行い、IVRのビジュアルプログラミング形式の開発環境を活用しながら、直感的にシステムを構築し、利用者視点に立った実用的なサービスの創出に挑戦した。学生たちは、発想力と協働作業のスキルを駆使し、短期間で社会課題を解決する革新的なアイデアを生み出すことが求められた。
本イベントには、IT分野への就職を志向する学生や、AIシステムの設計に関心を持つ学生が参加し、実践的な学びの場として大いに活用された。参加者は、日本大学理工学部、生産工学部、文理学部から計13名が集まり、その内訳は以下の通りである。
理工学部 精密機械工学科 9名、応用情報工学科 1名
生産工学部 2名
文理学部 2名
学年別 1年: 4名、2年: 3名、3年: 4名、M1: 1名、海外インターンシップ生: 1名(通訳教員 1名)
イベントの構成と進行
本アイディアソンは、以下のタイムテーブルで進行された。
9:30 受付開始
10:00-12:00 開会式・講義(株式会社電話放送局、粟飯原 萌)
電話自動応答システムの基本構造と応用事例についてのレクチャー
ビジュアルプログラミング環境の操作方法の説明
12:00-13:00 昼食・交流
13:00-14:00 アイディア創出ワークショップ(635法の実践)
14:00-15:30 グループごとのアイデア精査・システム設計
15:30-16:30 成果発表会(デモンストレーション形式)
16:30- 閉会式
開催時の告知チラシ
アイディアソンにおいて、以下のアイディアが誕生した。各チームのサービス名と内容を紹介する
チーム1 詐欺対策の自動音声応答サービス
不審な電話に対し、登録者本人以外が口座情報を求めた場合、即座に警告を発する仕組みを実装
チーム2 フードロス削減を目的とした音声注文サービス
飲食店の余剰食材情報を即時配信し、利用者が音声指示で注文できるシステム
チーム3 高齢者向け観光ガイダンスホットライン
現在地を音声で申告することで、目的地への最適ルートを案内する音声サービス
チーム4 脳トレクイズ搭載の見守り音声応答システム
独居高齢者向けに、毎日のクイズ機能を搭載した音声サービスを提供し、認知機能維持を支援をする
チーム1 The Best Safe Living Award
詐欺対策としての実用性と、家族単位でのセキュリティ向上に貢献する点が評価された
チーム2 The Best Food Sustainability Award
観光産業の発展と社会的弱者支援を両立する点で、社会実装の可能性が高いと評価された
チーム3 The Best Smart Navigation Award
フードロス削減に貢献する環境配慮型のビジネスモデルとして高く評価された
チーム4 The Best Brain Boost Award
高齢者の社会参加を促す要素が強く、認知症予防との親和性が評価された
本イベントが成功した要因の一つとして、短時間でアイディアを創出するための適切な手法が導入した点が挙げられる。特に、635法の活用により、各参加者のアイデアが段階的に洗練され順番が進むごとに深化が促されたことは、成果の質を高める要因となった。また、参加した学生にとってIT技術と社会的課題の接点を探る機会となり、異なる学年および異なる専門性を持つ学生同士が知見を共有し、新たな視点を取り入れることができた点も大きな成果である。加えて、株式会社電話放送局様との協働により、学生に対して技術の社会実装に関する具体的な視点を提供する貴重な機会となった。
一方で、今後の課題として、参加者のスキルレベルに応じたチーム編成の最適化が求められる。また、初めて635法を実施する参加者に対して、事前に研修を行うことで、よりスムーズなアイデア出しのプロセスが実現できると考えられる。今後のイベントに向けては、こうした課題に対応しながら、より充実した学びの機会を提供していくことが期待される 。
本アイディアソンは、音声自動応答サービス(IVR)という特定領域に焦点を当てながら、実践的なアイディア創出を促進する貴重な機会となった。発想から実装に至るまでの一連の流れを短期間で経験することで、学生たちは現実世界での技術適用の難しさと可能性を体感した。今後も、このような産学連携イベントを通じて、技術と社会をつなぐ創造的な人材育成に努めていくことが期待される。
最後に、本イベントの開催にあたり、多大なるご支援を賜りました株式会社電話放送局の森社長に深く感謝申し上げます。当日のシステム講習およびワークの実施に際し、学生へ貴重なご助言をいただきました三見様、木村様にも厚く御礼申し上げます。さらに、本イベントの開催と円滑な運営にご尽力いただきましたNUBICの渡辺様、当日の運営にご協力いただきました青山学院大学の高澤先生、日本大学理工学部の大塚先生、生産工学部の古市先生に深く感謝申し上げます。
自動音声応答サービス1dayアイディアソン
日程 : 2025/2/28金曜日
時間 : 10:00〜18:00
午前)システムの使い方の説明
午後)グループ形式アイディアソン
場 所 : 日本大学理工学部駿河台キャンパス タワースコラ
募集人数 : 30人限定 (交通費・お昼支給)
参加対象者 :日本大学の学生 学年不問
将来IT企業や職種への就職を考えている学生、AIシステムに興味のある学生、業界調査をしている学生
チームで開発いただき,最後にはチームに賞を授与する予定です。
履歴書の充実度を上げるための参加も歓迎です!
注意 就職イベントではありません
電話自動応答サービスを開発している株式会社電話放送局の協力を得て、特別にシステムを体験できるイベント開催することとなりました。このシステムはビジュアルプログラミング形式で、プログラミング初心者でも直感的に操作が可能なプログラム手法です。
当日は、イベント運営者が提示するテーマに基づき、システムを活用した新しいアイデアをチームで考え、形にしていただきます。限られた時間の中で発想力やチームワークを駆使し、ユニークな解決策を提案してください。皆さんの参加をお待ちしております。(主催 粟飯原)
自動音声応答サービスとは
自動音声応答装置(Interactive Voice Response)は、電話応答と音声による情報の入出力や対話を、コンピュータにて行う装置のことです。以下のリンクからデモシステムを体験することができます。
https://www.dhk-net.co.jp/demo/
登録の際は、その他を選択して、「日大アイデアソンのため」と入力してください。
自動音声応答サービスワンデーアイディアソンの事前説明会を開催します。Zoomにて各30分ほどで開催概要や質問を受付ます。
その他メールでも質問を受け付けます。aibara.megumi[a]nihon-u.ac.jpまでお送りください。
1月29日の説明会動画はこちらのリンクからご覧いただけます
イベント参加規約・秘密保持契約について
参加登録フォームへの入力をもってして、下記の「イベント参加規約」「秘密保持契約」を承諾したと見なします。
厳しい文面が多々ございますが、本イベントの活性化を目的とし,主催者および共催者と参加者同士におけるアイデアの盗用などのトラブル防止のため、ご理解いただけますと幸いです。
抜粋
お互いにリスペクトすること,ルールは守ること
写真や動画の撮影はお互いに許諾を取ること
株式会社電波放送局様のシステムアイディアは盗まないこと,参加者のアイディアは参加者のもの
イベント終了後主催者が速やかに本イベントについて本サイトで報告を行います
お申込について
本イベントの参加登録いただく際、必ず大学のメールアドレスをご登録ください。ご本人様と直接連絡がつかない場合は、緊急の連絡ができないことがございますので、最新の情報を正確にご登録をお願い致します。
個人情報の取り扱いについて
本イベントは、日本大学の規則に則り、お客様の個人情報保護に努めます。
またイベント中に主催者・共催者および実行委員が撮影した「写真および動画,成果物」は,開催報告や研究報告のために個人情報はわからないようにして公開・利用いたします。
参加費用およびキャンセルについて
参加費用は無料です。参加をキャンセルする場合は速やかに主催者までご連絡ください。ペナルティーなどはございませんが、人数を制限しているイベントのため、他の参加希望者様の機会損失になることをふまえ配慮いただければ幸いです。
ご参加上の注意
イベント時の写真撮影・録画・録音・SNS投稿は、被写体の許可を取ってください。
イベント会場内にて発生した盗難、ならびにご本人の不注意または心身障害等による事故、その他の物的事故等については、賠償の責を負いません。
イベント会場内で知り合った参加者同士による営業 勧誘 人材紹介 出資などの営利活動は固くお断りします。また、トラブル等があっても主催者および共催者は責を負いません。
イベント会場内にて、イベントに支障をきたす行為、他の参加者に迷惑をかけるような行為、または違法と判断する行為があった場合は、イベントご参加をお断りいたします。
会場となる日本大学理工学部駿河台キャンパスのルールに従ってください。
イベント終了後主催者が速やかに本イベントについて本サイトで報告を行います
以下は、イベント参加規約と秘密保持契約(NDA)の一般的な文面です。適宜カスタマイズしてご利用ください。
第1条(目的)
本規約は、「自動音声応答サービスワンデーアイディアソン」(以下「本イベント」といいます)への参加者が遵守すべき事項を定めたものです。
第2条(参加資格)
本イベントの参加資格は、運営者が指定する条件を満たす者とします。
第3条(禁止事項)
参加者は、本イベントにおいて以下の行為を行ってはなりません。
他の参加者や運営者に対する誹謗中傷、迷惑行為。
著作権、商標権、その他の知的財産権を侵害する行為。
イベントの目的に反する行為や不正行為。
運営者が不適切と判断するその他の行為。
第4条(知的財産権)
本イベント内で参加者が作成した成果物の知的財産権は、原則として参加者に帰属します。
ただし、運営者が提供するツールや素材を利用して作成した成果物については、運営者と別途取り決めを行う場合があります。
第5条(責任の制限)
運営者は、参加者が本イベント中に被った損害について、故意または重大な過失がない限り責任を負いません。
本イベントに関連して生じた紛争について、運営者は一切の責任を負いません。
第6条(個人情報の取り扱い)
運営者は、参加者から提供された個人情報を、本イベント運営の目的にのみ使用し、法令に基づき適切に管理します。
第7条(規約の変更)
運営者は、本規約を必要に応じて変更することができます。変更後の規約は、本イベント公式サイトまたは通知により告知されます。
第1条(目的)
本契約は、[イベント名](以下「本イベント」といいます)に関連して開示される情報の秘密保持について定めるものです。
第2条(秘密情報)
秘密情報とは、以下に該当する情報を指します。
本イベント内で提供される技術、アイデア、プラン、データ、その他非公開情報。
開示時に秘密である旨が明示された情報。
第3条(義務)
参加者は、以下の義務を負います。
秘密情報を本イベントの目的以外に使用しないこと。
秘密情報を第三者に開示または漏洩しないこと。
秘密情報を適切に管理し、不正使用や漏洩を防ぐこと。
第4条(除外事項)
以下の情報は秘密情報から除外されます。
開示時に公知の情報。
参加者が正当な手段で既に知っていた情報。
第三者から正当に取得した情報。
本イベント終了後に公知となった情報。
第5条(期間)
秘密保持義務は、本イベント終了後も半年間継続します。
第6条(違反時の対応)
参加者が本契約に違反した場合、運営者は法的措置を取ることができ、必要に応じて損害賠償を請求する権利を有します。
第7条(準拠法と管轄)
本契約に関する紛争は、日本法を準拠法とし、[管轄裁判所]を専属管轄裁判所とします。
会場 日本大学理工学部駿河台キャンパス