このアプリには単純なゲームとしての面白さと、水中でのインターフェースという研究的面白さがあります。
このアプリは魚の掴み取りを体験できます。
携帯を水に沈めると画面上に泡が表示されます。この泡は携帯が水中に入れられたユーザに知らせます。また、ゲームの雰囲気をより深めます。
携帯を水に沈めてじっと待つと魚が現れ、携帯がバイブレーションします。これは視覚情報がないため、より集中する必要があります。より集中し、ゲームを楽しんでもらうことを期待しています。
魚を捕まえるとより強くバイブレーションします。強いバイブレーションは実際に魚を捕まえている状況を再現し、ユーザに楽しさを提供します。
捕まえた魚はSNSから共有できます。本アプリには多くのユニークな魚が存在します。その中には携帯をより深く沈めなければ捕まえられない魚もいます。SNSに投稿すると世界へ発信できると共に、過去捕まえた魚を記録することもできます。
このアプリは携帯に搭載された気圧センサを使用して、どれだけ水に沈められたか、どのように握られたかを推定できます。
携帯を水に沈めると、水圧の影響で携帯に搭載された気圧センサの値は上昇します。また、1cmあたり1hPa上昇する事から水圧の影響を受けているとわかります。
携帯の画面中央を強く押すと、気圧は押した時上昇し離した時減少します。これはおそらく携帯が物理的に歪むため発生していると思われます。携帯の側面を握った時は携帯が膨らみ、押した時と反対の変化をすると思われます。
これらの推定を気圧センサのみで行っています。携帯のタッチパネルが静電容量方式の場合、水中では操作できませんが、本アプリでは押したり握ったりすることで操作ができる新しいインターフェースとして使えます。
本アプリはGooglePlayStoreにて公開されています.
気圧センサの搭載されたAndroid端末があれば,誰でも遊べます.
今回のアプリの中で主軸となるのは「携帯を水に沈めるとその深さがわかる」という点と「携帯を握るとどのように握ったかわかる」という点です。これらは気圧の値から推定しています。
気圧で推定できる可能性に気づくには元々携帯に気圧センサが搭載されていて、その値を取り扱えると知っている必要があります。そして私は幸運にもそれを知っていました。
また、迅速に実験できる環境もありました。今回のアイデアでは水と水を入れる容器と気圧センサの搭載された携帯とPCがあれば実験できます。今回はそこまで大掛かりな人や物が必要ではありませんでしたが、何か一つでも欠けていたらこのアイデアは捨てられていました。
携帯を水に沈める、というアイデアだけではアプリとして完成していません。これを一つのアプリとする必要がありました。当初は携帯を釣り竿につけて水深と水温がわかるアプリという方向性でしたが、携帯を水に沈めるメリットが薄く面白さもありませんでした。
そこで私は多くの人に相談しました。システム開発をする先輩や先生を始め、ITに詳しくない家族や友人にも相談しました。ここで、多方面の視点から意見をもらい今の魚の掴み取りアプリがあります。
例えば、先生からはお風呂に沈めると魚がARで表示されるというアイデアはお風呂でカメラを起動する不安があると指摘され、家族からはお風呂で遊ぶなら綺麗な魚が良いと意見をもらいました。
本アプリは学生スマホアプリケーションコンテストに出すために、締め切りまでにはアプリを作りきる必要がありました。また、最終日までにデモビデオと発表資料を作る必要もありました。
私は発表時にはGooglePlayStoreで公開するという目標を立て、実装する機能と実装しない機能を分けていきました。また、簡単な実装で評価を上げられる機能も提案しました。例えばSNS連携は単純な機能かつアプリの完成度を大きく上げられます。
結果、発表時にアプリを公開でき、アプリの完成度も最大限上げられました。