網漁具は大きなもので長さ数千メートルにもなりますが,水中は可視光が減衰することから,操業中の網漁具全体の形状や動態を動画などで光学的に観察することは不可能です。そこで,網漁具の形状や運動を数値的に解くことで可視化する網漁具形状シミュレーションシステム (NaLA ; Net geometry and Loading Analysis system) を開発し,様々な網漁具の操業中における形状や動きの解明を行っています。
水産養殖業では養殖生簀内の養魚の成長度合いによって出荷時期や与えるエサの量を調整して養魚を管理しています。そのため,養殖生簀内にどの程度の大きさの個体が何尾いるのかをモニタリングすることは非常に重要です。高木研究室では,より効率良く養殖魚管理を行うことを目的とし,画像計測を用いた生簀内の養魚の尾数カウントに関する研究を行っています。
魚たちはどのくらいの速度で移動することができるのか?何故そのような行動をとる必要があるのか?魚介類を保全管理しながら漁獲するためには,こうした基本的なことについても理解しておく必要があります。鯨類・魚類・マナマコなど水生動物の行動の発現やメカニズムについて,バイオメカニクス研究など物理的側面からアプローチします。また特殊な実験装置や計測器を使用してこれまで取得することが難しかった情報を把握・理解し,漁獲に適した行動制御の実現など,生産技術に活用するための研究を行っています。
赤潮は,養殖漁業等で魚類の大量斃死を招き,多大な漁業被害を与えています。そのため,赤潮の拡大を予測し,被害を軽減することは非常に重要なことです。今日、新しい試みとして航空機からの赤潮モニタリングシステムが検討されています。高木研究室では深層学習とスペクトル(波長)データを組み合わせ、画像から赤潮を識別することで、被害軽減に向けた研究を行っています。