※このページには、バラ栽培に使用した培養土、堆肥、肥料、薬剤等を記載します。
(下記の青字部分)
注:これらの物を推奨する意図は無く、あくまでも事例紹介とします。
*植栽場所の土壌について
上層は30cmは”真砂土”に堆積物や土壌改良剤が混在し、踏み固められて排水性が非常に悪い粘土質でした。
下層30cmは”真砂土”。その下は拳大の砕石層。PHは6〜6.4の弱酸性でした。
バラの栽培にあまり望ましい土壌ではなく、直径60cm*深さ60cmの範囲の土壌改良(入替)を行いました。
*土壌改良に使用した資材と配合率(%)
上層30cm
・バラ用培養土 90%(苗木鉢の培養土を含む)
・馬糞堆肥 10%(マルチングに使用)
下層30cm・・・目的は有機質の付加及び、保水性と排水性の改善。
・完熟腐葉土 40%
・赤玉土 中粒 30%
・軽石 小粒 10%
・元々の土壌(真砂土)20%
*肥料:
・バラの肥料(顆粒)有機、化成
・葉ばかす(発酵油かす)有機
・牛糞堆肥 有機
微生物の減少による土壌劣化を避けるため有機肥料を主体とし、開花シーズンに入る前のみ化成肥料を使用しました。
校外学習で訪問した東近江市「菜の花エコプロジェクト」の「葉ばかす」も寒肥として使用しています。(詳細はリンク集にて)
*薬剤
1.殺菌剤:サルバトーレME(3)、トップジンM(1)、オーソサイド水和剤80(M04)
注:( )内はFRACコード
黒星病の原因は糸状菌というカビの一種なので高温多湿時に繁殖します。
予防のため3月〜11月の間に概ね月1回ペースで定期散布しています。
尚、同じ作用機構の薬品を繰り返し使うと耐性ができてしまうため、FRACコードが異なる2〜3種の薬剤をローテーションすることが推奨されています。
2.殺虫剤
・葉を食べる虫(発生頻度多)〜芋虫、毛虫類:モスピラン、べニカXガード粒剤、べニカXファインスプレー
特殊品を除き殺虫剤と殺菌剤は混合して散布できるので、殺菌剤と同時に定期散布しています。
殺菌+殺虫機能のある顆粒タイプもあります。
少量散布時はスプレータイプを使用。
・根を食べる虫〜コガネムシの幼虫(発生頻度多):オルトランDX顆粒、ダイアジノン粒剤
コガネムシは7月〜9月に地中に産卵し、孵化した幼虫は植物の根を食べて成長します。
顆粒の専用殺虫剤を適時土壌に散布します。
・葉の汁を吸う虫〜ハダニ(発生頻度中):未使用
主に高温乾燥の時期に発生し、葉の汁を吸い植物を弱らせます。専用薬剤を散布します。
・枝の内部を食べる虫〜カミキリムシ、テッポウムシ(発生頻度少):未使用
地表近くの太い枝に穴を開けて産卵し、孵化した幼虫が枝の中を食べてしまうため、発見が遅いとその枝は枯れてしまいます。
枝の根本にオガクズ状のフンがあれば幼虫がいるので、枝に開いた穴を見つけ、スプレーパイプ付きの殺虫剤で対処します。
3.展着剤:マクピカ、アビオンE
散布した薬剤の展着を維持する効果があります。
マクピカは、シリコン系で濡れ性(湿展性)に優れ、液が均一に広がりやすい。
アビオンEは、パラフィン系でパラフィン皮膜が雨を弾き、皮膜内の薬剤の流出を低減する。
以上の特性より、散布後に降雨が予想される場合は主にアビオンEを使用しています。