外宇宙から正体不明の生物が地球上で増殖を始めた際に、日本国内でその駆除に乗り出したうちの一人。
「魔法使いと吸血鬼」の時代よりも1000年ほど昔を生きた魔術師であり、陰陽師。辻丸という男を従者と共に各地を放浪していた。京では有名な貴族でもある。
また、香夜の先祖。
突如として飛来した、宇宙から来た生命体を「終末の星」と名付け、魔法使いである螺旋遼遠の援助を受けながら、日本各地の終末の星駆除に尽力した。その後東アジアから海を渡って、同じように「終末の星」駆除に活躍していた魔術師と出会い、共に活動することを決める。
完全に駆逐する術を探るべく、シルクロードを経由しながら大陸を横断。やがてヨーロッパへと行きつき、多文化を吸収して作り出した大魔術を発明。これを用いて地球上から終末の星の99%を駆除することに成功する。最後の一個体はグレート・ブリテン島の地下奥深くに潜り込み、人に見つかることなく繁殖を続けた超大型個体で、旅の過程で得た人脈や、その土地の魔術師たちの力を借りて、数年かけ討伐に成功した。
不思議なことに、超大型個体のいた場所――つまりは増殖で地盤を圧迫し、あいてしまった大穴は魔術的に特殊な力場を発生させており、地上(地球)とはまるで違う環境ができあがっていた。
九条香示をはじめとする終末の星を駆除した者たちは、「またいずれ到来するであろう外からの厄災」に備えて、その大空洞を拠点として、イギリス魔導院を設立した。
【大魔術「疑似・新世界創生」を生み出した男】
人体にどんな影響を及ぼすか未知数であったため、終末の星を解剖したり、中身を研究するのは禁忌とされていたが、独断で極秘裏に研究を行い、奇跡を誕生させた。
1000年にわたり、(その間も秘匿されながら)子孫たちに継承されていくことになる。
なお、終末の星の駆除に使われた魔術はまた別に存在する。
筋力・★★★★☆ 魔力・★★★★☆ 魔力出力・★★★★★ 耐久・★★★☆☆ 特殊・★★★★★
総合評価・★★★★☆
飽き性で、京での貴族としての生活にもかなりウンザリしていた。燃え尽き症候群らしかったが、大陸を横断する旅に出てからは新しいものをどんどんと吸収し、成長していった。(当時12歳)
どんな文化にも寛大で自分も体験しながら旅をする。(そのたびに辻丸に止められつつ)唯一苦手としたのは生け贄を用いた儀式くらい。
終末の星が確認された年は、日本各地を放浪しながら陰陽師としての研鑽を重ねていた。
疑似・新世界創世と同種の大魔術。
亜空間に自身の世界を創り出すというもの。そこではあらゆる法則が通用せず、術者の本質や理想を具現化する。
魔術の特性上、発動には莫大な魔力が要求される。
他の魔術とは違い、旧血種にルーツを持たない特殊な超常。
現代において多くの魔術師が使用する基礎的な結界のプロトタイプ。日本の「神道」の文化などの解釈を様々な国を渡り歩く中で深めた結果誕生したもの。
日本にはもとより結界を張るという文化があったが効果が限定的であったため応用を施した。
数百名の魔力を術士を中心に集結させ解き放つ大魔術。
夜空に浮かぶ小惑星の一つを地球に堕とし、大気中のエーテルを共鳴状態にさせ、地球全土の「終末の星」の居場所を特定。そのまま有害化させたエーテルで殺すというもの。
かなりの下準備が必要なうえ、「千里眼」を持つ人間、「占星術」に長けた人間、「五大元素」それぞれの魔術師、「神々に関わる血脈」の人間、「かつて地球に墜ちたとされる隕石」等々、人脈に長けていなければ成立はしない魔術だった。