ジダーノワ ・アリーナ が主催したLSA後援イベント『第2回 オンライン芸術鑑賞とアーカイブ:配信と発展』(2020年9月27日 14:00~16:00)の開催報告が届きましたので掲載いたします。
【概要】
緊急事態宣言は解除されたものの、展覧会やイベントなど、さまざまな発表と鑑賞の場に制限がかかっている状況はかわりません。ですが芸術家が現状に甘んじるのではなく、逆に得られるものはないかと思い、勉強会を企画しました。芸術作品のアーカイブの重要性、ツールや方法、見せ方について、次の時代への作品制作や発表に役立てるために、参加者と実際にオンラインでの鑑賞し、議論を行います。
第1回目(6/20 開催)では、Zoomを通じて様々なオンライン配信の芸術を鑑賞しましたが、第2回では、オンラインでの配信を鑑賞し、展覧会で使われている技術や内容がどのように発展できるか、参加者同士のディスカッションを行います。
【報告事項】
9月27日(日)に「第2回 オンライン芸術鑑賞とアーカイブ:配信と発展」をオンラインで開催しました。
京都市立芸術大学と立命館大学の学生が参加し、主催者を含めて計5名で勉強会を行いました。まずは参加者がそれぞれ気になっている技術や、展覧会を紹介してもらい、実際に無料で提供されているオンライン展覧会を簡単に鑑賞し、その後議論に発展していきました。
参加者が最初に紹介してもらったキーワードから、下記のような議題がでてきました。
・VRをひとつの技術としてではなく概念として考えるとどうなるのか。
・オンライン上は視覚要素にのみ囚われてしまうが、それ以外のアプローチ方法はないか。
・オンラインで展覧会を行うことはアーカイブとしての要素がでてくるのではないか。
・オンライン展覧会は他に似たような形式があふれてきているので見慣れてしまい、あえて見ようとは思わなくなってしまうことへの危機感、さらには軽薄な内容になり鑑賞者の思いやコンセプトにたどり着くことが困難になってしまうという危機感に対してどのようにアプローチしていくべきか。
また勉強会の終わりでは「オンライン」という形式に囚われずに行われる遠隔の展覧会についても触れ、2時間という短い時間の中でそれぞれの議題が発展し、参加者が持つ知識や既存の視点を共有が、他者にとっての新しい気付きとなり、アート鑑賞者と作品を作る側との視点を交えることができたように感じられました。
この企画で得た発見や知識をもとに、当企画の主催者であるジダーノワ アリーナがキュレーションを行うオンライン展覧会の開催(京都市内のギャラリーでも同時開催)を2021年3月に予定しています。
記:ジダーノワ・アリーナ(主催)