大会委員長挨拶

第43回京都学校教育相談研究大会委員長

京都市立横大路小学校長 谷知加子

第43回京都学校教育相談研究大会の開催にあたり,一言ご挨拶申し上げます。

  本研究大会は,昭和53年の第1回大会より子どもの健やかな育ちに向けた学校教育相談の研究の場として,多くのご支援をいただきながら開催を重ね,今年43回目を迎えます。Society5.0の時代が到来し,予測を遙かに超えるであろう未来社会を主体的に生きる子どもを育むために,学校教育も大きな転換期を迎えています。また,新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる「新しい生活様式」は,子どもの育ちに多大な影響を及ぼしています。

  このような時代において,子どもの心に寄り添い,人々とのつながりの中で成長を支えていく学校教育相談の果たすべき役割が重要であることは言うまでもありません。人工知能(AI)が人間の能力をはるかに超えようとも,人間らしい心の働き,心の発達,人間形成の礎を育む教育のあり方についてさまざまな視点から学ぶことこそが,未来社会を生きる子どもを育むために必要ではないでしょうか。そのような願いから,大会テーマを『次世代を担う人間形成の土台~心を多様な視点で見つめなおす~』といたしました。

  全体会では,京都大学大学院教授の明和政子先生に,「ヒトの育ちを科学の視点で理解する~ポストコロナ社会に生きる次世代の育ちを考える~」というテーマで,脳科学の視点から心の成長についてお話いただきます。

  尚,今年度の大会につきましても感染症対策を徹底するために,オンラインにて開催することにいたしました。多くの皆様にご参加いただき,実りある大会となりますよう,どうぞよろしくお願いいたします。