学長選考ルールの大幅な変更および&任期上限の撤廃について

4月1日より,学長の任期のルールが大きく変更されましたことについて,皆様からのご意見を踏まえ,組合より大学担当部署に問い合わせとしておりました。

以下に参考資料「新たな学長候補者の推薦方法の検討結果について」と5月8日付で頂いた回答を掲載いたします。

「新たな学長候補者の推薦方法の検討結果について 」(機密性2/本学教職員限り)

教職員専用サイトに掲載されている内容を各自でご確認下さい。

1.教職員専用サイトにログイン

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3.「教育研究評議会」をクリック

4.「2019/12/12第180回教育研究評議会/Education and Research Council」をクリック

5.会議資料「第180回教育研究評議会」(pdfファイル)をダウンロードまたは開く

6.2-3ページに記載されています。

総務部総務課よりの回答

令和2年5月8日

総務部総務課

「学長選考ルール変更に関する担当部署への質問」への回答について

新たな学長候補者の選考方法や学長の任期については、平成27年10月以降、学長選考会議において、議論が重ねられてきました。

その検討の背景にあるのは、大きく分けて、(1)平成27年(2015)4月1日に施行された改正国立大学法人法の施行通知にあるとおり、学長選考会議が主体的な学長選考を行うべきであるという国の要請と、(2)昨今の大学を取り巻く極めて厳しい環境下で学長に求められる責務の大きさを踏まえ、適切にリーダーシップを発揮できる任期の設定という2つの観点でした。

学長選考会議では、上述の観点を踏まえて検討し、かつ、学内の意見を十分に取り入れることができるよう配慮し、今回の新たな学長候補者の選考方法等となった次第です。

以下、ご質問に回答いたします。


(1)学長選考会議の学長選考要項によると,学長候補者は,(ア)教育研究評議会が定める手続により推薦した者,(イ)経営協議会の学外委員が推薦した者,のいずれかであり,(ア)は一般にいうところの意向調査(=「情報技術を活用した方法」により実施する学長候補者に対する「意見聴取」,以下,単に「意見聴取」とします)の投票結果である,という理解で宜しかったでしょうか。

【回答】

学長候補者の推薦は、学長選考要項第5条にあるとおり、教育研究評議会及び経営協議会の学外委員が行うこととなりますが、同条には、教育研究評議会の推薦は、教育研究評議会が定める手続によることを併せて規定しています。

これを受け、教育研究評議会は、学長候補者の選考方法検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置して検討を行い、学長候補者の推薦に当たり、常勤の教職員に対して、意見聴取を行うこととしました。この意見聴取の結果の取扱いについては、検討委員会の検討結果の報告がなされた令和元年12月開催の教育研究評議会において、意見聴取の結果を尊重し、学長選考会議へ推薦を行う候補者を決定することが確認されています。


(2)上記(イ)の者は,教育研究評議会が行う「意見聴取」の対象者になるとは限らないという理解で宜しかったでしょうか。また,上記(イ)の者が「意見聴取」の対象になるかならないかの判断は上記(イ)の者が主体的に判断できるということでしょうか。つまり,経営評議会の学外委員が推薦すれば、「意見聴取」の結果如何に依らず,学長になることができる可能性があるということでしょうか。だとすれば,「意見聴取」の結果が学長選考に生かされないよう見えますが、「意見聴取」は一体何のためにするのでしょうか。

【回答】

経営協議会の学外委員が推薦した者については意見聴取の対象とはなりません。(ア)と(イ)からの推薦を踏まえ、最終的な学長予定者は学長選考会議が決定します。意見聴取は、教育研究評議会が学長候補者を推薦するための手続です。

意見聴取は、学長候補者として、大学教員の20名以上の連署により推薦された者について、常勤の教職員の意見を聴くものであり、その結果は教育研究評議会が学長選考会議へ学長候補者の推薦を行う際に付記されることとなります。

つまり、教育研究評議会は、学内の教職員がふさわしいと考える学長候補者を明らかにして、学長選考会議に対して推薦を行うこととなります。


(3)上記(1)の中で,「情報技術を活用した方法」とは,過半数代表者選挙の時に初めて導入されたオンライン投票に類するものをイメージすれば良いでしょうか。

【回答】

今回から導入する情報技術を活用した意見聴取は、実施業務の削減や参加者の利便性の向上を目的として、過半数代表者の選出の際に導入されたようなオンラインによる実施を想定しています。


(4)学長選考について、これまで学長選考会議が行ってきた「意向調査」から,今後は教育研究評議会が行う(学長候補者に対する)「意見聴取」へ変更されたのは,なぜでしょうか。経営協議会や学長選考会議および教育研究評議会での議論の経緯を教えていただけないでしょうか。

【回答】

国立大学法人法において、学長候補者の選考は、学長選考会議が行うことが定められておりますが、意向投票の得票数と学長選考会議の判断において、他大学で混乱した事例が見られましたことはご承知のとおりです。

冒頭で述べさせていただいた文部科学省からの通知では、具体的に「選考の過程で教職員による、いわゆる意向投票を行うことは禁止されるものではないが、その場合も、投票結果をそのまま学長選考会議の選考結果に反映させるなど、過度に学内の意見に偏るような選考方法は、学内のほか社会の意見を学長の選考に反映させる仕組みとして設けられた学長選考会議の主体的な選考という観点からは適切ではないこと」と明記されています。また、直近の「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針2019)」では、「また国は、各大学が学長、学部長等を必要な資質能力に関する客観基準により、法律に則り意向投票によることなく選考の上」と明記されています。

このような状況を踏まえ、学長選考会議としては意向投票を行わないこととした次第ですが、特に学内委員から「学内における意向投票の実施」や「学長選考会議への推薦書への記載内容」については、大学側に一任いただくことを要請し、学長選考会議で認められました。

また、上述のとおり、「意向投票」については、学長選考会議の主体的な選考を損なわないことが求められていることから、教育研究評議会で実施する際には、学内からの候補者を推薦する際の「意見聴取」という位置づけとし、電子的な方法を取り入れることで、従来型の「意向調査」の実施方法とは差別化することとしました。


(5)上記(1)の(ア)のケースにおいて,「教育研究評議会議事録(学長選考)」(2)オ「学長選考会議への推薦方法」には,「意向調査投票における得票数の上位5位以内を推薦する。書面に推薦順位は付さないが、得票数順に氏名及び得票数を記載する。」と規定されています。つまり、順位をつけず学長選考会議に推薦することで、1位でなくても「その時点でベストな学長」を選考することができると理解してよろしいでしょうか。「意見聴取」の結果を学長選考会議に報告する際に、推薦順位を付さない理由を教えてください。推薦順位を付さないなら、何のために「意見聴取」を行うのでしょうか。

【回答】

ご指摘のとおり、学長選考会議が主体的に「その時点でベストな学長」を選考することを担保するための一つの方策として、教育研究評議会からの学長候補者の推薦順位は付さないことが挙げられます。

また、教育研究評議会は、学長候補者の推薦を行うための手続として、意見聴取を行い、その結果を尊重して、学長選考会議へ推薦する学長候補者を決定することとされております。

学長選考会議が教育研究評議会に求める学長候補者の推薦数は5人以内とされておりますが、教育研究評議会は、大学教員の連署により推薦された者が5人以内である場合は、そのすべてを学長候補者として推薦することとし、学内の意見を聴取することの重要性にかんがみ、教育研究評議会が順位を付すことなく、意見聴取の結果順に推薦することが確認されております。


(6)学長の任期撤廃について、学長には定年は適用されないのでしょうか。されないとすれば,それはなぜでしょうか。

【回答】

冒頭の検討の背景で述べさせていただいたとおり、学長選考会議においては、昨今の大学を取り巻く極めて厳しい環境下において学長に求められる責務の大きさを踏まえ、その時点でベストな学長を選考できることが重要であるという結論に至り、学長の通算任期や再任の回数に関する上限は設けないこととなりました。

また、従来から、学長選考に関しては、国籍、年齢、性別は問わないこととされておりますが、これを踏襲することは、今回の任期等の検討に際しても、その時点でベストな学長を選出するための制度改正の趣旨に沿うものとされています。

なお、学長選考会議において、学長の業績が不十分であった場合に、その任期がいたずらに長くなることを避けるべきであるという意見があり、そのような場合には、以下のような制度で対応することとしています。

・ 学長選考要項に基づく「学長の再任審査」(新制度では3年終了時)

・ 学長選考要項に基づき、学長の任期が新たな中期計画期間にまたがる場合、「再任審査ではなく、ゼロベースでの学長選考」

・ 学長の業績評価に関する要項に基づき、学長選考時や再任審査時を除いて毎年度実施する「学長の業績評価」

・ 学長解任の申出に関する要項に基づく「学長の解任手続き」(国立大学法人法第17条)


(7)そもそも、学長の任期撤廃や選考方法の変更といった重要な規則変更を,なぜ学内で広く意見聴取を行うことなく決めたのでしょうか。経営協議会や学長選考会議および教育研究評議会での議論の経緯を教えていただけないでしょうか。

(8)以上の質問は,組合として質問させていただいたところですが,これらの質問内容に関して,大学担当部署もしくは学長から広く教職員に対して,詳しい事情説明をされるご予定はあるでしょうか。

【回答】

学長の選考や学長の任期については、国立大学法人法により、審議する権限を有するのは、学内者及び学外者で構成される「学長選考会議」と定められています。

今回、学長の選考方法の検討に至った背景は、先に述べたとおりですが、学長選考会議の主体性は、学長の選考方法の検討に際しても確保されることが求められます。

よって、学長選考会議が主体的な検討を行い、令和元年10月開催の教育研究評議会において検討状況の報告を行うとともに、教育研究評議会が行う学長候補者の推薦の手続の検討が開始され、同年11月に中間報告があり、同年12月には教育研究評議会に設けられた検討委員会の報告が了承され、令和2年3月の教育研究評議会において、関係規則が審議・承認されました。

上記の学内での審議等に際しては、その都度、学長選考会議の学内委員が検討状況の報告を行うとともに、令和2年4月1日には、本年度の学長選考の日程の公示に併せ、学長選考会議議長から、今回の制度改正の趣旨等をまとめた文書が発出されており、この文書は、教職員専用サイトに掲出しております。

したがいまして、現状においては、これ以上の説明は予定しておりません。


「学長選考に関わる本学規則等の参考資料」

  • 学長選考要綱

  • 新たな学長候補者の選考方法等について

  • 学長候補者推薦規定

  • 学長任期規則

  • 学長選考公示

  • 教育研究評議会規則