説明会「緊急の連絡」の概要
説明会「緊急の連絡」の概要
病院長,看護部長,総務部長からの「緊急の連絡」が12 月27 日の18 時からあるので全員参加するようにと師長から事前に連絡が入った。
当日初めに**総務部長からここに至る背景の説明と課題への対策案が提案された。次に院長からの説明は,看護業務の考え方やワークライフバランス給与などを挙げながら対策についてより詳細な内容であった。その後は質疑応答の時間となり, 看護師長や看護師10 名以上から質問や意見などが出た。最後に,今回参加できなかったり,意見を言えなかった者は職員意見箱に1 月6 日までに名前を書いて投函すれば返事をすると連絡された。
また,1 月18 日には短時間勤務の看護師対象に13 時30 分から,前回出席できなかった看護師対象に17時から同様の説明会が開催された。
下記は,12 月27 日開催の説明会の内容である。
1,パワーポイントを使いながら総務部長の「連絡」
【「連絡」をするに至った背景】
・平成25 年の8 億5 千万円の赤字となったことから,経営改善のため手術件数の増加緊急患者の受け入れを行った。
・フルタイムの看護師の減少,短時間勤務者の増加
・産休取得者の増加
・看護師の獲得の難しさ
【課題】
問題は,夜間休日の勤務者が減り一部の看護師に負担が偏っていることである。
臨時的対策
・夜間看護師4 人を3 人に減らし,12 対1の看護加算を取り下げる(1100 万円/月の減収)。
・週末の予定外の退院の抑制
・週末にクラーク配置
・新卒看護師の教育強化(早期に夜勤を行えるようにする)
・短時間勤務の看護師のキャリア発達(キャリアアップ)を支援するプログラムや院内サポートや体制整備を実施する。
・看護師募集による増員
2,パワーポイントを使って院長の連絡
・看護師の仕事は事務などとは異なる
・いかにモチベーションを保ちながらキャリアアップできるか
・資生堂ショックを例に挙げて勤務形態の変更を促した
・給与は毎年アップしている
などについて述べた後に,以下のように対策にも言及した。
対策
・12 対1の返上
・週末の臨時退院を減らす
・金曜日に薬剤指導の徹底
・週末の入退院の事務作業やベットメイキングの担当者の配置強化
・フルタイムの看護師の増加を図る
・新卒看護師の教育体制の強化する
・短時間勤務看護師が夜勤休日勤務体制へ参加するための環境を整備する。例えば,土日や夜間に預けられる保育所の整備を行う。
3,質問や意見(出席者から)
・対策12 対1 返上は症度が変わらないまま夜勤看護師が4人から3人に減ることになり現状でも厳しい状況なのに益々看護師の負担が大きくなるのではないか?
・ベットコントロールの機能が適正に運用できていないため1 病棟に6 科の患者が入院していたり何人もの患者が毎日のように病棟を移動したり仕事量を増やしている。全体を見ている者がいない。
・多くの診療科の患者が入院している病棟はインシデントが多く発生している。
・何人かの師長からはもうこれ以上負担を強いることはできないし,勤務表を組めない状況があるとの発言があった。
・短時間勤務をしながら子育てをしている看護師にこれ以上の負担を強いるのには反対である。
・看護師の募集活動をいろんな方法を使ってやっているというが,「いつまでも非常勤のままでこのままではいつ常勤になれるかわからない」と辞めていった事例がを何人もいたと聞いている。
・子供が熱を出したので休みを希望したら,休みはあげられないと拒否されたということはよく聞く。
・新卒看護師の教育強化とはいつ頃何をどうするのか言及されていないなど,具体的な対策が見えない。
・かつては開かれた看護部といい役職に関係なく自由にものが言え,看護部の部屋にも自由に出入りできた。今は,部屋のドアは閉まり人を寄せ付けない雰囲気があり,看護部長とはアポイントをとらないと師長でも話しができないような閉鎖的な状態です。職員を大切にする何でも話し合えるような信頼関係があればこんなことになるような状況は回避できたのではないか。お互いの信頼や尊重をベースにした働きやすく働き甲斐のある病院や看護部を期待する。
・対策は具体的に示してほしいが,職員の意見を反映するものであって欲しい。
・看護師の「退職」の理由は把握されているのか,またそれはどのようなものか?
4.質問への回答(病院側から)
・12 対1 は返上するが,土日の場合などは業務量が減るので,看護師3 人でやれるのでは。
・土日の臨時退院や患者の移動については全体の病床を管理できるような体制をとりたい。
・今年の退職人数は例年通りであり,その理由についての分析もしている。
・短時間勤務者には別途説明会を開催し,話したい。