研究室メンバーの作品
Works by members of Kikuma.W- Labo.
Works by members of Kikuma.W- Labo.
環境建築デザイン研究室では、コンペに勝つための設計をしません。原動力はメンバーの「建築への意志」です。そこに研究室で培った環境建築デザインの思考と技術を導入して、望む建築を具現化します。結果的に、その作者の強い意志に貫かれた、しかも、確かな建築技術に支えられた建築設計提案になります。世からの評価は、あくまで、その結果に過ぎません。
←左:西田匠作品 JIA全国卒業設計コンクール金賞(全国1位を受賞)
←右:石上智貴作品 金の卵デザインショーケース入賞(建築部門で唯一の受賞)
B3の建築作品 研究室で実施したミニ設計作品、あるいは渡辺菊眞講義の演習作品を進化・深化させて完成させます。環展にて発表します。
整然とした棚田前景とその段差の差異を美的に体験する美術館
奥に秘められた池を発見する場、場と距離をとり見守る美術館
ミニ設計課題「何かとともに棲む」の設計作品を進化・深化させたもの。土佐山田町の水路を跨ぐ支え棒付き電柱を「何か」とし、その魅力を堪能して住むことのできる家。ここでは、その魅力が近隣風景にも反映されることで、新たな景観形成にも貢献している。第一回高知県建築学生講評会で最優秀賞を受賞。
卒業設計 これまでの数々のミニ設計や読書、フィールドワークで得たことに自身の「建築の意志」を重ねてつくりあげる学部時代最後の建築です。
ダム湖にあく円錐の穴。中には水没前の風景。異時空の重なり。通常は見ることは叶わない水没前後の風景が同時に立ち現れる。なお、水没前の川は、この施設の発電機構によって、その流れを再現可能にしている。
日本建築の古代から近世までの空間が逆時間で積層する。古代の柱を垂直の中心軸に据えて、近世の行動的空間、中世のヴォイド、古代の絵画、彫塑の空間が上に上にと積層する。最上階は柱と空のみの空間。これら空間を巡り歩くのは二重螺旋の円環にて。
「あけぼの街道」の開通を起点に近年都市化が急速に進む土佐山田町の田園地帯。一面の農地も気づけばわずかに残るのみ。そんな中、地割りのままの敷地を持つ土佐山田幼稚園がたつ。地割りが可視化されること、田畑とともに子供たちが育つこと。この2点の重要性を継承加速する園舎計画。南北に細長い敷地でありながら、保育室にパッシブシステムを導入する。また、旧園舎の建て替えプロセスを風景変容計画として提示する。自然環境と文化環境の適応がなされた園舎設計。
修士設計 環境建築デザイン(自然環境デザインと文化環境デザイン)をフィールドワークや文献調査をもとに深堀りし、その研究を基礎にして建築設計します。卒業設計とは違い、2年かけて構想、計画、事例研究、調査研究等を重ねて作り上げる設計です。
室戸岬にある「石垣の家」。3mを越す高い壁で暴風をいなす集住体として著名である。この集落を対象に、来る南海トラフ地震の津波に備えて、「石垣の家」の集う空間構成を継承しつつ高台に移転する計画。建築の形態で暴風をいなす、パッシブ集住体の提案でもある。
自身がいる場所を見失ってしまう現代日本の都市において、「祈りの空間」がいかに可能かを提示した作品。巡礼型建築である羅漢堂と栄螺堂の動線を組み合わせつつ、空の祈りは厳島神社を、地の祈りは比叡山延暦寺の根本中堂を参照して、一つの都市型建築に結晶させた。
↑JIA MAGAZINE399(2022) 「目指せ建築家」