ボタンで操作できるギターロボット
楽器の自動演奏に関する研究は古くから多く行われていますが、そのほとんどがロボットが演奏している様子を鑑賞して「すごい!」と思わせることが目的のものが多いです。
もちろん、それは素晴らしい技術ですが、受動的な音楽体験にとどまります。
これに対して、本研究では、あえて全自動ではなく、一部の機能のみをロボットで自動化して、半分は人間が演奏するという半自動型の楽器演奏システムを開発しています。
それにより、ユーザは楽器演奏を能動的に体感することが可能となります。半自動楽器演奏では、「人間が楽器を手に持って演奏する」という性質上、楽器デバイスには「小型・軽量」「省電力」「安全性」「手足にデバイスが干渉しない」といった多くの制約が生じます。完全自動演奏ロボの一部の機能を抜けばよい、というものではありません。たとえば、完全自動タイプのロボットには巨大なコンプレッサーや高電圧・重量のあるソレノイドという電磁石を使っていますが、これを手持ちの楽器につけるわけにはいきません。安全性や発熱の問題があります。これらの非常に多くの制約下のもとで、最適な楽器演奏ロボットを設計することは簡単なことではありません。
我々の半自動演奏ロボットは、ギター・ベース、サックス(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)、バスクラリネット、ドラム、コントラバス、トランペット・ユーフォニアムなど多岐にわたり、これらのアンサンブルを可能としました。人間の演奏と区別がつかない、あるいは人間にはできない演奏も可能としており、ここまでのクオリティのロボットは他にはない技術と自負しています。
TikToKに本楽器ロボットの演奏動画があります。
https://www.tiktok.com/@gakki_motor