先端科学技術の発展は大きな可能性を持つ一方で、様々な「倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal, and Social Issues: ELSI)」への対応、社会実装における科学技術政策・制度的課題の研究と解消、幅広いステークホルダーとの協働の必要性といった様々なテーマを同時に要請します。
このような議論は、近年では、「責任ある研究・イノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)」の枠組みで議論されることが増えてきています。
このような中、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティチュート(KGRI)内に、「責任ある研究・イノベーション」センター(KEIO-RRI)を設立することが認められました。RRIセンターでは、幅広いELSIやインパクトの研究・可視化を行うと共に、新しい規範・価値創造・社会実装の過程を多様なステークホルダーと共に設計する協働実践的なガバナンスを研究・推進する国際的な拠点を目指します。
Mission
①ELSI/RRIアセスメント
先端技術領域(脳神経科学、合成生物学、分子ロボティクス、再生医療、ゲノム編集食品、長時間洪水予測技術、自動運転、サイバネティック・アバター、VR/XR技術、ロボティクス、AIなど)を対象としたELSI/RRIアセスメントを推進する。
文献調査、定量的マスメディア分析(対応分析・共語ネットワーク分析・トピックモデリングなどを併用する)、質問紙調査、インタビュー調査(個別インタビュー・フォーカス・グループ)、参与観察、未来洞察・シナリオワークショップなどを組み合わせ、定量的・定性的両面からの実証研究を行う。そして、その成果を学術論文やガイドラインとして発信する。
②熟議の場づくり
ワークショップ、シンポジウム、対話型イベント、地域連携型プログラムを開催し、社会の多様な声を研究開発に反映させる「市民参加型RRI」の実装を図る。シリアスゲームなどのコンテンツ作成なども視野にいれ、幅広い層が参加しやすい対話の場を創出する。
③政策提言/教育
大学院生・若手研究者を対象としたRRI教育、企業・行政向けの研修プログラム、国際共同教育の推進を行い、多分野を横断できる人材基盤を形成する。そして、国内外の大学・研究機関、産業界、政策機関、国際学会と連携し、国際ルール形成や政策提言に貢献する。特に、アジア地域のSTIガバナンスに関する比較研究を通じ、グローバルなRRIモデルの構築を目指す。
Member
センター長:
標葉隆馬(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・准教授)、科学技術社会論・科学技術政策
構成メンバー:
武田秀太郎(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・准教授)、エネルギー科学・エネルギー政策
永山翔太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・准教授)、量子技術
篠宮紗和子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・特任助教)、医療社会学
胡藝澤(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・特任助教)、科学史・Digital Humanities
郝哲辰(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・特任研究員)、科学技術社会論
順次協力教員・研究員メンバー情報を更新していきます。