種籾の選別
種籾の選別
晩秋の大事な作業のひとつに、次年度のための種籾(たねもみ)の選別があります。
収穫した籾のうちから、良い種を選びます。
選別方法の基本は塩水選(えんすいせん)です。
比重の重い塩水を作り、それでも沈む充実した種籾を種として用います。
横井時敬博士が明治20年頃に考案した方法です。
沈む種籾は
形質が優れたものであるということ、
イネの病気の菌は、玄米と籾殻の間の空間から種籾の表面に残っており、比重が重い種籾は身が充実しているためその空間が非常に狭いので、菌の生息している可能性が低い、ということです。
農薬を使わずに苗を作る場合はなるべく良い種を選抜したいです。
通常の塩水選は比重1.13ですが、無農薬栽培農家は一般的に1.17の比重選を行うことで、さらにより良い種籾を選りすぐります。
量が多い場合は、塩水選ではなくフルイによる選別を行います。
近年、実が大きいものを選べば比重選を行った時と同じ効果がある事がわかりました。
一般より大きい網目を使ってフルイにかけて選別します。
通常2.1ミリの網目が使われますが、2.2ミリの網で選別すると比重1.17の塩水選と同等の効果があるといわれます。
選別で残った種はとても愛おしく、また頼もしく、感じます。
宝物の様です。
選別から落ちた籾は、精米して美味しく頂戴します。