秋の仕事の中で一般的なもののうち、僕は行わない作業がひとつあります。それは「秋起こし」といって、雪降り前に一度田んぼを耕す事です。
秋起こしは、耕して田んぼの表面の有機物と土を混ぜることで、その分解を早めることが主な目的です。(と、僕は解釈しています。)
僕の農法は「半不耕起+無代かき」という形態をとっておりまして基本的に田んぼを耕しません。
完全に不耕起だと田植えがうまくできないので、春先の田植え前にドライブハローという器具で、田んぼの表面をごく浅く削り、そこに入水して、「代かき」という作業はせずに田植えをします。
(代かき:田んぼの表面の土を細かく練ることで水を保持すしやすい状態にすること)
なぜ秋起こしをしないか。
写真のように、僕の田んぼは、稲刈り後「雑草」で芝生を張り詰めたようになっています。緑で綺麗です。そして稲刈り後、しばらくすると元気に「ひこばえ」が生えてきます。
「非常になんとなく」なのですが、これら雑草や稲自身のひこばえ、が、田んぼ(の土)を育ててるのではないかな、という気がしてるのです。
彼らは冬の寒い時も土中に根を伸ばし、土の表面に「根穴構造」を形成していきます。そして、たくさん植物があるところには、たくさん小さな生き物達、虫達が寄ってきて、一緒に暮らします。たくさんの生き物がいた方が微生物の種類も数も増えるのではないか?とイメージするのです。
耕運してしまうと、そういった世界が破壊され、リセットされる…という、あくまでもイメージです。
また当然、耕すことよって根っこの穴の構造は破壊されます。この根穴の構造は、土の表面をスポンジの様にしていく様に観察しています。
耕すのと、どちらがよいのか、という事についての結論は実はまだ僕にはありません。でも今、「不耕起、草生」栽培というのが世界的にも注目されているそうです。
明らかに嫌気性微生物は増えて土の表面はトロトロになります。ただ、なんとなく、非常になんとなく違和感を感じて、それでいろいろ紆余曲折があって、いまの「半不耕起+無代かき」に辿り着いています。
ただ、それが結論ではありません。
でも今の所気に入っています。