北海道大学触媒科学研究所の高草木達教授、Bang Lu助教らの研究チームと共同研究成果をPCCPに発表しました
Precise 3D structure determination of Cu single atoms on α-Al2O3(0001) surface by polarization-dependent total reflection fluorescence X-ray absorption fine structure and first-principles calculations
Bang Lu, Can Liu, Min Gao, Haoran Xu, Daiki Kido, Masao Kimura, Kotaro Takeyasu, Kiyotaka Asakura and Satoru Takakusagi
Physical Chemistry Chemical Physics (2026) DOI: 10.1039/D5CP03666F
本研究は、PTRF-XAFSとDFT計算を用い、α-Al₂O₃(0001) 表面上に真空蒸着されたCu単原子の3次元構造と価数を解明したものです。0.07 MLの低被覆率において、Cuは1価(Cu(I))3回対称の本来ならアルミニウムが存在するはずの仮想的なAl原子の位置(H1サイト)に吸着し、 そのCu-Oの結合距離は0.194 nmでした。吸着に伴い、表面酸素が0.032 nm上方へ変位し酸素間距離が拡大する構造緩和(local surface relaxation mechanism)が確認され、単原子触媒の安定化機構に関する新しく、重要な知見が得られました。この研究によるCu単原子の精密な3次元構造と価数の解明は、単原子触媒(SACs)の合理的設計と開発を加速させると期待されます。
Yunli LinKai OshiroJun-ya HasegawaSatoru TakakusagiWang-Jae ChunMasao TabuchiKiyotaka Asakura*
Cite this: J. Phys. Chem. C 2025, 129 (17), 8193-8205
https://doi.org/10.1021/acs.jpcc.4c08367
Published April 20, 2025
© 2025 American Chemical Society
われわれは、化学構造拘束条件マイクロ逆モンテカルロ(CC-MRMC)法を開発し、偏光全反射蛍光X線吸収微細構造(PTRF-XAFS)法を用いて、3-チオフェンカルボン酸(TCA)で修飾することで単結晶酸化物表面に分散した単原子銅種の3次元構造を精密に決定した。すなわち,TiO2(110)表面にはS-Cu-Oのサンドイッチ構造がTiO2(110)の3つの等価サイトに吸着していることが示された。密度汎関数理論(DFT)計算を行い、3つの候補の中から1つの構造を選択することができ、CuはTCAのSとTiO2の橋渡し酸素(OB)に挟まれた線状構造を持つことがあきらかになりました。TCAはTiO2(110)表面に単座カルボン酸種CO(-Ti)O-として吸着し、H+はTiO2に存在して,解離吸着することがわかりました。PTRF-XAFS+CC-MRMC法とDFT法の組み合わせることで,それぞれの利点と欠点を補うことができ,表面に高分散した立体構造を議論するができました。