英語で論文を書かなければならない理系の学生や研究者の方、理系の文章を英語に翻訳しなければならない人文系出身の方の参考になるような資料をまとめます。
理系英語の特徴は用語であると一般的によく言われています。確かにそうなのですが、研究や仕事などで自分が関わる分野がある程度定まっている場合は、よく使う単語や表現は日常業務の中でわりと自然に覚えられるように思います。忘れて思い出せなかったとしても、比較的簡単に調べることができます。一方で、日常生活から大きくかけ離れた事象の説明や最新技術の説明はインターネットで探してもなかなか見つけることができないため(まだ誰も発表していないので)、英語でわかりやすく伝えるための表現上の一工夫が必要になるように思います。以下の資料は、急いでいるときにピッタリとした表現を探すため、というよりは日頃から目を通しておくことにより、英語での説明の仕方のアイデアを思いつきやすくするという感じで紹介しています。
また、人文系出身者の方は、英語表現以外に、理系分野の基礎的知識も必要になります。そういった人文系出身者のために、日本語と英語の双方で情報収集する際に役立ちそうな資料をまとめました。
日本工業英語協会(1987)『工業英語ハンドブック 工業英検3級・4級用基礎例文・基礎単語』株式会社日本能率協会マネジメントセンター.
研究社辞書編集部(編)(2007)『英語の数量辞典』(トム・ガリー監修)研究社. ★辞書ですが、いろんな数量表現を見ているのが楽しい。
菅原和士(2006)『工学英語』日本理工出版会.
東京大学教養学部ALESSプログラム (編集)(2012)『Active English for Science: 英語で科学する レポート・論文・プレゼンテーション』東京大学出版会. ★本文は英語で書かれています。各章にチェックリストや練習問題が付いています。学生や教育者向き。
トム・ガリー(2010)『英語のあや』研究社.(1,200円前後)
トム・ガリー & 松下貢(2013)『英語で楽しむ寺田寅彦』岩波書店.(1300円くらい。★寺田は日本でも著名な物理学者兼随筆家。夏目漱石の授業を受けたことがある。書籍では日本語の原文と英語の翻訳が併記。英語の勉強にもなる。
中山裕木子(2009)『技術系英文ライティング教本-基本・英文法・応用』日本工業英語協会.
National Geographic (2011) The science book: Everything you need to know about the world and how it works, National Geographic.
朝比奈奎一&三田純義(2006)『とことんやさしい 機械の本』日刊工業新聞社.
佐藤幸徳(2003)『とことんやさしい マイクロガスタービンの本』日刊工業新聞社.