6月8日(土)

13:00-14:10 企画ワークショップ1

論理表現の授業、ディベート指導の前に一工夫を

【講師】
戸田 行彦 先生(京都外国語大学

【概要】

中学や高校の教科書には、ディベートを学習するページがありますが、みなさんはどんな風にディベートの指導を導入されていますか。ディベート活動への取り組み方や対戦の進め方、また立論の書き方・反論・再反論の仕方を学習しただけでは、筆者もそうでしたが、すぐにディベートができるようになるわけではありませんでした。ディベート活動を通してつけたい力を伝えることはもちろん、ディベート活動に進む前段階において、必要不可欠な思考の枠組みを形成する活動例をいくつか体験型で楽しく取り組んでいただこうと思います。難しいことやICTは使いません。参加型の楽しい土曜日の午後にしたいと思います。持ち物は好きなチョコレート。 


【講師略歴】

京都外国語大学英米語学科講師。滋賀県立中学・高校4校に16年奉職。2024年度より現職。2018年度に開催された第68回全英連滋賀大会にて、中高一貫教育校としてのディベート指導の在り方について分科会発表。高校時代のSELHi経験を活かし、教科書のフル活用から英語ディベートまで、4技能をバランスよく指導することをモットーにしている。《著作》「授業内容定着のための課題の出し方」、「教科書を使用した文法指導」(以上、大修館書店『英語教育』)、京都外国語大学大学院・理論&実践英語指導法シリーズ『DVD 教科書を徹底活用した指導&ラウンド制を活用した授業実践』(ジャパンライム社)。

14:15-15:25 企画ワークショップ

シャドーイングの基礎知識と使い方

【講師】
濱田 陽 先生(秋田大学)

【概要】

シャドーイングは、日本ではここ10~15年の間、急速に言語学習方法の一つとして普及し、様々な学習者を対象に活用されています。しかし、その一方で、体系的にシャドーイングについて知る機会は限られているため、本講演では、以下の3点について理解を深めたいと思います。初めに、シャドーイングはリスニング活動なのかスピーキング活動なのか等という問いに答えられるよう、その基礎知識・理論についてまとめます。また、シャドーイングにも様々な種類があり、目的と用途が異なるため、シャドーイングの様々な種類についてもご紹介します。その後、実際の授業および学習者の視点での具体的な活用方法についてご紹介します。


【講師略歴】

秋田大学高等教育グローバルセンター教授。テンプル大学で修士号(TESOL)、広島大学で博士号(教育学)を取得。秋田の県立高校教諭を経て現職。専門はシャドーイング・リスニング・発音。著書に Teaching EFL Learners Shadowing for Listening: Developing learners' bottom-up skills (Routledge) 、よくわかる英語シャドーイング: 実践から指導まで(くろしお出版)などがある。

15:30-17:00 講演1

令和の日本型学校教育における自律的な学習者の育成 ~音と意味を大切にした外国語教育~

【講師】
池田 勝久 先生(文部科学省初等中等教育局 外国語主任教科書調査官

【概要】

Coming soon


【講師略歴】
浜松市内にて中学校英語教師として16年間勤務する。小学校英語に関心を持ち、通信課程にて小学校免許を取得したのち市内小学校へ異動する。平成19年度浜松市英語・英語活動指導員。平成20年度から2年間、鳴門教育大学教職大学院授業実践・カリキュラム開発コースにて、小学校英語に関わる教員研修の在り方とカリキュラムマネジメントを研究。平成25年度浜松市中部中学校区小中兼務教員。平成26年浜松市小学校教員マレーシア長期研修リーダー。平成28年3月末、約30年間勤めた公立学校教員の職を辞し、山梨県富士河口湖町にある英語だけでフィンランド教育を行うスオミ小学校の副校長職に就く。また、愛知大学にて非常勤講師を勤める。平成29年より、文部科学省初等中等教育局教科書調査官(外国語)を拝命。令和5年主任教科書調査官。


◎主な実践

平成23年外国語活動用授業デザインソフトの開発協力。平成23年・24年「マネジメントに焦点をあて外国語活動への抵抗感軽減を」教育新聞連載。平成27年より教員免許状更新講習講師(東京都港区及び関西大学)。平成28年より東京都大田区初任者研修会授業改善講師。他行政研修から校内研修まで各種(外国語教育・デジタル教科書・カリキュラムマネジメント・授業改善・教員の意識改革等)講師を務める。


◎主な著書


◎主な研究助成

6月9日(日)

10:00-11:10 企画ワークショップ3

CEFR-JのCan-do記述文を活用したパフォーマンス評価 

【講師】
工藤 洋路 先生(玉川大学

【概要】
小・中・高等学校では3観点の評価が始まって数年が経過し、その評価方法に関するノウハウが徐々に蓄積されていると感じます。しかし、指導と評価の一体化やパフォーマンス評価に関しては、課題や悩みを抱えている先生が多いようです。このワークショップでは、CEFR-Jの理念を共有し、そのCan-do記述文を活用しながらパフォーマンス評価のあり方を提案します。CEFR-Jの「action-oriented(行動志向型)」アプローチは、3観点の1つである「思考・判断・表現」と高い親和性があります。このワークショップを通じて、CEFR-JとそのCan-do記述文の効果的な活用が、3観点の評価の課題解決に少しでも貢献することを目指します。

【講師略歴】
玉川大学文学部英語教育学科教授。東京外国語大学卒業・同大学院博士課程前期・同大学院博士課程後期修了(学術博士) 。元私立高校教員。専門は英語教育学。英語ライティング論や英語授業論を研究 。主な著書は、中学校検定教科書『NEW CROWN English Series』(三省堂)、『英語教育のエビデンス』(研究社)。NHK Eテレの英語番組『知りたガールと学ボーイ』に講師として出演(2019年度~2021年度)。NHK ラジオ高校講座『英語表現Ⅰ』の講師として出演中(2017年度~今年度)。科学研究費:基盤研究(A)「CEFR-Jに基づくCAN-DOタスク中心の教授と評価に関する総合的研究」(2020年度~2024年度)研究分担者。

14:40-16:20 講演2

グローバル人材育成策を問い直し、協同と共生の英語教育へ

【講師】
江利川 春雄 先生(和歌山大学名誉教授

【概要】
学校英語教育の目標にグローバル人材育成が掲げられて四半世紀。「英語が使える日本人」育成構想、到達目標の数値化、大学入試への英語民間試験導入、アクティブラーニング、小学校英語の教科化、中学校英語語彙の倍増、高校英語の高度化、大学の○*△(言語化不能)などが次々に打ち出されてきた。英語がわからない・嫌いな生徒の増加、格差、授業の困難化と教員の疲弊も指摘されている。政策の功罪を冷静かつ批判的に検証し、根底にある政財界主導、新自由主義、教育市場化、スキル主義を問い直し、英語教育のあり方を再考する時期に来ている。先人たちの知見から学び、授業改善の取り組みを紹介しながら、協同と共生の英語教育を展望したい。

【講師略歴】
和歌山大学教育学部教授を経て、2021年より和歌山大学名誉教授。専攻は英語教育学、英語教育史。

神戸大学大学院教育学研究科修了。広島大学で博士(教育学)取得。

現在、日本英語教育史学会名誉会長。

著書に『英語と日本人』(ちくま新書、2023)、『英語教育論争史』(講談社、2022)、『日本の外国語教育政策史』(ひつじ書房、2018 *日本英語教育史学会著作賞受賞)、『英語と日本軍』(NHK出版、2016)、『英語教科書は<戦争>をどう教えてきたか』(研究社、2015)、『協同学習を取り入れた英語授業のすすめ』(大修館書店、2012)、『受験英語と日本人』(研究社、2011)、『英語教育のポリティクス』(三友社出版、2009)、『日本人は英語をどう学んできたか』(研究社、2008)、『近代日本の英語科教育史』(東信堂、2006 *日本英学史学会豊田實賞受賞)、監修・解題『英語教育史重要文献集成 全15巻』(ゆまに書房、2017〜19)など。