FAQ 進学を考えている人へ

7月~9月各大学で大学院入試があります慶應理工は6月と、8月にあります。

大学院進学が決まったら「大学院生へ」 を見てください。

これまでの研究室説明会でのFAQ(独断と偏見です)

超弦理論を使った「量子重力を含む統一理論」「素粒子標準模型を越える物理」の研究です。こちらも参考に。 マッチングが大事ですが、学生の人の熱意があれば、上記の研究以外も対応します。同じ慶應物理学科の山本先生も素粒子論ですが、山本先生は主に「素粒子標準模型の枠内」において研究をされています。

問題ありません。「メンバー」「過去の卒研生」を見てください。私も学部と大学院は大学が違います(阪大→京大)他大に行っている人も多いです。やる気があれば、外国に行っても良いと思います。進学後も寝る間を惜しむつもりで活動すれば、どこでも問題なくついて行けると思います。ただし、矛盾するようですが、きちんと寝てください。

主に「(解析)力学」「電磁気学」「熱・統計力学」「量子力学」「英語」です。

学部の学力であれば、入学試験を突破する程度です。感覚的には大学講義の「合格判定」と同じ程度か、大学によってはその少し上の得点が必要だと思います。慶應の評語で感覚的に言うと、総合的に見て「B」より少し上程度でしょうか。しかし研究は、勉強のように他人の発想を理解するだけでなく、自分で問題を見つけて新たな概念を生み出すことが大事です。勉強は不得意だけど研究ができる優秀な人もいます。大学院に入った後は、これまでの成績(&学歴偏差値)は忘れて努力してください。教員は単なる同僚で、研究(勉強)は「仕事」だと思ってください。

多くの大学院は上述の通りです旧帝大の受験は比較的難易度が高いこともあります。例えば、慶應の評語で感覚的に言うと総合的に「A~S」が求められることがあります。どこでも簡単に入れる、というわけにはいきません。きちんと受験勉強をして、いずれにしても滑り止めはきちんと受けてください。しかしあくまで入試だけですので、大学院に入った後は、これまでの成績は忘れて努力してください。

詳しくは募集要項を見てください。6月は書類審査と面接試験、8月は筆記試験と面接試験が主です。8月入試は他の大学と同様です。どこを受験しても、必ず受け入れ希望教員とは連絡を取ってください。一方で 6月入試は少し特殊なので、2022年の要項から抜粋した趣旨を記します: 慶應義塾大学大学院理工学研究科で学ぶことを強く希望する方々に早期に進路を決めていただいて,卒業研究等に安心して励んでいただきたいと考えて2000年度から取り入れた試験です。その趣旨を十分理解して受験していただきたいと思います。

「場の理論」「相対論」「群論」。「トポロジー」などの数学もやっておいて良いです。これ以外は研究で必要になったらでも良いです。勉強しながら計算力をつけてください詳しくは最下記を見てください。ただし、少なくとも学部で学んだ「(解析)力学」「電磁気学」「熱・統計力学」「量子力学」「英語」「線形代数」「解析学」は理解している前提です。博士課程ですが、研究の進捗を優先させながら、必要に応じて研究の基礎を学習する必要もあります。

まず「理論が好きな人」です。基本的に成績とは無関係です。「負けず嫌い」「マイペース」「強い精神力」の人が業界に多い印象です。「熱意」「コミュニケーション」も必要です。「何でもやる」という気概で臨んでください。人の能力はあまり変わりませんので、どれだけ「努力」できるかが大事です。

慶應の場合、大学院生以降のスケジュールなどは「大学院生へ」を見てください。他の大学院でも似たようなものだと思いますが、学生中心のゼミや自主ゼミが多いと思います。私の学生時代は、単位の出るものを含めて週に3,4回はゼミをやっていました。

私も知りたいです。しかし一応、研究生活のコツ研究のコツ? に一般論をまとめています。普段からいろいろなことに触れて、問題意識を持つことが大事だと思います。そしてそれを人と議論するのも大事だと思います。

使います。しかし最近は(個人的には) iPad が多くなりました。手計算で複雑な計算はPCです。例えばmathematica を使用します。ひとまず学部やM1の間に計算力をつけておいてください。

まず慶應は物理学科だけでなく、日吉にも素粒子論の教員がいます(しかし院生は取っていません)。人が多いのは旧帝大です。東大でも本郷・駒場・Kavli IPMU・宇宙線研、京大であれば理学部と基研があります。東工大、筑波大、総研大(KEK)、神戸大、広島大などにも多くの人がいます。他大を含めて、具体的に分野などを知りたければ問い合わせてください。また、教員ごとに研究分野が全然違うので、希望教員に必ずコンタクトを取ってください。

弦理論自体の研究は今は主流ではないですが、理論の無矛盾性のチェックのために弦理論を使う事が多いです。フォーマル系だと旧帝大に人が多いです。他にも、総研大(KEK)・東工大などに人が多くいると思います。分野もいろいろあります。他の大学にも分野ごとに優秀な教員がいますので、問い合わせてください。東大・京大だけではないことを強調しておきます。

「博士課程に行きたい」と思う人です。修士課程では学生の自主的な研究にならないことがほとんどなので、自主的にどっぷり研究したい人です。慶應だと学位取得のためには、D論の骨子となる雑誌掲載の論文を2本以上は書いてください。国際研究会でも1回以上は発表してください。

研究者(ポスドク・教員)になりたい人は、博士課程の間で 4~10本くらい査読付き論文を書いて出版してください。国内だけでなく世界中の研究者と友人になってください。ポスドクになるには、学振PD応募して採用されるか、国内外の研究所や教員個人(科研費持ち)にコンタクトを取って、研究員に応募して採用される必要があります。その間に論文をたくさん書いて、何回も発表してください。その結果、大学や研究所の公募に応募して採用されると教員や研究者になれます。

ポスト数が限られていますので、国内だと素粒子論の1学年に O(1)人は永久職のポストに就ける印象です。1学年の学生数は分かりませんが、100人単位でしょうか。近年では、ポスドクを平均6~8年以上経験して、外国で就職するケースも少なくないようです。私が大学院生の時は「ボクサーでチャンピオンになるのと同じような感じ」と教員から言われました。

どちらも可能です。修士課程の就職と違うのは、専門性が高職の傾向があります。世間的には高学歴なので、高給のところに就職している人も少なくないと思います。銀行、コンサルタント、国家公務員などです。ポスドクを経験していても、30代前半であれば同様です。博士やポスドクなど研究経験のある人が立ち上げた中小企業の研究職もあり、30代後半だとそういった所に就職している人もいます。人によっては、医学部など他学部に入学し直す人もいます。

浮世離れしている研究分野ですので、一般社会から見て「個性的な人が多い」と見えるかもしれません。人生を懸けて真面目に研究をしている人がいます。こちらが勉強をして、熱意をもって接する「研究に協力的公平」な人が多い印象です。逆に、いい加減な態度で接することがあれば、ひょっとしたら「厳しい」と捉える人がいるかもしれません。(真面目にやっている事に対して、不真面目に見える人がいれば、誰でもそうだと思います。)

進学決定後の勉強の目安

学部3,4 年生(初学者)向け: 高橋康 古典場から量子場 & 量子場と解析力学

群論:例:佐藤, ジョージアイ etc.

位相など数学:例:Nakahara 日本語版 1 & 2) etc.

場の摂動論:例:Peskin, Nair日本語 1 & 2), 九後 1 & 2, S.Weinberg 1-3 etc.

場の非摂動論:例:Coleman, E.Weinberg, Nair 日本語 1 & 2, 九後 1 & 2, , S.Weinberg 1-3 etc.

弦理論:例:Polchinski 1 & 2 , BBS,  GSW 1 & 2 etc.

相対論:例:Wald, Schutz, Hawking & Ellis etc.

現象論・宇宙論例:Halzen&Martin, Martin (A Supersymmetry Primer), , Kolb&Turner, S.Weinberg, Mukhanov 1 & 2Lyth&Liddle 1 & 2, Maggiore 1 & 2, Lisanti (Lectures on Dark Matter Physics) etc.

全般Lecture notes (David Tong)

現象論・宇宙論は参考書が多いですが、例えば超対称性を勉強すると、暗黒物質をはじめ、いろいろな知識が身に付きます。(たまに「超対称性は死んだ」と勘違いしている人がいますが、「超対称性が予言する新しい素粒子が軽い質量を持たず実験で未発見」の意味です。統一理論・暗黒物質・正則性による可解模型(物理的な toy model)など、高いエネルギースケール・重い質量を持つ新しい素粒子・数学において、超対称性の概念は重要なことがあります。)