大学院生へ

勉強の目安

  • 4年生~修士1年の勉強下記の分野について、自習 or 学生間のゼミで基礎を勉強しておいてください。下記の教科書はあくまで一例です。全部読む必要はありません。1分野につき1つくらいはきちんと目を通して、計算力をつけて、関連する話題にある程度ついて行けるように理解しておいてください。一方で研究を始めると、研究で必要になる事は、勉強で大事だと思っていた内容と別な事があります。参考書でサラリと流されている内容、「同様である」とごまかされていた内容、そもそも書いていない事が重要になることがあります。どれだけ勉強しても研究の意味では不十分ですが、勉強しておくと理解が早くなります。

学部3,4 年生(初学者)向け: 高橋康 古典場から量子場 & 量子場と解析力学

群論:例:佐藤, ジョージアイ etc.

位相など数学:例:Nakahara 日本語版 1 & 2) etc.

場の摂動論:例:Peskin, Nair日本語 1 & 2), 九後 1 & 2, S.Weinberg 1-3 etc.

場の非摂動論:例:Coleman, E.Weinberg, Nair日本語 1 & 2), 九後 1 & 2, , S.Weinberg 1-3 etc.

弦理論:例:Polchinski 1 & 2 , BBS, GSW 1 & 2 etc.

相対論:例:Wald, Schutz, Hawking & Ellis etc.

現象論・宇宙論:例:Halzen&Martin, Martin (A Supersymmetry Primer), , Kolb&Turner, S.Weinberg, Mukhanov 1 & 2, Lyth&Liddle 1 & 2, Maggiore 1 & 2, Lisanti (Lectures on Dark Matter Physics) etc.

全般Lecture notes (David Tong)

現象論・宇宙論は参考書が多いですが、例えば超対称性を勉強すると、暗黒物質をはじめ、いろいろな知識が身に付きます。(たまに「超対称性は死んだ」と勘違いしている人がいますが、「超対称性が予言する新しい素粒子が軽い質量を持たず実験で未発見」の意味です。統一理論・暗黒物質・正則性による可解模型(物理的な toy model)など、高いエネルギースケール・重い質量を持つ新しい素粒子・数学において、超対称性の概念は重要なことがあります。)


  • 修士2年以降:研究の進捗に応じて、足りない基礎を勉強。必要かつ新しい話題も勉強。勉強した分は必ず論文を執筆して反映。


慶應院でのスケジュールの目安

コロキウム(毎週月曜13:00~)には必ず出席を。講義に出席して単位取得を。TAもあります。

自習 or 学生間のゼミを行い、いろいろと勉強をしておいてください。


  • 修士1年勉強して良いので基礎を身に着けてください。

4~7月:研究のための基礎ゼミ。1~2週間に1度で1回2時間程度。(教員の予定による。)

9~12月:コロキウム(研究)発表用のゼミ。1~2週間に1度で1回2時間程度。

12~1月:コロキウム発表。トーク20分+質疑応答10分。ファイルは英語でもOK、言語は日本語。


講義に出席し単位は取ってください。檜垣とのゼミや、自主的な勉強で基礎を身に着けます。ゼミは指定する論文を読んで発表する。空いた期間を利用して先々まで勉強してまとめる。前期にレビューを読む場合、7月中に8割は理解する。後期は、研究・コロキウム発表のための論文を読む。12月始めまでに理解するのが目標。12~1月の年度末にコロキウムの発表。


  • 修士2年: 勉強して良いので基礎を身に着けてください。修論の手続き・D進学の手続きの確認を。

4~7月:修論のための勉強ゼミ。1週間~10日に1度・3時間程度。

9~12月:研究打ち合わせゼミ。レビュー修論の人は引き続き勉強ゼミ。1週間~10日に1度・3時間程度。

10月中:修論の中間発表。トーク20分+質疑応答10分。ファイルと言語は両方とも日本語。

12月初旬~中旬:修論ベータ版を提出。(卒論と同様8割以上。)

1月末:修論を主査提出、その次週は副査提出。その週末に発表会。D進学:20+20分、D進学しない:20+10分。ファイルと言語は両方とも日本語。

2月初旬:修論に訂正がある場合はその後に、大学に修論を提出。


修論のための研究(あるいはレビュー修論)のためのゼミを行います。そのための基礎勉強も行ってください。前期で基礎が終わったら、後期は、研究(修論)の進捗を聞く打ち合わせ(ゼミ)をします。10月に修論の中間発表。1月末に修論を提出し、その内容を全体で発表。場合によっては再提出。

修論=仕事&後輩への研究の布石と意識して、修論を書いてください。博士進学しない人は、これまでの勉強人生の総まとめとして書いてください。


  • 博士課程:積極的に周りとコミュニケーションして研究してください。自主性が求められます。

通年:必要に応じて研究打ち合わせゼミ。3年の間に、D論の骨子になる2本以上の雑誌掲載論文を書くのが最低限の目安です。国内会議と国際会議で必ず研究発表してください。

D3:学位取得の手続きやD論の製本を確認し、周りの人にも聞いておく。

11月初旬(D3):D論ベータ版を主査(指導教員)に提出(8割以上完成)。英語がベターだが日本語でもOK。

11月下旬(D3):副査に完成版を提出。

12月初旬(D3):学位予備審査。トーク1時間+質疑応答1時間程度。ファイルは英語でも日本語でもOK。言語は日本語。審査員に修正点を指摘されるので、学位公聴会の1週間ほど前には審査員に再提出。

1月中旬(D3):学位公聴会。トーク1時間+質疑応答1時間程度。(審査員との closed 議論を含む。)

公聴会のすぐ後:印刷製本をしたD論を大学に提出。


M2、特に後半とほぼ同じですが自主性が求められます。教員や共同研究者と積極的にコミュニケーションする必要があります。研究テーマが確定しないときはゼミが不定期になり、放置期間が長くなります。3年間の間に議論を繰り返してD論を書きます。もしポスドクになる場合、論文4本は欲しいです。予備審査は12月初旬、公聴会は1月中旬ですので、その前に審査員にD論を提出。公聴会のすぐ後で、製本したD論を大学に提出。

博士論文=仕事&後輩への研究の布石だけでなく、これまでの勉強人生の総まとめとして書いてください。


ゼミについて

  • 思ったことはどんどん意見してください。

  • ゼミの発表は、できるだけ自分のノートのみを見て発表できるよう準備してください。

  • 論文は 3~10回 は繰り返し読んでください。2回目以降は、論文の「概要→結論→...→導入」 のように逆の順に読むと、骨子の流れや、物理の繋がりが分かりやすい時があります。


日々の研究生活について

  • 「バカだな」と思う事もどんどん意見してください。議論の結果、正しいこともあります。

  • 自分で問題や、学習したい内容を見つける事が研究への第一歩。教員から言われた内容だけ実行したのでは教員のコピーになります。例:本のこの概念を知りたい。参考書(の計算)を徹底的に理解したい。参考書が間違っているのではないか?

  • 研究会やセミナーには出席して、どんどん質問と発表をして、(共同)研究をしてください。

  • 他は研究生活のコツを参考にしてください。


発表や論文の書き方について

研究のコツ?を参考にしてください。