月面上に置かれた物体が、どのような熱環境にさらされるかを体感的に確認するための簡易シミュレーターです。
月面では大気による熱輸送がほとんどなく、物体の温度は主に次の熱収支によって決まります。
太陽から受ける直射日光
高温になった月面からの熱赤外放射
月面で反射された太陽光
レゴリスとの接触熱伝導
宇宙空間への赤外放射
画面上のスライダーを操作することで、月面時刻、物体の形状、太陽光吸収率、赤外放射率、月面の見え方、接触熱伝導の強さなどを変更できます。それぞれの条件が、物体の平衡温度と入熱内訳に与える影響をリアルタイムで比較できます。
特に、レゴリスは熱伝導率が低いにもかかわらず、昼間の表面温度が高くなるため、物体は接触伝導だけでなく、熱い月面からの赤外放射によっても加熱されます。本ツールでは、直射日光と月面赤外を分けて表示し、「どこから、どれだけ熱が入るのか」を視覚的に確認できます。
本ツールは熱環境を直感的に理解するための簡易モデルです。物体内部は一様温度であると仮定し、定常状態の放射平衡温度を計算しています。実際の設計では、物体の詳細形状、姿勢、内部発熱、熱容量、過渡温度、表面の波長特性、接触面積、レゴリスの温度分布などを考慮した詳細解析が必要です。