雞知中学校では生徒のニーズに適切に応えていくために、通常の学級における指導に加えて、通級による指導も実施しています。また、特別支援学級も3学級開設しており、生徒には多様な「学びの場」があります。また、学校教育相談員、スクールソーシャルワーカー、介助員等の配置も充実しており、生徒の支援に努めています。
⭕通級指導教室で指導を受けるための手順は、次のとおりです。
保護者・担当者・学級担任がよく相談をして、通級指導教室での学習の必要性について検討します。
生徒の学習や生活の様子等を対馬市の教育支援委員会へお知らせし、通級指導教室での指導が適切かどうか判断をしていただきます。
通級指導教室での指導が適切であると判断された場合は、担当者と学級担任・教科担任がよく相談して、指導する教科等や時間・学習形態等を決めます。
担当者が決めた事項を4月に保護者へ説明し、変更すべき点がないかどうか協議します。
各教科などの指導は主として通常の学級で行いつつ、知的な遅れはないものの、学校生活や学習に困難さを抱えている生徒に対して、「特別の指導」を行っています。「特別の指導」とは、生活上または学習上の困難の改善・克服を目的とする「自立活動」を中心としており、補充学習が目的ではありません。一人一人の教育的ニーズに応じた目標を設定して、個別での指導を行っています。
学びを保障する場として
一斉授業では学習内容が十分理解できなかったり、読むことや書くことに困難さがあったりして課題などが十分にできないことで学習意欲が失われないように、生徒の教育的ニーズに寄り添い、計画的に生徒に学びの場を保障していきます。
できることが増える場として
自分でどう対処したらよいかがわからない場合、正しいことやできるようになるための方法を具体的に、丁寧に教えていきます。
自信を取り戻す場として
さまざまな困難のために失敗体験を繰り返していくと、意欲や自信を失っていきます。生徒のプライドにも配慮して、学びたいという気持ちを大切にするとともに、本人の心の負担とならないよう話し合いながら指導を進めていきます。
下の資料「在籍学級と通級指導教室」の図は、長崎県教育委員会の資料「令和3年度 特別支援学級及び通級指導教室 教育課程編成の手引 (小学校・中学校用)」23ページの図を基に作成したものです。同資料は、長崎県教育センターのHPに掲載されています。
本校の通級指導教室は、知的な遅れがなく、学習や行動、対人関係で困り感がある生徒を対象としています。
漢字・計算・推論・読むこと・聞くこと・書くことなどのいずれかに特に苦手なことがある。
行動面で落ち着きがなかったり、友人関係でトラブルが多かったりする。
ぼんやりしたり、すぐに興味が移って集中できなかったりするなど、集中のコントロールが苦手である。
じっとしていることが苦手である。
思ったことをよく考えずにすぐに行動に移してしまいがちである。
宿題・課題に計画的に取り組むことが難しい。
忘れ物が多い。
⭕一人一人に応じた具体的な目標や学習計画を立て、「自立活動」を行います。
⭕集中力がない、落ち着きがない、課題や活動をやり続けることが難しい…などの気になる生徒の様子の背景にある原因を探り、少しでも困り感を減らすための学習を行います。下に紹介しているものは実際に本校の通級指導教室で行っている学習の一例です。通級指導教室は通常学級での学習の補充の場ではありません。
🌝ソーシャルスキルトレーニング
人と人とが関わりながら生きていくために欠かせないスキルを身に付けるための学習を行います。友達との上手なつき合い方を考えたり学んだりします。
🌝教科学習
自分で学習する方法を身に付けたり、読むこと・書くこと・聞くこと・計算などの復習をしたりするなど、学習している内容が理解できるようにします。これは、単に授業の遅れの補習をするということではありません。その生徒にあった方法で学び、学習上または生活上の困難の改善や克服を目的として行われます。
❓「通級による指導」を受けたい場合は、どこに相談したらいいですか。
➡担任の先生を通じて、通級担当者までご連絡ください。入級の際には、一定の条件が必要ですので、詳細については御相談ください。
❓「通級による指導」を受けることで、進学などで困ることはありませんか。
➡「通級による指導」を受けることで、卒業後の進学などの際に不利になることはありません。
❓「通級による指導」の時間は週当たり何時ありますか。
➡本校の通級指導教室での学習の対象となる生徒については、月1単位時間程度の指導でも十分な教育的効果が認められる場合があることから、 授業時数の標準については、年間10 単位時間から280単位時間までと決められています。(平成18年3月31日付け17文科初第11 77号「学校教育法施行規則の一部改正等について」による) 現在、本校では生徒一人につき、週当たり2から3時間程度の指導を実施しています。
❓通常の学級における授業を抜けることで、学習が遅れることはありませんか。
➡通常学級における授業と並行して通級による指導が行われますので、確かにその時間は通常学級で行われた授業は受けられません。そこで、受けられなかった授業のフォローは、教科担任と通級担当が連携して行います。ただし、生徒自身も気がけて教科担任に授業で使用した資料を確認したり、宿題を聞いたりすることが大切です。そのことも含めて、自立に向けての学習となります。