Kazuki Yamamoto

山本和樹    博士(理学)

助教

東京工業大学理学院物理学系 (古賀研究室)

居室

東京工業大学大岡山キャンパス本館295C (メールボックス: H-49)

連絡先

Email: yamamoto [at] phys.titech.ac.jp

研究の興味

量子開放系における非平衡多体物理の理論:

私は凝縮系物理学において、強い相互作用を持つ量子系である強相関系に興味を持って研究を行っています。特にその中でも、極低温に冷却された原子集団である冷却原子系を対象として、散逸の存在する量子開放系の物理を扱った研究を行っています。冷却原子系における実験技術の発展は目覚ましく、系のパラメータの自在な制御に加え、散逸の制御や1原子レベルでの観測をも可能にしました。近年、こうした冷却原子系の制御性の高さを生かし、粒子ロスなどの散逸を利用して、開放系特有の非平衡量子状態を実現できることが、実験・理論の両側面からわかってきています。その一方で、物理に多様性をもたらす強相関効果が、散逸の下でどのような豊かな非平衡現象を誘起するのかといった問題は系統的理解からは程遠いのが現状です。私はこのような背景の下、散逸と強相関効果の協奏で発現する非平衡現象を探究することを目的としています。

エンタングルメント相図:

近年、観測誘起相転移と呼ばれる、観測の反作用によって引き起こされる孤立系には存在しない新しい量子相転移が報告され、凝縮系物理・統計力学・原子物理・量子情報などの幅広い分野から注目を集めています。我々は乱れと観測が存在する量子多体系のダイナミクスにおけるエンタングルメントエントロピーの計算を行い、その相図を得ました (詳しくは our paper をご覧ください).

最近のアクティビティ

第23回船井研究奨励賞を受賞しました。

Quantum Simulation of Novel Phenomena with Ultracold Atoms and Molecules - Kyotoにて、"Dynamics and steady-state properties in monitored many-body localized systems"というタイトルで口頭発表を行いました。

チューリッヒ大学でセミナーを行いました(主催Theory of Quantum Matter Laboratory (PI: Prof. Titus Neupert)。初めての黒板を使ったセミナーでしたが、とても楽しく行うことができました。また、Neupert准教授にお昼ご飯をご馳走になりました。ありがとうございます!

フリーブール大学でセミナーを行いました(主催: 計算物理研究グループ(PI: Prof. Philipp Werner))

ジュネーブ大学でセミナーを行いました(主催: Theory of Quantum Matter Laboratory (PI: Prof. Thierry Giamarchi))。カフェとお昼ご飯をGiamarchi教授にご馳走になりました。ありがとうございます!

スイスのフリーブール大学の計算物理研究グループ(PI: Philipp Werner教授)に滞在します

公益財団法人豊田理化学研究所のスカラー研究助成に採択されました(2024年度, 助成金100万円)

井上研究奨励賞の受賞が東工大ニュースに取り上げられました。

共著論文"Theory of non-Hermitian fermionic superfluidity on a honeycomb lattice: Interplay between exceptional manifolds and Van Hove singularity"がPhysical Review B (Letter)誌に出版されました。

東京工業大学 令和5年度理学院若手研究奨励賞を受賞しました。

第40回井上研究奨励賞を受賞しました。

12th Nonequibilrium Quantum Workshop - Kravavec, Sloveniaにて、"Entanglement phase transition under continuously monitored dynamics in many-body localized systems "というタイトルで口頭発表を行いました。

共著論文"Interaction-induced Liouvillian skin effect in a fermionic chain with a two-body loss"がPhysical Review B誌に出版されました。

Workshop on Criticality, Dynamics, and Nonequilibrium Behavior in Quantum Systems - Évora, Portugalにて、"Entanglement phase transitions in many-body localized systems under continuous measurement"というタイトルで口頭発表を行いました。

科学研究費基金研究活動スタート支援に採択されました(2023-2024年度, 直接経費220万円, 課題番号23K19031)。

Workshop on Dynamics of Monitored Quantum Many-Body Systems - Trieste, Italyにて、"Measurement-induced phase transitions in disordered quantum many-body dynamics under continuous monitoring"というタイトルで口頭発表を行いました。

28th International Conference on Statistical Physicsにて、"Localization properties in disordered quantum many-body dynamics under continuous measurement"というタイトルで口頭発表を行いました。

学術変革領域研究A「極限宇宙の物理法則を創る」の循環ミーティングでセミナーを行いました。

原著論文"Localization properties in disordered quantum many-body dynamics under continuous measurement"がPhysical Review B (Letter)誌より出版されました。

公益財団法人山口育英奨学会の学術研究助成に採択されました(2023年度, 助成金80万円)。

"非平衡開放系における強相関物理"というタイトルで、量子物理学・ナノサイエンスセミナーを東京工業大学で行いました。

東京工業大学理学院物理学系(古賀研究室)に助教として着任しました。

アメリカのラスベガスにて行われる、American Physical Society March Meeting 2023 にて口頭発表を行いました。

スイスの国際会議 Trends in the Theory of Quantum Materials 2022 (Swiss-Japan workshop 2022) にて口頭発表を行いました。

日本物理学会秋季大会において学生優秀発表賞(領域1)を受賞しました。

北海道にて行われた国際会議 29th International Conference on Low Temperature Physics にて口頭発表を行いました。

オランダのアムステルダムにて行われた国際会議 SCES2022 にてポスター発表を行いました。

原著論文"Universal properties of dissipative Tomonaga-Luttinger liquids: Case study of a non-Hermitian XXZ spin chain"が Physical Review B 誌より出版されました。

韓国で行われた国際会議 APCTP workshop "Numerical Methods in Theoretical Physics" (Youtube)にて招待講演を行いました。

沖縄で行われた国際会議 Ultracold Atoms Japan 2022 にて口頭発表を行いました。

リンク

東京工業大学古賀研究室

京都大学凝縮系理論グループ

韓国のAPCTPにおける講演のYoutube動画(右のボタンをクリックしてください)