ヨコイトカケギリ

Cingulina cingulata (Dunker, 1860)

レア度:いつでも見られる

形態:貝殻は非常に高く巻き、表面には3本の螺肋をめぐらす。大きさは5㎜程度である。貝殻は模様のない白色だが、軟体部はほんのり赤い。

生息域:日本各地に分布し、潮間帯から潮下帯の岩礁に生息する。葛登支では石をめくるとよくみつかる。

生態:ミズヒキゴカイの体液を吸う (堀 1996)。砂の中に潜んだまま宿主に口吻を伸ばし、宿主の体表に吸盤を吸着させて摂餌する (堀 1998)。ミズヒキゴカイの周囲5cmの砂底に1、2個体が5–10mmはなれて潜っているというが (堀 1998)、葛登支では転石の裏に表在した状態で観察されることが多い。ウズマキゴカイを餌とするオカダウミウシとともに見られることも多いため、そのような個体はウズマキゴカイなどを食べているのかもしれない。

2018年7月 山上
2020年8月 大友ピンクの軟体部が見える
2018年7月 山上お顔
2018年7月 山上
2018年7月 山上

引用文献:

  1. 堀成夫. 1996. 萩市郷土博物館所蔵の山口県北部地方産トウガタガイ科貝類(軟体動物門:腹足綱:異旋目)の再検討. ユリヤガイ: 山口貝類研究談話会会誌, 4: 109–138.

  2. 堀成夫. 1998. 日本周辺産トウガタガイ科貝類の系統および寄生様式の研究. 東京水産大学博士学位論文.