ミズヒキゴカイ

Cirriformia tentaculata (Montagu, 1808)

レア度:いつでも見られる

形態:砂泥底に生息するゴカイの仲間。イトミミズのように海底表面に出しているのは「鰓糸」と呼ばれる器官であり、1個体が多くの鰓糸を伸ばす。本体は海底下数㎝のところにある。

生息域:世界中の砂泥海岸にふつうにみられ、かなりの汚染域にも進出している。葛登支では砂がたまる所であればどこにでも生息する。茂辺地漁港に近い方が砂泥がたまるためか、多く生息しているように思う。

生態:ヨコイトカケギリに捕食され、哀れにも体液を吸われる。繁殖期は4~5月頃を最盛期とするが、秋ごろまで続く(George, 1964)。本種は浮遊幼生と着底幼生が同じ卵塊から生じるが、両者に形態的な差はなく、さらにその比率は遺伝的に決まっていると考えられている(George, 1967)。夏はうねうねと動いているが、冬は元気なくだらっとしている。

その他:採集するときは、両手を海底表面から少し深く差し込み、掌いっぱいの砂泥と一緒に、包み込むように掬い上げるときれいに拾ってこられる。

2020年7月@茂辺地 大友
2020年7月@茂辺地 大友
2015年7月 りった ゴージャス
2015年7月 りった 一人暮らし3年目の部屋
2015年5月11日 りった
2021年2月10日 りった
2021年2月 大友
2021年4月11日 りった
2021年4月16日 りった

引用文献:

  1. George, J. D., 1964. The life history of the cirratulid worm, Cirriformia tentaculata, on an intertidal mudflat. J. mar. biol. Ass. U.K. 44: 47-65.

  2. George, J. D., 1967. Cryptic polymorphism in the cirratulid polychaete, Cirraformia tentaculata. J. mar. biol. Ass. U.K. 47: 75-79.