レア度:いつでもみられる
形態:全長2㎝程度の二枚貝。貝殻は分厚く、前後に長い箱形をしている。表面には細かい放射肋と、間隔のあいた同心円脈が発達する。貝殻表面は白色(通常、汚れている)で、内面は一部紫色に染まる。
生息域:北海道南部以南~東南アジアに分布し、潮下帯の砂泥岩に穿孔して棲む。
生態:岩石の穴や隙間に入り込んで生活する。ただし、イシマテガイのように自ら巣穴を開削するのではなく、他の穿孔貝 (e.g. ニオガイ科) の巣穴やポットホールを二次的に利用していると考えられている (山本 1961; 島口 2006)。
その他:その生態上、生きた貝を見かける機会は少ないが、死殻はよく目にする。その貝殻には高確率でオウウヨウラクによる捕食痕がみられるため、それらの肉食性巻貝にとって重要な餌であることが推察される。
引用文献:
山本愛三.1961. 穿孔貝の穿孔法について. ちりぼたん, 1: 209–215.
島口天. 2006. マツカゼガイの生態に関する考察. ちりぼたん, 37: 13–16.