フツウゴカイ(基本型)

Nereis pelagica Linnaeus, 1758

レア度:いつでも見られる?

形態:成体は体長10㎝、体節数70前後にまで大きくなる。11月に採集した個体は3㎝くらい、体節も30節前後だったので幼体と思われる。前口葉は縦に長い三角形で、前口葉の後方に眼が2対ならぶ。先端に1対の感触手がちょびひげのように生えており、前口葉の長さの半分程度、かつ両脇の副感触手より長い。さらに首元から4対の感触手が伸び、そのうち最も長いものは第4剛毛節に達する。頭部の後ろの、疣足のない「囲口節」は長く、ネックウォーマーをつけているような見た目。背面は褐色。疣足は前から後ろまでほぼ似たような形で、背触糸がひょろっと伸び、その下部に剛毛がよく目立つ。体の後端にはやや長い肛触糸が2本ある。

生息域:葛登支では、3㎝くらいの個体が海藻の中から出現。藻体上に、粘液で巣を作っていたのだろうか?大きな個体は未確認。

生態:北海道での繁殖期は6、8、9月。時期になると全身を遊泳と繁殖に適した形に作り替える「Epigamy」と呼ばれる生殖変態を行う。生殖型はこちら。

その他:ツルヒゲゴカイによく似るが、ツルヒゲは前口葉がほぼ五角形で、本種に比べて短いこと、最長の感触手は第11剛毛節くらいまで伸びること、各疣足の根元の背面側に褐色の模様があることで見分けられる…らしい。副感触手もツルヒゲの方が太く、先端の丸い部分が目立つように見える。

2020年11月 大友
2020年12月 大友
2020年12月 大友
2020年12月 大友体中央部の疣足のようす
2020年5月 青木