葛西囃子の演奏構成は笛一名・締太鼓二名・大太鼓一名・鉦一名の五人囃子での演奏です。(切り囃子・投げ遣りの演奏等)但し、獅子舞やニンバ(道化踊り)は演奏楽器や演奏構成が変わります。獅子舞は獅子と笛一名・ヨツ(締太鼓と桶胴)一名・鉦一名と演奏者は三名です。ニンバ(両面踊りを含む)は舞い手と笛一名・ヨツ一名・大拍子一名・鉦一名の演奏者は4名が基本ですが、演目により多少の変化はあります。
始めに「打ち込み」と称して前奏に締太鼓だけで15音打ち込みます。
第一段 屋台囃子と名付け笛の音から始め、締太鼓、鉦、大太鼓としだいに音調を整えること約3分間
第二段 昇殿と名付ける部分で約2分間、笛が少しゆっくりしたリズムに変わり大太鼓や鉦がそれに合わせます。
第三段 鎌倉と称し比較的静かな部分で、鳶職のきやりに良く合いますが、これも3分程かかります。笛の聞かせどころです。
第四段 四丁舞といってこちらも3分くらいかかりますが、締太鼓が一番賑やかに打つところで、笛に合わせて叩く締太鼓演奏者の腕前を要するところでもあります。
第五段 第一段の屋台囃子を繰り返して終わりとなります。
笛・ 別名(トンビ)
篠竹で作った七孔の笛を使用し、その長さにより三~八本調子などありますが現在では四~六本調子を多く使います。
締太鼓・ 別名(シラベ)
革を鉄枠に取り付けて貫きの胴に紐で締めて使用しますが鉄枠の大きさにより並付け、二~五丁掛けなどが有り三~五丁掛けを多くつかいます。
大太鼓・ 別名(オオド)
鋲打ちの長胴太鼓で革面の径が一尺一寸~三寸の物を使います。
鉦・ 別名(ヨスケ)
真鍮の鋳物で作られ,竹に鹿の角を付けたバチ(撞木・しゅもく)で打ちますが、直径四~七寸の物を使います。
桶胴太鼓(オケドウ)
名の通り桶状の胴に革を紐で取り付けて有ります。単独で使わず締太鼓と対で主に獅子舞に使用します。
大拍子(ダイビョウシ)
胴は桶状ですが革の部分は枠に付けてあり甲高い音色が特徴で細い竹撥で打ち里神楽、仁羽(ニンバ)に使用します。
締太鼓一丁掛け
切り囃子等で使う締太鼓より革が薄く高い音が出ます。軽くて持ちやすいので角付け等の獅子舞に桶胴と組ませて使用します。
お囃子演目の中のニンバ(道化踊り)に使用するお面には色々な種類があります。オカメやヒョットコは有名ですが,他にもワライ・ダルマ・カワズ・一文字など・・・但し、作者や地域により呼び名も変わるそうです。写真のお面は、保存会の会員でもある小林さんの作品です。他にも色々な作品を所蔵しているそうです。