第2回研究会
2024年8月26日 於:国士舘大学
幼児期のどのような活動が 学齢期のどのような学びへとつながっていくのか、「幼児期の遊び×学齢期の学び」をテーマに 意見交換しました。(参加者17名)
第Ⅰ部
趣旨説明:ドイツの就学前教育政策の動向を参照しながら
立花有希(宇都宮大学)
報告:教科学習の芽を育む保育・幼児教育 ― 環境と遊びをとおして―
佐々木由美子氏 (足利短期大学)
第Ⅱ部
参加者相互の情報交換会
幼児期のどのような活動が 学齢期のどのような学びへとつながっていくのか、「幼児期の遊び×学齢期の学び」をテーマに 意見交換しました。(参加者17名)
第Ⅰ部
趣旨説明:ドイツの就学前教育政策の動向を参照しながら
立花有希(宇都宮大学)
報告:教科学習の芽を育む保育・幼児教育 ― 環境と遊びをとおして―
佐々木由美子氏 (足利短期大学)
第Ⅱ部
参加者相互の情報交換会
●ドイツの保育・幼児教育の政策と研究動向から、日本で保育・幼児教育と学校教育との連続性、共通基盤をどのように形成できるか検討しました。
●保育・幼児教育で環境と遊びをとおして育まれる10の姿が、学校教育で育まれる知識・技能、思考力・判断力・表現力等にどのようにつながっていくのか、意図をもった環境設定(「しかけ」)の事例として、子どもの興味から「忍者」をテーマとしたプロジェクト型の保育を紹介していただきました。
●大きなプロジェクトではなくても、小さな「しかけ」の積み重ねが「環境構成」になる。
●目指す目標に向かって進んでいくための Co-Agency (OECD)は、子どもだけでなく保育者にも求められているもの。
●いかにいろいろなことを体験してきたかが小学校での学習につながり、抽象的概念や思考力を育てる。
●子どもが自分から知りたいと思う必要感を感じられるように設定すること。達成感をもたせること。
●日本語を母語としない子どもの保育では、具体物を見たり触ったりしながら、保育者が意図して豊かな言葉で話しかけることが大切。
●必要な観点(cf. ドイツの質的観察指標「BaSiK」)を保育者が知っていること、子どもの姿をしっかりと捉えることが重要。
●「アプローチカリキュラム」は小学校での学習の先取りをやるのではない。小学校の「スタートカリキュラム」では、幼児教育の目的を理解し、幼児教育に寄せた内容でやるとよい。
●「小1プロブレム」や「中1ギャップ」も同じで、子どもに寄り添って変えていく柔軟性、子どもの自律的な学び、協働的な学びに、いかに寄り添ってできるかが大事。
【感想・提案など】
●ドイツの政策・研究動向をはじめ、具体的な幼児教育の実践事例や評価・指導・支援のあり方について深く学ぶことができ、貴重な機会となりました。ディスカッションも多様な視点で話し合うことができ、今後の実践にも役立てていくきっかけとなりました。
●保育園のお泊まり保育プロジェクトが心に強く残っています。
●体験的活動から学ぶことが大切ということを再認識できました。
●「BaSiK」の日本版作成の話題が興味深かったです。
●保育園、保育所、幼稚園から送られてくる資料の見方を小学校側も勉強しないといけないと感じました。日本語版(試案)の「BaSiK」の項目を見せていただき、個別に評価しないまでも、その子の苦手な部分、未熟な部分がはっきりした状態で小学校に引き継げると思いました。外国籍家庭で家庭内で育てられない日本語を幼児期のどこでどんな形で補うか、課題になると思いました。
● 様々な市町村、県から立場のちがう方と話ができる機会は本当に貴重で、新たな発見が多いです。今後、現場で悩む先生方と共有したり発展させられたらいいなと思います。