観点日本の西端エリア 。東京から約2,000km、直行便で3時間。
石垣島・八重山観光の魅力は、海の美しさはもちろん、大自然に溶け込んだ色濃く残る独自文化にあります。
海や花の鮮やかな色彩や、集落ごとの祭には感動があふれています。
石垣島や世界遺産の西表島を含む八重山諸島の見どころを、景観や自然・文化の観点で紹介いたします。
※地図をタップすると拡大できます。
◆八重山観光で役に立つ情報
◆石垣島ドライブの距離・所要時間(新石垣空港から時計まわり時速40㎞で換算)
石垣島は1周約100kmで信号も少なく、レンタカーでゆっくり観光しても1日でまわれます。
港周辺から1周する場合は、川平湾等みどころの多い西海岸を先に満喫することをおすすめします。時間が押している場合は北端の平久保崎を外すと余裕を持てます。
空港から御神崎・川平に直接行くには、市内を通らずサトウキビやパイン畑を走り名蔵へ抜ける道が便利です。
2013年に新空港が開港。大浜の旧空港は滑走路が短く、小型機(B737)着陸後の急減速が有名でしたが、新空港は中型機も離着陸可能となり一新しました。
本土からの直行便が発着する日本最南端の空港です。2025年新石垣から石垣空港へ改名しました。島の中心離島ターミナルまではタクシーでも20分以上かかります。
お土産店や飲食店が充実しているので時間を持て余すことはありません。アクアリウム水槽や展望デッキもあります。
空港近くの海で堀出されたオオジャコ化石。現在近海には生息していませんが、数千年前の化石で300㎏と世界最大級です。
港のある中心部から島を1周時計回りに紹介いたします。
市内から川平にかけての西海岸は海や自然の変化が楽しめる石垣島観光のメインストリートです。
石垣島全体が石垣市で、石垣港を中心に市街地が広がっています。人口は2023年に初めて5万人に達しました。今も子供が多く人口増加が続く市です。離島は竹富町になります。(与那国島のみ与那国町)
沖縄返還後1978年7月30日の左側通行に変更を記念して命名された交差点。港と飲食店・商店を結ぶ、島で一番にぎやかなところです。
730交差点近くにあります。以前はアヤパニモールと呼ばれ、島の生活を支える商店街でしたが、大型スーパーの増加とともに、土産店中心の市場に変貌しています。雨天時はここをおすすめします。
ユーグレナモールにある公設市場は、八重山産にこだわった生鮮食品や工芸品・土産を購入することができます。
1819年に建てられた沖縄に唯一残る上級士族の民家で重要文化財に指定されています。枯山水を模した庭園もあります。
湿地保全に制定されるラムサール条約登録地で、潮が引くと広大な干潟が現れます。名蔵湾沿いの橋から全体を眺めることができます。
夕日の名所です。眼下は地形が複雑なためダイビングスポットでもあります。この辺りから川平・名蔵にかけてはカンムリワシや蝶などの生物が多く生息しています。
景色よく波がおだやかで遠浅、クラゲ防止ネット、トイレもあり子供たちを海水浴させるにはおすすめです。元祖日本で一番早い海開き(3月)のビーチです。
撮影によく使われる沖縄のイメージにピッタリな海岸。道はわかりにくいので地図で確認してください。
遠浅ですが遊泳場ではありません。サンゴが混在するのでシュノーケルリングがおすすめです。この沖はマンタもいるダイビングスポットです。
◆八重山の海の色と夕焼けの色
八重山の海の色は青緑のエメラルドグリーンといわれます。また夕焼けは鮮やかな赤やオレンジ色です。
浅く澄んだ海では、晴れて空気がきれいな昼間は、日光が遠くまで届く波長の長い青に加え、次に届きやすい緑も目に見えるためです。波長が短い赤は、強い青に消されてしまいます。
一方夕焼けは、太陽が低いと日光は厚い空気層を抜けるため、途中に漂う微粒子や、八重山ではスコール後の水蒸気にぶつかり青が拡散してしまいます。そのため残った赤とスコールの雲が、鮮やで立体的な夕焼けを演出します。
芸術家の岡本太郎が「いかなる画人のいかなる詩情をもってもその表現は困難」と表現した、沖縄唯一のミシュラン三ツ星観光地です。
石垣島で観光地とお土産屋・飲食店が充実しているところは、ここだけです。ゆっくり時間をとってくつろげます。遊泳は禁止ですがグラスボートでサンゴ礁を周遊できます。
エメラルドグリーンの海は、太陽が高ければ、明るめの曇りでもきれいに見えます。
石垣島一周道にある川平湾全景が見渡せる展望台。特産品の黒真珠の養殖場やサトウキビ畑も眺められます。
遊泳地ではありませんが、熱帯魚が多くシュノーケリングの人気スポットです。急に深くなるところがあり離岸流も強いため十分な注意が必要です。
◆海に入る前に
白砂は日差しを反射するので十分な日焼け対策と、サンゴで足を切ることもあるので裸足は避けましょう。
サンゴ礁で泳ぐ時は深みや潮流があるので、沖に向かって泳がず、浜に沿って泳ぎましょう。
サンゴ礁では事故が多発するためライフジャケットや浮き輪等浮力のあるものを準備しましょう。
子供を泳がせる場合は、危険なハブクラゲ用防護ネットがある底地ビーチや遊泳場にしましょう。
魚や貝等の海中生物には毒がある生物もいるので触れずに眺めるか写真で残しましょう。
樹形がきれいな八重山の固有種が群落をつくっています。セミの声がBGMになります。
タコ足の根が特徴のヤエヤマヒルギや、潮が引くとカニやトビハゼが身近にみれます。西表島に行かない方にはここがおすすめです。
空港がある東海岸は、平久保崎・玉取崎などサンゴ礁のリーフと、点在する南国の集落が魅力です。
石垣島最北端の岬です。太平洋と南シナ海が一緒にみれます。見晴らしがよく眼下のサンゴ礁と宮古島との間にある多良間島も見えます。
トップシーズンは岬近くの道や駐車場が狭いため、駐車待ちが発生します。他の観光に時間をあてることも考えましょう。
急な一本道を登りきるとパラグライダーの飛行広場があり眼下に明石海岸が見渡せます。
人の手がほとんど入っていない広大な海岸です。遊泳はできませんが、ひと気がなく無人島にいる雰囲気を感じます。
川平湾と並ぶ、石垣島の観光スポットです。晴れていればリーフを境にした海のコントラストがきれいです。
一帯にハイビスカスが咲いて、青緑の景色に映えます。空港まで渋滞なく30分で行くので時間調整にも便利です。
新空港の建設中に、日本最古2万7千年前に住んでいた人の全身骨格が発見された遺跡です。サンゴの石灰岩により風化を免れたもです。現在は埋め戻されています。
国の天然記念物にも指定されています。宮良橋から河口のマングローブ林を上から眺められます。駐車場が少ないですが河原に降りることもできます。
◆満潮と干潮
満潮時は、海水浴やシュノーケリングに向いています。波がサンゴ礁を超えてくるので高波時は注意も必要です。
潮が引くと海水浴時に浅くて泳げない場合や、シュノーケルではサンゴ礁に集まる魚が減ります。
干潮時には、河口や干潟でミナミコメツキガニやシオマネキ、ミナミトビハゼをみることができます。
またサンゴ礁では、潮溜まりに取り残された魚や貝を近くで見ることもできます。
過去の津波でサンゴの塊が切り離され平地に置かれたもので、大浜に点在します。1000t近いものもありその威力を実感できます。
国の史跡に指定されています。1500年琉球王朝の年貢要求に反乱を起こした八重山の英雄、オヤケアカハチの居宅跡の可能性が高いとされています。
宮良湾を望める高台にあります。以前は森に埋もれていましたが、整備されて公園となっています。旧空港の先にあったため滑走路拡張ができず、新空港に移転しました。
ブーゲンビリア。あまり整備されていない農園ですが、かえって南国の雰囲気を感じられます。パイン・マンゴー・グアバなどの生ジュースも飲めます。(2025年農園閉鎖中、レストラン営業時間注意)
フクベノキ。ボーリングの玉くらいにもなる実。珍しい南国の植物や優雅に飛ぶ蝶オオゴマダラにも出会えます。
以前の離島へ向かうターミナルが手狭になり2007年に少し移動しました。八重山の島への移動は全てここが起点になります。
石垣港は観光用だけでなく、台湾との貨物輸送や、尖閣諸島防衛の海上自衛隊の艦船も多く、重要な役割を担っています。
◆島内の移動(西表島を除き島内に定期バスはありません)
竹富島と黒島はサンゴ礁でできた平らな島のため、遊泳を入れても1日の自転車観光で十分です。(自転車3時間1,500円程度)
小浜島と波照間島は起伏があるので、自転車よりバイク・車の方が無理なく1日で巡ることができます。(原付3時間3,000円程度)
西表島は島を車でまわるより、カヤックで秘境探検やシュノーケル等目的を決め、1日ツアーでアクティブに過ごす島です。レンタカーは少ないです。
◆船の所要時間(2025.1現在)
離島は石垣港を起点としているため、次の島には一旦石垣島に戻る必要があり1日1島が一般的です。
竹富島たけとみじま
石垣島からわずか10分。八重山のみどころを詰め込んだ島です。
サンゴ礁が隆起した平らな島で、もっとも八重山らしさが残る島です。石垣港から10分で着きます。ここからバスで集落の中心に行き、自転車で散策が定番です。
赤瓦は過去の解体したものを保管再利用するなど、景観保全のために島で憲章をつくり八重山らしさが保たれています。農業用として活躍した水牛も今は観光用として島らしさを演出しています。
ゆっくり時が流れ、時間を忘れて過ごすためのテーマパークのようです。集落に溶け込んだ飲食店も複数あり、リピーターが多いのも頷けます。
昭和に使われていた桟橋で、長さ105mあり夕日の名所です。写真は桟橋の上が晴れ間とスコールの境目となっています。八重山では日常的にあり片降りといいます。
遠浅の海は泳ぐというより、つかる感じの砂浜です。日差しが強いのでやけど防止のTシャツが必須です。浜でレンタルされているビーチパラソルも有効です。
小浜島の奥に西表島が望めます。潮が引いている時には砂の島が現れ歩いていけます。
魚が少ないのでシュノーケリングには向いていません。
流れが速く泳げませんが、海のグラデーションが八重山の海らしい色できれいです。濡れた手に砂を付けると星の砂もみつかります。
西表島いりおもてじま
石垣島から40分。滝や海など多様な自然をアクティブに楽しむ島です。
サキシマスオウノキ。仲間川のクルーズでみることができます。板根は昔サバニ船の舵として使用されました。現在は柵があります。この川の流域は日本最大のマングローブ林です。
牛車で渡れる海峡です。車も海を走ります。電柱も海の中に立っています。不思議な光景を味わえる場所です。
三線の音色を聞きながら牛にゆられ10分ほどで島に渡れます。アクティブを求められることが多い西表島にあって心やすらぎます。
ヤエヤマヒルギは八重山を代表するヒルギでマングローブ林を形成します。たこ足の根が特徴で満潮時に小魚の隠れ家となります。
1971年の台風被害でほとんどの住民は対岸へ移住したため小学校の跡だけが残っています。島全体が植物園で整備されていてきれいです。
島は熱帯の花に蝶が飛び交い、正に楽園といったところです。ヨナラ水道の対岸に小浜島も望めます。
西表島の東海岸はサンゴ礁の島影、広大なマングローブ林など本土では見れない景色が続きます。
西表島の最高峰469mの古見岳です。山裾はマングローブ林です。古見はとても古い集落で、ここの秘祭が小浜島や石垣島宮良に伝承されています。
古見のサキシマスオウノキ群落は小ぶりの木が複数生えていて触れることもできます。この辺りでは、年2回米が収穫できます。
東海岸沿いの駐車場から降りると岩場の川があり、河口にはマングローブ林と海が広がっています。コンパクトに西表の自然を楽しめます。
滝は水しぶきで涼しく、暑さと疲れを忘れさせてくれます。島には100以上の滝があるといわれ探検ツアーが増えています。
他の浜でも星砂はみつけられますが、ここは浜がまるこど星の砂でできているようです。小島との間の海では熱帯魚も間近にみれます。
小浜島こはまじま
石垣島から25分、観光をするよりリゾートホテルでくつろぐ島です。
階段を上がると展望台になっていて、八重山の島々と日本最大のサンゴ礁(石西礁湖)を一望できます。写真は嘉弥真島と後ろが石垣島です。
朝ドラ「ちゅらさん」で民宿の設定として使われた「こはぐら荘」です。現在も民家として使用されています。
黒島くろしま
石垣島から30分、観光地化されていない黒毛和牛の牧場が広がるハート型の島です。
港から自転車で牧場を抜けたところにある、イノーと呼ばれるサンゴの天然プールです。シュノーケリングに適しています。足がつかないのでライフジャケットが必須です。
ウミガメを間近でみれる研究所です。建物は古いですが一般客も見学することができ、海洋生物について学ぶことができます。
波照間島はてるまじま
石垣島から60分最南端の島。サトウキビ畑が広がる八重山の原風景が残る島です。
八重山一のビーチとも言われ、より白い砂浜が特徴です。ここまでくると観光客も少なくプライベートビーチ気分が味わえます。
遠くに望めるのが西表島です。戦争でこの島の人が西表島に移住させられマラリアで多くの方が亡くなった歴史があります。
2008年を最後に石垣島との定期便は途絶えていましたが、2022年に再開されました。バス停のような空港で趣があります。付近にはサトウキビ畑が続きます。
有人としては、日本最南端の島(無人では小笠原沖ノ鳥島)です。島を1周するには広いのでバイクか車が必要です。
◆八重山の気候
本土が冬型の1~2月頃と石垣島に梅雨前線がかかるGW以降は天気の悪い日が多くなります。
冬でも最低気温が10度を下回ることは殆どありませんが、風が強いと肌寒さを感じます。
5~10月は真夏です。最高気温32度で、最低気温27度程度ですが体感温度はそれ以上です。
夏は刺すような日差しです。無防備で体を焼くと大やけどを負います。Tシャツは着用してください。
高温多湿で汗が止まりません。売店がないところも多いので事前に飲料を準備してください。
海が気温を抑えるため35℃になることはなく、日陰に入ると海風もあるため少し体が休まります。
晴れていても黒っぽい雲が現れるとスコールになります。普通1時間ほど雨宿りをすれば止みます。
朝は明けるのが遅く、夜は夏場だと午後8時でも明るいため離島で最終便の乗り遅れに注意が必要です。