放射光・ミュオン連携科学研究会 (特定放射光施設ユーザー協同体・第7期)
【概要】
マテリアルとその機能、その奥にある基礎物理過程の解明を目指し、(1)SPring-8/SPring-8-IIを中心とした放射光の硬X線と、SPring-8/SPring-8-II/ナノテラスを中心とした放射光の軟X線、(2)J-PARCを中心としたミュオン、の2つの量子ビーム特性の違いを生かし科学研究を進めます。放射光は様々な測定手段で信頼できる科学データをでき、研究成果も多数得られていおり、蓄積された実験ノウハウを基盤とした自動化やリモート測定システムの整備が進んでいます。一方、ミュオンは物質深くを調べられる高いポテンシャルを持つプローブと言えるものの、発展途上です。これらの相補的なプローブを利用し技術交流を進めることで、新しい研究トピックスを開拓し、先端利用研究を樹立し、新規ユーザー群の獲得を進めます。
【活動目標】
まず負ミュオンで放射光との連携を強化し、物質表面(~nm)から深部(~cm)にいたるあらゆる位置で、元素およびその化学状態および構造等を調べる3次元の分析スキームの確立を目指します。実験エビデンスと研究者間でのフラットな議論をもとに、異なるバックグラウンド、俯瞰した視点を持つ研究者の交流を通して既存概念に捕われない科学の新しい地平線を切り拓きます。AIによる効率的な実験実施と自動解析やビッグデータの活用といった新技術の今後の導入を視野に入れながら、それぞれの利用施設における研究体制をハード、ソフトの両面から強化します。
【目的】
SPring-8/SPring-8-II/ナノテラスのユーザーとJ-PARCミュオンユーザーの間で量子ビーム連携利用の利点と課題を理解し、共有し、成果の最大化を目指します。最初の2年間は以下を実施する予定です。①放射光と負ミュオンの両プローブの特徴を学び、連携利用になると考えられる科学テーマ(例:3次元深さ分解・界面分析)に関する議論を行う研究会の開催(オンライン)、②実験講習会を通した両プローブを利用する研究者の育成、取り込み、③SPring-8のBL再編に関する希望調査と取りまとめ、④海外の実験施設との情報交換及び共同研究立案。