JUNOは2005年6月9日にニューホライズンズに続くニューフロンティア―ズ計画の一環として木星の探査を行っている宇宙探査機です。JUNOの目的は木星の誕生と現在までの過程を解き明かすことで太陽系についての理解を深めることです。具体的には木星の大気や磁力場、重力場を測定することで木星の内部構造などを明らかにすることで他の惑星を理解するための知識を収集しています。JUNOは大変速く、最高速度は北海道から沖縄まで30秒で行けるほどの速度を出すことができます。
Microwave radiometerは木星の大気の構造、動きのでデータを得るために利用される機器です。また木星に含まれる水の量も測定しています。この機器は6つのアンテナで構成されており、それぞれ600MHz, 1.2, 2.4, 4.8, 9.6, 22GHzの周波数帯で測定を行います。異なる周波数のマイクロ波放射を測定することにより、内部の様々な層を調べることができます。
JIRAMは、木星のオーロラや大気を至近距離から観測するために設計された赤外線分光器です。地球の5~7倍の気圧である、雲の上から50~70㎞の深さの大気を探査することができます。ホスフィン、メタン、アンモニア、水を測定します。
MAGは木星の内部構造と磁場について調べるための機器です。MAGは磁力線の強さと方向を測定するフラックスゲート磁力計2つと磁力センサーの向きを監視するadvanced stellar compass (ASC)で構成されています。MAGはほかの観測機器からの磁場の干渉を防ぐため、太陽パネルの先端に取り付けられています。
GSは木星の重力場を測定し、木星の内部構造を明らかにする機器です。木星の内部構造の変化は木星の重力場に影響を与えます。また、Junoの軌道にも変化を及ぼし、木星に近づくほどその変化は顕著になります。これを利用し、Junoは地球との通信の中で地球上に送信した信号と地球から送られてきた信号のずれにより重力を測定します。地球との通信ではX-bandとKa-bandが用いられています。
JADEは木星のオーロラを生み出す電子やイオンを検出するセンサーです。木星のオーロラを生み出すプロセスと木星の磁気圏の3次元地図の作成に役立ています。4つのセンサーで構成されており、そのうち3つはJunoの取り巻く空間の電子を、残り1つは正に帯電する水素、ヘリウム、酸素、硫黄のイオンを識別します。高エネルギー帯を測定するJEDIに比べ、JADEは低エネルギー帯で測定を行います。
JEDIは木星の特定の範囲内のエネルギー、角度、イオンの種類(水素、ヘリウム、酸素、硫黄)を検出する機器です。マイクロチャンネルプレートとフォイル層を利用した3つの同一の検出器で構成されています。400から500keV(kilo電子ボルト)の電子と20keVから1000keVのイオンを検出できます。
Wavesは電波とプラズマ波を研究するための機器です。この機器は木星の大気、磁場、磁気圏の間の相互作用を解明し、木星のオーロラの発生機構を明らかにするように設計されています。50Hzから40MHzの無線周波数、50Hzから20kHzまでの磁場を検出します。ダイポールアンテナと磁気サーチコイルの2つの主要センサがあります。
UVSは木星のオーロラを赤外線で撮影する機器です。JADEやJEDIと組み合わせることでオーロラと、大気に衝突する粒子、惑星全体の磁気圏との関係を理解するために利用されてます。UVSは70~200ナノメートルの波長範囲における紫外線光子に敏感に反応します。
JunoCamはJunoに搭載されているカラーカメラです。JunoCamは特に一般の人を対象にして搭載されており、Junoミッションの科学機器の一つとしては含まれないです。JunoCamの広角カメラは1ピクセルあたり最大25㎞の解像度で撮影します。JunoCamで撮られた画像はJunoミッションのwebサイトで公開され一般の人がカラー画像に加工することができるようになっています。木星を取り囲む高エネルギー粒子が電子機器に損傷を与え装置を停止せざるを得ないことが予想されていたが、2020年9月時点でも動作し続けています。