国民新聞(平成24.5.25)の記事
殉国七士墓前祭 森敬恵さんが奉唱
四月二十九日、愛知県西尾市東幡豆町の三ケ根山頂にある殉国七士廟で第六十二回の墓前祭が行われた。
これまで墓前祭は殉国七士奉賛会によって行われてきた。七士廟が建立されたのは昭和三十五年で、それ以来、途切れることなく墓前祭が行われてきたのは、建立当時の関係者の思いが殉国七士奉賛会の中心となってきた幡豆町商工会に正しく受け継がれてきたからである。
昨年、幡豆町商工会のある幡豆郡幡豆町は周りの市町村と合併して西尾市寺部町になることになったが、西尾市になると、それまでの思いが必ずしも正しく受け継がれるとは限らない。正しく受け継がれ、これからも墓前祭が続けられるように、それまでの曖昧な組織を正式なものにすることとなり、一般社団法人殉国七士奉賛会と組織替えした。
殉国七士廟建立の中心となった三文字正平弁護士の息女であり祭主でもある福留佳子さん、遺族の板垣正・元参議院議員たち、さらに百名に近い人たちが参列するなか、午後二時、墓前祭は始まった。
墓前祭は厳粛なうちに進み、最後にオペラ歌手の森敬惠さんが「埴生の宿」「荒城の月」「海ゆかば」を奉唱した。
「埴生の宿」と「荒城の月」は昭和の時代に親しまれ、「海ゆかば」は大東亜戦争期には熱唱された歌である。七士の御霊にとっては心から受け入れられる曲だろう。二期会の会員である森さんの歌唱力は素晴らしく、七士の御霊はどれほど慰められたことか。三曲目の「海ゆかば」は参列者全員により斉唱された。
終わると、福留住子さん、板垣正さん、幡豆町商工会のみなさんから期せずして感激の言葉と称讃の声が挙がり、いかに森さんの奉唱が素晴らしかったかを表していた。